東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ロシア語劇インタビュー(字幕リーダー編)

ロシア語劇インタビュー(字幕リーダー編)

東京外国語大学の学園祭『外語祭』では各言語を専攻する学生のうち、2年生が全編外国語で劇をする『語劇』という目玉イベントがあります。今回のインタビュー企画では、当サークル所属のロシア語専攻の学生が、この語劇で「字幕リーダー」を務めたロシア語専攻の学生にお話を聞きました!所属のロシア語専攻の学生が、この語劇で「字幕リーダー」を務めたロシア語専攻の学生にお話を聞きました!

 

インタビュイー:竹下 百香(たけした ももか)さん ※以下敬称略

今年の外語祭ロシア語劇では字幕班のリーダーを務めている。また、舞台当日の字幕オペレーションも務める。家族そろってのフィギュアスケート好きで、ロシアに興味を持ったのはエフゲニア・メドベージェワ選手がきっかけ。最初に覚えたロシア語も、ロシア人選手がインタビュー時に使っていた「Не за что」(読み:ネ ザ シトー 意味:どういたしまして)とのこと。

インタビュアー:杉村 瑠夏(すぎむら るか)

 

杉村:今日はインタビューの時間を取ってくださりありがとうございます!早速インタビューを始めていきたいと思います。まずは自己紹介をお願いします!

竹下:言語文化学部2年 ロシア地域ロシア専攻の竹下百香です。語劇では、字幕班に所属しています。当日の字幕オペレーションも、私の担当です。

 

杉村:それでは語劇のお話を聴いていきたいと思います。まずは仕事内容を教えてください。

竹下:まずはロシア語の台本を日本語に訳しました。そのあと、日本語訳を1ページのスライドに26文字(13×2)に合わせてまとめ上げました。直訳だと文字数を超えてしまうし、だからと言って誤訳になってはいけないので、そこを調整するのが字幕班でした。

 

杉村:全編外国語で演劇を行う上で、字幕は欠かせないお仕事ですよね。やはり語劇ならではのお仕事だと思います。では、どのような経緯で字幕班のリーダーになったのですか?

竹下:自分から立候補しました。もともと私は舞台スタッフをまとめる舞台監督の青木優太さんの助手を務めていたのですが、特にやることがありませんでした。そのため、自分ももっと語劇に貢献したいと思いました。その中で字幕をやりたいという人がいなかったので、「やります」と自分で言いました。

 

杉村:二つも役職を兼ねているのはとてもすごいですね!「語劇にもっと貢献したい」という考えはとても素敵だと思います。もっとお仕事の内容を深堀していきたいと思います。どのように仕事をすすめましたか?

竹下:字幕班は4人体制で行いました。最初に、序曲と本幕の1-3幕の4つをそれぞれが担当して台本の翻訳をしていきました。

杉村:台本はどれくらいの長さなのでしょうか?

竹下:A4で23ページでしたね。もちろんすべてロシア語で書かれています。

杉村:23ページ!それはとても大変そうですね。気が遠くなりそうです。

竹下:翻訳の際は複数人で訳すので、「~です。」「~だわ。」といったように語尾にずれが生じたり、王様の一人称が「俺」や「ワシ」とバラバラになっている箇所があったりしました。そのような箇所を演出の小副川将剛さんと相談し、役者さんの雰囲気をくみ取って統一していきました。これは私一人で行っています。スライドを作るときはまた4人で行い、決定したことを共有して完成させました。1人150枚のスライドを作りました。一旦は完成しましたが、先日役者さんと字幕を合わせた際、ロシア語と日本語の文法構造の違いから、役者さんがしゃべっている内容と字幕の内容が合っていない箇所がありました。これから、小副川さんの指示のもと、修正するかもしれません。

 

杉村:確かに表記に揺れが生じていると、観客の方は混乱するかもしれないです。本番まで修正があるのかもしれないのは大変ですね。字幕オペレーションについても聞かせてください。

竹下:もちろんその練習もしています。役者さんの演技に合わせて、作ったスライドを変えていくのですが、これは役者さんの練習に合流して練習したり、役者さんの稽古の動画に合わせて練習したりしています。

 

 

杉村:なかなか皆さんがそろう時間を確保するのも難しいですよね。実際に役者さんと合流できなくても、動画で練習できるのはとても良いと思います。すべての作業を終えるのにどれくらいの時間がかかりましたか?

竹下:どれくらいかかったかはあまり覚えていないのですが、翻訳にだいぶ時間を割いた印象です。8月は翻訳で終わった程です。スライドを作るのは3-4日で終わりました。字幕担当者と小副川さんとをつないだり、ひらがなや漢字の表記を統一する作業もあったので、翻訳の修正も結構時間がかかりました。それでも、スライドはオンラインで共有されていたので、実際に会って話す時間を取る必要はなかったので、やりやすかったです。

 

杉村:確かにオンラインで作業を進められるのはとても便利ですね。お話を聴いていると、とても大変そうなお仕事ですが、実際に字幕班として活動してみてどうでしたか?

竹下:最初に台本をもらったとき、A4で23ページにロシア語がびっしり書いてあって、これを日本語に訳さないといけないのか、と少し不安になりました。でも翻訳作業に取り掛かると、ストーリーがあって、少しずつ楽しいなと思うようになりました。また役者さんの演技を見ると、その熱量に本当に圧倒されたので、自分も頑張らないといけないと背中を押されました。時間が経つにつれて、どんどん語劇にのめりこんだ感覚です。

 

杉村:役者さんにも良い影響を受けたのですね。ロシア語劇一丸となっているのはとても素敵だと思います。では、最後に字幕班のやりがいや意気込みを教えてください。

竹下:観客の皆さんにロシア語劇の役者さんの演技に集中してもらうためには、内容を理解できる状態にする必要があると思います。語劇を見に来てくださった皆さんの劇の内容を理解する手助けをできるという点でやりがいを感じます。これはプレッシャーでもありますけどね。見に来てくださる方が劇を楽しめるように、舞台当日も頑張りたいと思います!

 

字幕班リーダーの竹下百香さん、ありがとうございました!

ロシア語劇『死の勝利』は11月19日(土)13:00~13:50プロメテウスホールにて上演されます!ぜひご覧ください!

 

次回のロシア語劇インタビューは、シリーズ最終回(役者編)です!お楽しみに~!