東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

外語祭の思い出 〜ロシア料理店&ダンス公演〜

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こんにちは!東京外大ロシア語科4年のりおです(^ ^)

先日、第99回目を迎える「外語祭」が終了しました! コロナ前の外語祭を知っている者からすると料理店がない外語祭なんて考えられないと思っていましたが、2年ぶりに対面形式を交えた学祭が開催できて本当に良かったなぁと思います。私も今年は一通り企画を回って語劇も見て楽しみました😄

さて、この記事では私が1年生だった2018年の外語祭を振り返ろうと思います。コロナ以前の外語祭はこんな感じだったのかぁ…なんて思いを馳せながらぜひ読んでください!

 

1. ロシア料理店「フクースナ」

ロシア語専攻の1年生は、屋台でさまざまなロシア料理を提供する「ロシア料理店」を出店します。(中央アジア地域専攻の1年生はそれとは別に中央アジア地域の料理店を出します。)

ちなみに2年生になると、専攻語で演劇を行う「語劇」に挑戦します。(なぜか2年生が語劇をやるときはロシア語専攻も中央アジア地域地域専攻も一緒にロシア語劇を上演します。なぜでしょう?)

 

外語祭は一般的な他の大学の学祭とは少し違って、1,2年生は有志ではなく基本全員参加なんです。これは賛否が分かれるかもしれませんが、高校のクラスのように語科の全員と仲良くなれるチャンスなので私は嬉しかったです(^o^)

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ロシア語専攻は1学年だけでこんなにいます!この写真はボート大会です

料理店出店に向けた準備は、1年生の夏休み中から始まりました。店長と副店長を中心に店名や出品する料理を決め、各料理を担当する幹部メンバーを募集しました。ほかにも衛生担当や装飾担当などの役割を決めました。ロシア語専攻は50人以上もいる大語科ですが、一人一人が各料理のいずれかの班に配属されました。

ちなみに私は美術が好きだったので装飾担当のリーダーをやりつつ、ブリヌイを作る班にも所属していました!

 

私たちのロシア料理店で販売したのは、以下のお料理とお酒です。

・ボルシチ(ビーツを使った赤いスープ)

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・ピロシキ(ひき肉が入った惣菜パン)

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・ブリヌイ(ジャムやチーズなど好きなもので味付けをするロシア風クレープ)

写真はあとでお見せします。

・ウォッカ(ショットのほかカクテルもあります)

ロシア料理通の方はご存知のように、ロシア料理にはスメタナというサワークリームが欠かせません。しかし保健所の規則で自作の乳製品を提供するのが難しいと判明したのを覚えています。なのでサワークリームなしでも美味しく食べれるように料理の味付けを工夫していました!

 

私の所属していたブリヌイ班では、試食会を開催してクレープ生地にどんなソースやおかずが合うか実験しました。ブリヌイ班だけで15人ほどいたので、キッチンスタジオを貸し切ってしまいました。

こういうときって料理が得意な人とそうじゃない人に分かれますよね。私は料理が苦手なので、ひたすら食べる専門で「これはいける」とか「これは微妙」とか、ボヤいていた覚えがあります(笑)

そして決まった味付けは…

① サーモン&クリームチーズ

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② ロシアンティー&クリームチーズ

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の二種類!

①は本場ロシアでも定番の味付けですが、②は私たちのオリジナルです。いちごジャムに紅茶パウダーをかけて、クリームチーズと一緒にいただきます。これがめちゃめちゃ美味しいんです…!

 

そして、装飾班の仕事で一番力を入れたのは、看板作りです! 夏休みが明けた10月頃から平日の放課後はほぼ毎日大学に残って作業をしていました。

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ソ連アバンギャルドを意識したデザインで、とてもかっこいいです😆

5メートル×3メートル程のとても大きな看板なので、全体に色を塗るのがかなり大変でした。

ほかにもメニュー表の作成や語科パーカーの制作も任されました!

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ロシア語科の語科パーカー

そしてついに迎えた外語祭当日、ロシア料理店は驚くべき盛況ぶりでした! あまりにも長い列ができていたせいか、ソ連の配給行列かよというツッコミを受けました(笑)

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看板もばっちり目立っていますね!

