Здравствуйте(ズドラーストヴイチェ)(こんにちは)!
ティナです!
今日の記事では、「歴史再現祭り」をご紹介したいと思います!あまり知られていないロシア文化の一端かもしれません。ロシア人自身もあまり知らないと言っても過言ではありませんが、知っている人はそれが奇妙で面白いと感じているでしょう。
では、「再現祭り」とはなんでしょうか?それは「歴史コスプレ祭り」とでも言えるでしょう。
つまり、中世文化を愛する人々が楽しむイベントのことです。
熱意に溢れている参加者は1日か2日間は野原などで過ごし、先祖の生活の素朴さと厳しさを味わって体験できます。民族衣装に身を包み、筋金入りの参加者はその歴史的な正確さにまで気を配ります。「歴史的に正確である」と見なされるためには、すべての服装が手作りであるものでなければいけません!また、コスプレ以外では、騎士(рыцарь、リーツァリ)の戦いを再現したり、馬に乗ったり、バザーを開いたり、手作りの品や食べ物を売ったりするのが、この祭りの最大の楽しみです。
ロシアの地域ではさまざまな祭り(フェスティバル)が開催されています。その多くは、戦士や兵士の勇気を称えて、歴史を学ぶために捧げられたもので、単に過去の雰囲気を味わうためのものでもあります。
例えば、サンクトペテルブルクで最も知られている祭りの一つは「ビーツワ・ナ・ネヴェ」(Битва на Неве、訳:ネヴァ川の戦い)です。これは、再現された騎士の戦い、中世の音楽、歴史的な市場で商人や職人が皆の前で手工芸品を作っている様子などを楽しむことができます。このイベントは8年前に初めて開催された後、毎年行われています。祭りの名前は、1240年にネヴァ川で起こったノヴゴロド共和国(中世ロシアの国家の一つ)とスカンジナビア人との戦いである有名な「ネヴァ川の戦い」に由来しています。
「歴史再現祭り」の概念を理解するのはかなり簡単なのではないでしょうか。多くの国で、娯楽や教育を目的とした同様のイベントが行われていると思います。
さて、これらのイベントがどのように開催されているのか、もっと詳しくご紹介しましょう。下の写真は、「ルースカヤ・クレーポスチ」(Русская крепость、訳:ロシアの要塞)という祭りで撮られた写真です。
このイベントは、レニングラード州のプリオゼルスクという町にあるコレラ要塞で毎年開催されています。
コレラ要塞
写真の出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/プリオゼルスク
中世ロシアのノヴゴロド共和国をスウェーデン軍から守るための要塞だったこの場所は、現在、歴史博物館と歴史再現祭りの会場になっています。祭りそのものは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの14世紀の歴史再現クラブによって組織されています。中世の美術品や工芸品のワークショップ、弓矢や乗馬のトーナメント、そしてもちろん騎士の戦いなど、2日間にわたって楽しむことができます。
この祭りに積極的に参加している愛好家のアレクサンドラ・ベリックさんが、この記事のためにいくつかの質問に答えてくださいました。
―――このようなイベントに参加しようと思ったのはなぜでしょうか?どんなところが好きですか?
歴史に浸ることができるのは魅力です。そして、現代社会から離れて休息することもできます。2、3日の間、電気も水もガジェットもなくて、自分と友人にしか頼ることができません。それに、ほとんどのフェスティバルは川や要塞の近くの野原で行われているから、景色も素晴らしいですね。
―――べリックさんが歴史的なコスプレに熱中していることを知った周りの人からは、どのような声が聞かれますか?
かなり多くの人が驚いています。本当に鋼の剣で戦うのか?焚き火で料理をするの?マジで電気はないのですか?こういう質問はよくありますね。私たちがすべてのルールに従ってこの数日を野原に過ごすということを説明しないといけません。洗濯物も火で乾かします。
夏にウールの服を着るのは暑いのかと聞かれたこともあります。天然のウールはとても着心地がいいのですが。
あと、ほとんどの場合、私たちは靴まで含めてすべての服を自分たちで作っていることにも驚かれますね。
べリックさんの手作りの女性民族衣装
(著者:衣服が自然素材でできていることが特徴です。ベリックさんは「ヴィソチノエ・コリツォ」(Височное кольцо、訳:こめかみリング)をしています。これは8世紀から12世紀にかけて特によく見られた、典型的なスラブ系の女性の装飾です。このリングは通常、銅や鉄でできており、ウブルース(убрус)と呼ばれる、結婚した女性や少女が被る白い頭飾りに取り付けられています。)
――― 祭りの準備と言えば、どうしますか?
祭りで使いそうな物を集めます。家では、自分の持ち物、衣装や個人用の食器とかを集めて、よくあるのが、破れた服を直さないとですね。鎧のアーミング・ポイント(英:Arming point)も繕う必要があります。アーミング・ポイントは、鎧をギャンベゾンに取り付けるための革製のものです。戦いの最中によく引き裂かれてしまいます。
しかし、テーブルやベンチ、テント、他の食器、大釜や甲冑などは非常に重くて大きいので、家に置いておく人は少ないです。クラブのところから直接持っていきます。
―――テントで一晩過ごすのは大変でしょうか?
大変なところもあります。テントには底がなくて、地面に直接立っているので寒いですが、耐えられないほどではありません。この場合、風邪をひかないように現世界が開発した道具を使って、スリーピングパッドや寝袋で寝ます。それに、皮にくるまると、かなり暖かくなりますね。
注意すべきところの一つは、テントは水を通しにくいけれど、大雨が降るとやはり水漏れすることがあります。あと、テントがペグできちんと固定されていないと、全然飛んでいってしまう可能性が高い(笑)
しかし、昼の間にテントは暖まるし、夜は人が多いほど暖かくなるので、大変過ごしづらいとも言えません。
―――詳しい話、ありがとうございました!
以上が、歴史再現祭りの概念、流れと準備の特徴でした!
ロシアの文化特集の一端だけですが、皆さん、自分の目で馬に乗って戦う騎士を見たいと思っていれば、是非ロシアの祭りに足を運んでみてください!
今日のロシア語
Рыцарь(リーツァリ)
意味:騎士
Битва(ビートワ)
意味:戦い
Крепость(クレーポスチ)
意味:要塞