当日も私はブリヌイ班メンバーとしてひたすらブリヌイを作り(といってもクレープに入れて巻くだけなのでボルシチやピロシキより簡単です)、時々レジや商品受け渡しの係を任され、装飾が壊れたら修理して…といった感じでした。特に土日は混雑して目が回りそうなときもありましたが、お客さんに美味しかったと言ってもらえるのが嬉しかった記憶があります。50人以上もいるロシア語科の仲間たちとも外語祭をきっかけに仲良くなれて、楽しい外語祭5日間はあっという間に過ぎ去ってしまいました。

 

2. ベリーダンス公演

私の1年生のときの外語祭の思い出といえば、料理店と並んで忘れられないのは、所属していたベリーダンス部の公演です。料理店のシフトの合間にダンス公演に出演したり公演のお手伝いをしたりしていました。ベリーダンスというのは中東発祥の踊りで、胸やお腹のくねくねした動きが特徴的なショーダンスです。

1年生は3,4人のグループで踊ります! このときは初めてのショーでとても緊張しましたが、家族や友達が見にきてくれてとても嬉しかったです。技術はまだまだでしたが、楽しんで踊れたのでOK! 今でも仲が良くて大好きなメンバーです😂

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外語祭前の約1ヶ月は本当に忙しかった記憶があります。放課後は装飾班の仕事があったので、授業日の昼休みや空きコマはダンスの自主練に当てていました。土曜日は部活に行って、日曜日はあまりにも疲労が溜まっていたので一日中寝たきりのようになっていました(笑) 今ではいい思い出です。

 

東京外大には、ベリーダンスの他にもフィリピン舞踊、インドネシア舞踊、アルゼンチンタンゴ、カタックダンス、フラダンスなどなど世界の様々な地域の舞踊サークルがあります。外大ならではで素敵ですよね〜!

 

 

以上、2018年の外語祭レポでした! この記事を書きながらとても懐かしい気持ちになりました。形を変えつつも毎年続いている外語祭を在校生として誇りに思います。これからの外語祭も楽しみです(^o^)

 

文責:りお

 

*今日のロシア語*

готовить(ガトーヴィチ)

意味:料理する

танцевать(タンツェヴァーチ)

意味:踊る

外語祭でピロシキ班を担当した思い出(改善と失敗)

こんにちは!3年の川又です。

11/23、外語祭最終日に上演されたロシア語劇『桜の園』は大成功に終わりましたね!

私も会場へ足を運んで2年生の演技を楽しみました。2年生の秋にあれほどのものが作れるというのはやはりすごい…。

…つまり外語祭期間も終わって今日から通常の授業が再開した訳なのですが、「外語祭の思い出」というテーマで今日もブログを書かせてもらいます…(笑)

 

外語祭では例年、1年生が専攻地域の伝統料理やドリンクを提供する料理店を、2年生は自分たちの専攻語で劇を上演する語劇をやっています。↓こちらの記事も是非!


さて、私は1年生の時に語科で開いたロシア料理店で「料理班(幹部)」を担当した時の経験談(失敗談)をお話しします。

 

2019年度外語祭、私たちが1年生の頃の外語祭では、ボルシチピロシキウォッカ、そしてデザートとして「ガチョウの水かき(гусиные лапки)」と呼ばれるカッテージチーズを使ったお菓子を用意していました。その中でも私はピロシキ担当だったので、おいしいピロシキを作るのに専念していました☺︎

外語祭があるのは11月下旬ですが、春学期の授業が終わった8月くらいから既に「試作会」を開始していました。各料理の担当者で実際に料理を作ってみながら材料や手順などを決定していく会です。ピロシキ班は全員で15人ほどいましたが、大学近くの公民館を借りて、毎回5〜6人くらいで行っていました。

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こちらが試作会1回目で完成したピロシキ。クリームパンみたいな形のがあったり、きれいにまん丸になってるのがあったり。第1回目の試作会では包み方を把握しないまま思いのままに包んでもらっていました(笑)ひき肉とキャベツと玉ねぎが入っていて、味はとても美味しかったです!

しかし、外語祭で売り物として売るためにはもう少し改良が必要では?とみなさんも思うのではないでしょうか…。

 

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そしてこちらが試作会2回目のピロシキ。前回の試作会では、生地を薄くしすぎて破けてしまい具が飛び出してくる…という事件があったので、生地の厚さと大きさをなんとなく統一して再チャレンジしてみました。しかし、今度はちゃんと生地同士がくっつかずにぱかんと開いてしまいました…。やはり包み方に原因があるのでは…?

 

 

そんな時、府中のロシア料理店「ペーチカ」さんから、なんと料理店の出店に協力してくださるとの申し出が…!

ペーチカはロシア人夫妻が営んでいるロシア料理店です。そんなお店へ、ボルシチ班が試作会で作ったボルシチを持って行って試食してもらったという情報が入ってきました。

ならピロシキ班も!というわけで、ピロシキ担当の幹部だった私ともう1人の女の子の2人でピロシキを作り、できたてのをペーチカさんへ持って行きました。

 

なんと、味はとても美味しいとの言葉をいただきました😋

そして、形の統一がやはり不安だったので、アドバイスをいただきました。普段お店でピロシキを作るときに使っている生地を使って包み方を実演してくれました。手際の良さが職人技すぎて一目見ただけでは脳が追いつかず(笑)、ゆっくりバージョンも見せてもらいました。

さらに、サービスでこけももジュースと、包み方を教えてもらったときの生地をパンケーキ状にして焼いて、蜂蜜とスメタナをかけたものまでいただきました!とっても美味しかったです。そんな優しいご夫妻のお店へ、是非足を運んでみてください!

 

包み方を教えてもらった後、家に戻って忘れないうちに再びピロシキを作りました。1日に2回もピロシキを作ったということですね…(笑)でも飽きないくらい美味しい!

 

 

そして外語祭当日。(ピロシキ班の人に文字と動画で包み方を説明はしたものの、ペーチカさんへ行った後試作会をする時間がなかったのです…)

改善後の包み方がこちらです。

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きれいなねじねじが生まれています!みんなとても上手に包んでくれました!

残念ながら揚げあがったピロシキの写真はありません…。が、このように包んだものを店頭に持ってきて販売の直前に揚げる、という手順だったので、あつあつのピロシキを提供できていました。

特に2年前の外語祭期間はとても寒かったということもあり、ロシア料理店のピロシキやボルシチは大人気でした😄

 

 

しかし、そこで新たな事件が発生してしまいました。

私は大体ずっと材料を切ったり包んだりする作業場にいたのですが、実際に料理を提供しているお店の方から「ピロシキ供給が間に合ってない!」と言われるままにほいほい用意していたら、次の日以降に使う予定だった生地まで使ってしまったのです。

業務用の生地なので、Amazonのように「次の日には届く!」というわけにはいかず、料理店を閉めた後何人かで残ってお葬式状態になりながら考えていました。

ありがたいことにピロシキ班の別の子が、「大学近くにあるパン屋さんで生地をもらってきてはどうか」という案を思いつき、交渉までしてきてくれました。

 

そして、無事に生地を受け取ることができました…!あの時は本当に割とパニックだったので、本当に感謝です。

なくなったら作る、というのを惰性でやってはいけないのだなと気付きました(当たり前なのですが)。わざわざ遠方から来てくれたかもしれないお客さんに「なんだ売り切れか」と残念な気持ちになってほしくなかったという気持ちもあったのかもしれません。

 

さらに、ピロシキを作るのに人手が足りなくなり、ボルシチ班の人を召集しなければいけない事態にも陥っていました。ピロシキ班にしても、事前に考えていたシフトが崩壊していたのに善意で手伝ってくれたみなさんにも感謝です。

 

…色々とありましたが、これで5日間の料理店を無事に終えることができました。

最終日の午後に、私は疲労のせいで(?)体調を崩し先に家に帰ったためフィナーレの花火を見ることができなかったのですが、最終日まで頑張れてよかったです(笑)

 

 

文責:川又

 

今日のロシア語

пирожок(ピラジョーク)

意味:1つのピロシキ

пирожки(ピラシュキー)

意味:2つ以上のピロシキ

外語祭の思い出〜料理店巡り〜

Здравствуйте!(ズドラーストヴイチェ)(こんにちは!)
そーにゃです。外語祭もいよいよ終わりが近づいてきましたね。
料理店の無い対面での外語祭がどうなるのか、始まる前には予想もしていませんでしたが、個人的にはとても素晴らしい企画がめじろ押しで例年と遜色ない満足感を得られると感じています。

しかしまあそうは言っても料理店に届かぬ想いを馳せていることもまた事実。そこで今回の記事は「外語祭の思い出」ということで、過去に自分が回った料理店・そこで食べた料理を写真付きで軽く紹介していきたいと思います。紹介する料理に偏りがあったり、紹介しきれないものもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。2018年、2019年と経験していますが、今回は自分が一年生の頃、2018年に食べたものに限ります。


1. モンゴル語科 ホーショール
まずはモンゴル語科のホーショール。餃子のように小麦粉の生地で肉を包み、揚げたもの。一口齧ると羊肉の風味が心地よく広がり、とても食べ応えのある一品。

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2. ポーランド語科 ポンチキ
ポーランド語科のポンチキ。揚げパンみたいな感じで中にジャムが入っている。手ごろなサイズで食べやすく、ついつい二つ目が欲しくなる味。

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3. ヒンディー語科 バターチキンカレー& ナーン
さすがというべきかやはりというべきか、ヒンディー語科のバターチキンカレー。味はもちろんのこと、紙コップで持ち運ぶというサイズ感がとても可愛くて好き。

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4. イタリア語科 ピッツァ
美味い、以上。

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5. ペルシア語科 チェロウキャバーブ(写真上)
そーにゃのイチオシ。チェロウがご飯、キャバーブは肉の串焼き。付け合わせのトマトと羊肉のフレーバーが見事にマッチしている。毎年これを楽しみにしている。

6. ペルシア語科 ホレシュト(写真下)
こちらもそーにゃのイチオシ。シチューようなもので、寒い日に食べると体も心も温まる。ポテトが入っていてホクホク感を楽しめた。ちなみに外語祭でハマってからたまに家で自分でも作ってる。

7. ペルシア語科 ソウハーン(写真中央)
イランのクッキーみたいなおやつ。独特の風味がした記憶。

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8. ロシア語科 ブリヌイ
言わずと知れたロシア風クレープ。何を入れたか忘れたけど、紅茶のジャムとか入ってた気がする。

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9. アラビア語科 ケバブ(写真左)
食べ応え十分のケバブ。美味しかったこと以外はあまり覚えておらず…

10. アラビア語科 レンズ豆のスープ(写真右)

確かレンズ豆だったはず。温かさと食感が癖になって、寒い時に無性に飲みたくなった。

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11. ラオス語科 ピンカイ
ラオス風焼き鳥。ナンプラーとかに漬け込んでいるらしい。強めの匂いがクセになる。ラープもそうだけどコメが欲しくなる味だった。

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12. ビルマ語科 サモサ
スパイスの効いたジャガイモを包んで揚げたもの。大きさの割に油とじゃがいもがズドンと来るけどとてもおいしい。

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13. ビルマ語科 ラペイエ
お茶。甘くてびっくりした思い出。美味しかった。

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14. 朝鮮語科 ホットク
パンケーキみたいに軽くつまめた、確かあんこが入っていたはず。ちなみに名前の似ているハットクと勘違いしていた。

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15. 英語科 サイコロステーキ
サイコロステーキとほうれん草。まあ美味しくないわけがない

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16. アラビア語科 コシャリ(写真右)
これも結構有名になってきてるっぽい。コメ、パスタ、豆とかいう炭水化物の暴力。トマトソースがかかっていてフライドオニオンが散らしてある。盛大にこぼして悲しかった思い出。

17. アラビア語科 クナーファ(写真左)
その界隈では有名なデザート。アラ科の料理はカロリーを気にしたら負けだと思っていた。クセになる食感と風味豊かな味わいは一度食べると虜になること間違いなし。ちなみにクナーファの表面の部分がツルツルしているものかパリパリしているものか、というきのこ・たけのこ論争のようなものが現地にもあるそう。

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18. モンゴル語科 ショルログ
羊肉の串焼き。かなり羊の風味が強くて自分好みだった。

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19. モンゴル語科 ノゴーティシュル
羊肉を使ったスープ。優しい味。

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20. ラオス語科 ラープ
ひき肉やもやし、野菜などをナンプラーで炒めたもの。程よい辛さで色が進む。ご飯が欲しくなる、というか夜に買って帰って自宅でご飯と一緒に食べた。美味しかった。

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21. ラオス語科 ナムワーン
こちらはココナッツミルクを使った甘いデザート。タピオカ的な球体が入っていた。日本で日常的に味わう甘さとはまた違った美味しさがある。

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22. ベンガル語科 ジラピ
超甘い。そしてスパイスが効いている。最初何かおかずだと思って食べたら想定していない味が来て思考が停止した。後からじわじわとハマる味。他の地域だとジャレビという呼び方もされている。

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23. インドネシア語科 アヤムゴレン
アヤムが鶏肉、ゴレンが揚げる、つまり揚げ鶏。ナシゴレンのゴレン。唐揚げとかフライドチキンとは全然違う風味と食感だった。

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24. 中央アジア地域 シャシリク
我らがシャシリク。毎年やたら人気が高い。シャシリクフォトコンなるものもかいさいされている。美味しく無いわけがない。牛と羊が選べる。期間中にどれだけシャシリクを買ったか競い合っている界隈があるそう。

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25. トルコ語科 バクラヴァ(写真左)
こちらも最近人口に膾炙し始めているスイーツ。糖蜜に漬けるというパワープレイ、とても清々しくて好き。

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26. ポーランド語科 ナレシニキ
こちらはポーランドのクレープ。中にラズベリーのジャムを入れてもらった。

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27. 日本語科 みたらし団子ドック
日本料理…?となったが食べてみるとこれがまた美味いのなんの。こういう食べ方があったかととても感心した。

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28. ドイツ語科 グラーシュ(写真左)
シチュー。こういう系は冷え込む夜になるととても嬉しいよね。

29. ドイツ語科 アプフェルシュトルーデル(写真右)
アップルパイ。初見でまともに発音できない料理ランキングの上位に入ると思う。美味しい。

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いかがでしたでしょうか。
この記事を書きながら、回顧と某ウイルスに対する憎悪の念がむくむくと湧き上がってきています。
できるだけ早く我々の日常が、料理店が、外語祭が戻ってきますように。

 

 

文責:そーにゃ

 

今日のロシア語

специи(スペーツィイ)

意味:香辛料、スパイス

вкусно(フクースナ)

意味:おいしい

外語祭の思い出〜語劇の主役〜

Здравствуйте! (ズドラーストヴィチェ)(こんにちは!)
言文3年の長谷川公樹です!

遂に、年に一度の一大行事、外語祭が開幕しましたね!

いつものようにバレエの話...ではなく、今日は、去年の外語祭でロシア語劇に出演したときのことを綴ろうと思います。

 

去年のロシア語劇で上演したのは、ヴァンピーロフという戯曲作家の「六月の別れ」という作品でした。かつて、ロシア語劇団コンツェルトで上演されたときには、あの沼野恭子先生がヒロインを務めたそうです!

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<あらすじ>
 大学生のコーレソフは、街でタチヤーナに出会い、一目惚れをしてしまう。しかし、タチヤーナの父は、コーレソフの通う大学学長だった。コーレソフは、素行の悪さ故に、学長に嫌われ、退学にされたくなければ、娘と別れるように迫られる。果たして、コーレソフは、自分の将来と愛する彼女のどちらを選ぶのか…

この作品で、僕は主役のコーレソフという大学生を演じました。

主役は第二希望だったのですが、第三希望まで含め主役を希望したのが僕しかいなかったそうです。

 

語劇の準備は、春学期の前から少しずつ始まりました。まずは、役職と演目を決め、そして夏学期に入るくらいまでは、大元の台本を1時間弱の語劇用に短く編集する作業がありました。
そして、夏学期の中頃から遂に少しずつ稽古が始まりました。

まずは、語科を問わない語劇のワークショップに参加し、お芝居の基礎を簡単に学びました。
そのあとは、少しずつロシア語のセリフの台本を手元に持ちながらお稽古をしました。

 

語劇には、二つの大きな難題があると思います。
発音矯正セリフの暗記です。

発音は、ネイティブの先生方に徹底的に指導をしていただきました。特に、母国の大学では演劇を学ばれた後、ロシア語劇団コンツェルトの指導もなさってきた某熱血先生には、毎週毎週何度も指導していただきました。
ロシア語科の皆さん、ネイティブの先生で、発音指導細かいな〜なんて思ったことありませんか?あれでも、先生は相当抑えていらっしゃいます。語劇のための発音指導となれば、授業の何倍も徹底的に直して下さります。
例えば、最も繰り返し直された発音のひとつが、誰でも知っているСпасибо(スパシーバ、意味:ありがとう)のси。英語のsiっぽく「スィ」と発音していませんか?それは、間違いです。むしろ日本語のように「シ」と発音するのが自然だそうです。これも、普段の授業では、あまり指摘してもらえません。

セリフは、本番の1ヶ月ほど前からしっかり覚えるようにしました。ただし、僕はサークル活動も2つ、アルバイトも1つやっていたため、なかなか覚える作業のための時間を作るのに苦労しました。そこで、「ながら作業」でセリフを覚えることにしました。僕は、普段一人暮らしをしているので、毎日家事をしなければいけません。そこで、家事を始める直前にセリフを何文か覚え、家事で手を動かしながら、何度も復唱しました。
そうすると、ある程度口がセリフを覚えてくれるようになります。

 

なんとか、ギリギリのスケジュールで準備を進めていましたが、大きなピンチもありました。本番の数週間前に、主役の僕とヒロイン役の子が2週間の自宅待機となってしまい、その間対面の練習が全くできないという事態に陥りました。これによって本番会場リハーサルも主役とヒロインがいないという危機的状態でした。

しかし、ピンチはチャンスにもなります。それまで、諸活動で忙しくてできなかったセリフ暗記を、自宅待機の有り余る時間を使って一気に進めました。1人で覚えようとしても、セリフの掛け合いの場面では、きっかけとなる相手のセリフも覚えておかなければなりません。なので、zoomで他のキャストとセリフ合わせも行いました。

そうして、なんとか本番の1週間ほど前には、ある程度セリフは暗記できていたと思います。

 

そうして、本番。
幸か不幸か、コロナ対策で本番は客席には関係者しかいませんでした。なので、例年に比べれば、出演者の緊張の度合いは、抑えられていたかもしれません。僕も、前半はとても上手くできたような記憶があります。
しかし、1時間もあると中盤、集中の糸がプツッと切れてしまう瞬間がありました。そこで、セリフが飛んでしまったり、違う動詞を言ってしまったり、とミスも少なくありませんでした。
ミスもありましたが、なんとか最後まで通すことができ、最後のカーテンコールのときには、とてもほっとしました。
無事に、オンラインでも配信され、親類や友人も観てくれました。

 

ここで、最後に本番を直前に控えている今の2年生、そして来年以降語劇に出演するであろう後輩たちにメッセージを送ります。
1つ目は、語劇の練習は、本番以後にも役に立つ!ということです。練習では、徹底的に発音を矯正し、セリフを覚えます。そのおかげか、先日ロシア人学生とロシア語で話していたときに「発音はいいね!」と言われました。(褒められたのは発音だけでしたが….笑)。また、ロシア語検定2級では、語劇のセリフで出てきたフレーズが登場しました。
2つ目は、本番で間違っても意外と平気!ということです。出演者にとって、最も怖いのは、本番でセリフが飛ぶこと。しかし、私たちはプロではありません。僕も語劇で主要なキャラクターを演じてきた先輩方からたくさん話を聞いてきましたが、「完璧にできた!」という人は、実際多くはありません。実は、本番でセリフが飛んだ先輩たちはたくさんいます。そして幸いにも、言語は外国語です。鑑賞している多くの日本人は、正直単語が違っても分かりようがありません。
もちろん、僕はこのことを通して、ミスを勧めているわけではありません。ただ、過度な緊張や、不安を感じてほしくないのです。

 

今年のロシア語劇は、最終日ですね!今年のキャストは、大勢の観客の前で演じるという、僕らが叶えられなかったことができるので、僕らの分も頑張ってほしいと思います。
そして、本番前には、上記の2つのことを思い出して、自分たちは有意義な練習をしてきた!間違いは誰にでもある!と自分らに言い聞かせて、本番に臨んでもらえればと思います。

では、Желаю удачи!(ジェラーユ ウダーチ)(成功を祈っています!)

 

文責:長谷川公樹

 

今日のロシア語

спектакль (スペクタークリ)

意味:演劇、公演

神保町の老舗ロシア料理店「ろしあ亭」の絶品ランチを食す!

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こんにちは! 久々の更新となりました、東京外大ロシア語科4年のりおです☺️

最近は、もっぱら大学生活の集大成でもある卒論執筆に取り組んでいます。

私が所属しているロシア文学・文化ゼミの中でもみんなの卒論のテーマはほんとうに多岐に渡っていて、ロシア文学、美術、宗教、日ロビジネスなどなど…様々なんです! ちなみに私はロシア現代美術をテーマに書いています。本やネットなどで好きな芸術家や美術作品を調べるのはとっても楽しいですが、しっかり論理立てて執筆するとなると、やっぱり難しいものです…完成まであともう一踏ん張り、頑張りたいと思います!

 

さて、私は先日、神保町にある老舗ロシア料理店「ろしあ亭」に行ってきました(^O^)

訪れたのは日曜日の昼だったのもあって店内は満席だったので、15分ほど並んで入店しました。

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ロシアからの留学生とイギリスからの留学生と一緒に三人で訪れました!

この記事では実際の写真を交えつつ、私が気に入った料理を紹介していきます!

 

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最初はポテトサラダ!安定の美味しさです(^ ^)

ピンク色はロシア料理によく使われるビーツでしょうか?ほんのり甘い味でした。

 

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ついにやってきました!ロシア料理のド定番・ボルシチです!

スメタナ(サワークリーム)とディル(ハーブ)の風味によってまるで一気に口の中にロシアが広がるようです。スープはしっかりとトマトの味がして、じゃがいもや牛肉など具がゴロゴロと入っていてとっても美味しかったです。

 

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こちらはピロシキです!

ロシアからの留学生の子が注文したランチセットに含まれていたので、写真を撮らせてもらいました。その子曰く、本場ロシアとほとんど同じ味で美味かったそうです。

 

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お次は壷焼きです!

パンを濃厚なクリームソースにつけていただきます。じつは、壷焼きは日本のロシア料理店ではメジャーなロシア料理の一つとして知られていますが、実は本国ロシアではほとんど認知されていない料理だそうです。何らかの別のロシア料理がローカライズされて日本に広まったのか、壷焼きがロシア料理として誤って紹介されたのか…起源が気になりますね。

 

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最後に紹介するのは、ロールキャベツです!

甘みのあるトマトクリームソースが絶品で、個人的には一番美味しかった料理です。口に入れるととろけるキャベツの中にはジューシーな挽肉が入っていました。この料理は、ロシア語ではガルプツィ(Голубцы)と呼ばれています。日本ではウクライナ風ロシア料理としばしば紹介されますが、どうやらリトアニアやウクライナあたりがこの料理の起源だそうです。

 

ここまで食べてお腹いっぱい!ランチセットの最後にはデザートとしてヨーグルトムースがついていました。もう大満足です♡

皆さんが好きなロシア料理はありましたか?都内にはもっともっとたくさんのロシア料理店があるので、これからも開拓していきたいと思います😁

 

ちなみに、ろしあ亭がある神保町には「ナウカ」というロシア語書籍専門の古本屋さんがあるんです! ロシア語書籍専門なんてとっても珍しいですよね。あいにくこの日は定休日で営業していませんでしたが、また近いうちに再チャレンジしようと思います! 

それでは皆さん、ぐっと寒くなってきたのでお身体に気をつけてくださいね。また次回お会いしましょう!

 

文責:りお

 

今日のロシア語

ресторан(レストラーン)

意味:レストラン

Что вы посоветуете?(シトー ヴィー パサヴェートゥエチェ?)

意味:おすすめの料理は何ですか?

 

10/27開店のウズベク料理店「サマルカンド・テラス」

こんにちは!川又です。

最近は秋晴れで暖かい日が続いていて気持ちがいいですね。

今回は「ロシア・中央アジア料理店紹介」というテーマでブログを書きます。

 

私が紹介するのは先日開店したばかりの中央アジア料理店 SAMARKAND TERRACE(サマルカンド テラス)です。

高田馬場駅の早稲田口を出て左手のさかえ通りを3〜4分ほど進むと、

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ビルの3階にお店があります

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ビルの入り口には手書きの洒落た看板も...

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現時点(11/14時点)での営業日・営業時間はこんな感じです。最新情報はお店のInstagram(https://instagram.com/samarkand_terrace?utm_medium=copy_link)で確認をお願いします。

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店内は写真のように落ち着いた内装ですが、ウズベキスタンの音楽がガンガンに流れていました

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セットメニューは3種類あります。

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カバーブセットかスープセットを選ぶと、メイン料理であるカバーブとスープの他に、写真のように並んでいる料理から好きな料理を2品選んで食べることができます、この感じ、スタローバヤみたいで良いですね。

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こちらはプロフ用のかまど、なんと特注だそうです!

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こちらはティーポット入りの紅茶(500円)、2〜3人でシェアするのがオススメ。

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こちらはプロフセット(1100円)、プロフ(注:オシュと呼ばれることもあります)とアチチュクサラダのセットになっています。プロフは程よく油をまとっており、中央アジア渡航経験のある同行者も「現地で食べた味に近い」と言っていました。

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こちらはスープセット(1300円)。スープセットは麺か羊の2種類から選べる、と店員さんに言われ麺を選んだところラグマンが出てきました。手前の2種類の料理ですが右手側はマンティ(注:マントゥと呼ばれることもあります)で、左手側は本来なら水餃子であるバラクを揚げたもの(注:店員さん談)です。このように店員さんの思いつきで毎日店頭に並ぶ料理が変わるようなので、2回目以降訪れるときも楽しめそうですね😊

ちなみに、スープとマンティに添えられている白いものはヨーグルトのようなものです。スパイスもかかっていますね。ヨーグルトといっても甘味はほぼないもので、ちょっと酸味を添えてくれるのがとても料理に合っていました。(スメタナやサワークリームと同じような働きをしていたような気がしますが、もっとトロトロしたテクスチャーでした)

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店員さんはウズベク人の方が多く店内にはウズベク語が飛び交いますが、店員さんは優しく、日本語も堪能でこちらからの説明にも丁寧に答えてくれました。

既に中央アジア料理が大好きな方だけでなく、中央アジア料理に興味を持ったばかりの方にもお勧めできるお店となっています。立地も良いので興味がある方は是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?

 

文責:川又

 

今日のロシア語

столовая(スタローヴァヤ)

意味:(好きな料理を組み合わせて選べる)食堂

чёрный чай(チョールヌイ チャイ)

意味:紅茶

 

参考サイト

ウズベキスタン共和国|ヨーグルトでめぐる世界の食卓|キャンペーン・特集|明治ブルガリアヨーグルト倶楽部|株式会社 明治

あの人は何等官?よく聞く官等表って何?

Всем здравствуйте!(フシェム ズドラーストヴイチェ)みなさんこんにちは!

 

こんにちは!なつほです!

東京も寒くなってきましたね!私は寒いのが超苦手なので鬱々としています。暖かい部屋でアイスを食べて元気を出しましょう♪

 

さてさて今回は、今後の歴史の勉強や小説を読む際に役に立つ…かもしれない、ロシア帝国の官吏について書きたいと思います!

 

古めのロシア文学を読んでいると、よく「私は○等官で…」とか、「この人物は○等官でありながら…」とか、位階についての文が出てきませんか?

先日ゴーゴリの『死せる魂』を読んだのですが、そこにも「六等官パーヴェル・イワノーヴィチ・チチコフ…」、「騎兵二等大尉の…」のように官位の記載があります。

同じくゴーゴリの『外套』の主人公は九等官で清書の仕事をしています。

 

(今回のブログとは全然関係がないのですが、この映像作品とっても素敵なので視聴してみてください!)

www.youtube.com

 

このように、人物の社会的地位の表現としてよく目にするのですが、官等表が頭に入っていない私は、いつも「この人は偉いのかな?そうでもないのかな?」とその人物の社会的立場を理解しないまま読み進めてしまいます(笑)

また、皇帝と貴族との関係や支配層の活動について考えるときに、その人物がどのような立場にいたのかを理解する際にも、官等表の理解が役に立つかもしれません!

文学のみならず、ロシア帝国史や人物史でも目にするので、ちょっと官等表を見てみましょう!

 

【官等表табель о рангахとは?】

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Табель о рангах Петра 1 (1722-1917)

 

ピョートル大帝の政治改革の一環として、1722年に導入され、時の皇帝によって変容を遂げながらも革命まで存在し続けました。

帝国の官僚制度の基礎となった制度ですが、皇帝の急進的な改革の中で導入されたため、当時のロシア社会やロシア人の伝統的思想に深く根を張った制度ではありませんでした。それまでの門地制(家柄を重視する制度)に代わって、それぞれの才能と国家/皇帝に対する功労に応じて等級が与えられるようになりました。門地と官位が切り離され、下級貴族であっても昇進したり、貴族の生まれでない人も貴族になれるようになりました。貴族を改革の担い手にしようとしていたピョートル大帝は、貴族出身ではなくても優秀な人材を取り立てていく仕組みをつくったのです。

 

全体として14のランクがあり、14位が最も低く1位が最も高いです。5位から1位に就くには皇帝による承認が必要でした。

制定当時、官等表に記載されているポストに就いたすべての官僚は貴族となり、14等で「貴族的諸特権享受の最低条件」を付与され、文官は8等官・武官は12等で世襲貴族になることができました(ということは、アカーキー・アカーキエヴィッチは世襲貴族一歩手前…まじか…)。

貧しい生まれでも頑張って働けば特権階級である貴族になれる、逆に貴族家系の生まれでも国家に奉仕しなければ社会的地位が低下してしまう…。ここから「ロシア社会の垂直的流動化」が始まりました。

 

しかし、いくら皇帝の改革といっても、急速な変化には反発がつきものです。

改革前から貴族であった人々の中には「卑しい」人々を自分たちから区分し、古くからの貴族の利益と権利を擁護しようとする人たちもいました。収入が安定し生活が保障されている貴族とは違い、「卑しく貧困な者」たちは国庫を掠奪したり民衆に対して好き勝手に振舞うという意見もありました(あくまである貴族の主観です)。能力重視の制度を設けた社会でも、やはり家柄は重視されていたのですね。特に導入当初は貴族の格を農奴の数や領土の大きさで計る価値観が優勢だったために、富裕層は他者を「卑しい」と見る傾向が強かったのかもしれません。

また、このシステムは、庶民からみれば上流階級の世界で起こっていることであり、官吏に支配される立場の人々からの共感を得られた訳ではありませんでした。特に下級の官吏には侮辱的なあだ名が付けられました。

 

「貴族」にもいろいろな種類がありました。裕福な高官もいれば官位を持たない貧乏な貴族もおり、貧富の差は非常に大きかったそうです。ピョートル大帝の孫の妻であるエカテリーナ2世の時代の統計では、男子農奴所有30人以下が全体の62%、30~99人が21%、100人以上が16%、1000人以上が1%でした。当時、いわゆる貴族的な生活を送るには50~500人の農奴所有が必要でしたが、その規模の農奴を持っている貴族は全体の3分の1ほどでした。農奴を所有するにもお金がかかるので、国家に勤務しながら領地や農奴の管理をするとなると、当時の貴族は意外と忙しかったのかもしれませんね。

 

先ほど頑張れば昇給のチャンスがあるというお話をしましたが、貧困のために教育を受けることができず、ひたすら働く人たちが大勢いました。一方、上流貴族は彼らの家柄にふさわしい官位を求め、富と教育によってそれを手に入れました。教育を受けることも功労の一つとして考えられていたので、様々な事情で教育を受けられない人は苦しい立場に置かれました。教育格差は古今東西関わらず社会の大きな課題ですね。

 

さて、この時代、国家への功労という文脈で想定されているアクターはやはり男性ですよね。では女性はどのような扱いを受けたのでしょうか?

官等表の付属条項の一部には、このような文言が付いています。

「既婚女性は全員、彼女の夫の官等に基づく官等において振舞うべし、そして彼女たちがこの原則に反する行動をする時には、彼女の夫が自分の犯罪ゆえに支払う義務を負うのと同様に罰金を支払うことになるだろう。」

 

称号は夫から与えられたものであり、女性も夫の官位にふさわしい行動を求められていたんですね。女性の立場についてはまだまだ勉強不足でわからないことが多いのですが、エカチェリーナ2世の時代には、特権認可状において「貴族人女性は非貴族に嫁いでも自分の地位を失うことない。」という記載があります。彼女の夫(非貴族)と子供には貴族の称号を与えることはできないのですが、家ではなく個人のものとして称号が認められていた様子がうかがえます。

 

さて、今回は官等表や位階についてざっくりと説明しましたが、いかがでしたか?

少しでも皆さんのお役に立てたなら嬉しいです!

 

それでは、До свидания!(ダ スヴィダーニヤ)(さようなら!)

 

文責:なつほ

 

参考:

  • 佐々木弘明、「18世紀中葉ロシアにおける貴族の解放の過程と教育」、最終閲覧日11月5日
  • 鈴木淳一・飯島由大、「フェドシューク『古代作家の難解なところあるいは19世紀ロシアの生活百科』(その7)」:第6章「官等と称号」、最終閲覧日11月5日
  • 改定新版 世界大百科事典、「ロシア帝国」

 

今日のロシア語

табель о рангах(ターベリ ア ランガフ)

意味:官等表

аристократ (アリスタクラート)

意味:貴族