Здравствуйте! Дорогие дамы и господа!(親愛なる紳士淑女の皆さん、こんにちは)
言文ロシア語専攻3年の長谷川公樹です。今回は、ロシアのバレエ団について語っていきたいと思います!
ロシアには、世界に名を轟かせるバレエ団が2つあります。ひとつは、サンクトペテルブルクにあるマリインスキー・バレエ団。もうひとつは、モスクワにあるボリショイ・バレエ団です。
※日本語と英語では、ボリショイ・バレエ団Bolshoi Ballet /マリインスキー・バレエ団Mariinsky ballet という表し方をしますが、ロシア語ではБольшой балет / Марийнский балетという表し方はせずに、балет Большого театра / балет Мариинского театра(ボリショイ劇場のバレエ/マリインスキー劇場のバレエ)という表し方をするのが一般的です。
まず、マリインスキー・バレエ団についてご紹介します。
このマリインスキーの魅力は、完璧さです!
マリインスキーのダンサーは、十分な身長及び四肢の長さを兼ね備えた完璧なプロポーションと、絶対に理想のポジションを外さない精密な技術が求められます。
これを満たすダンサーを育てているのが、ワガノワ・バレエ・アカデミーです。「ワガノワ」の名前は、バレエ経験者であれば必ず聞いたことがあるでしょう。約280年の歴史を誇る世界有数の名門バレエ学校です。
このワガノワの魅力とその厳しさが分かる短いドキュメンタリーがあります。↓
芸術への妥協は一切許されない世界で、過酷な競争を生き残ってきたダンサーにしか表せない精密な美しさというものがあると僕は思っています。
このマリインスキーの十八番「くるみ割り人形」の全編が、なんとYouTubeで観れるのです。
(時間のない方は、1:21:00から観ましょう)
主役のクララ(マーシャ)を演じているのは、アリーナ・ソーモワというプリマ・バレリーナで、僕が知っている中で、最もバレリーナとして完璧、いやそれを超えているプロポーションを持っています。
王子役は、ウラジーミル・シクリャローフという貴公子の中の貴公子です。王道のプリンス顔にも関わらず、圧巻のジャンプと情熱的な感情表現を見せてくるのが魅力です。(筆者は、生まれ変わったら彼になりたいという叶わぬ願望を抱いています。)
このロシア・バレエの崇高な伝統美を受け継ぐワガノワ・バレエ・アカデミーとマリインスキー・バレエ団は定期的に来日公演を行っているので、日本でも必ず観れますよ!
次は、ボリショイ・バレエ団について紹介します。
あのロシア語の教科書の例文に度々出てくるБольшой театр(ボリショイ劇場)のバレエ団です。
ボリショイ・バレエ団は、現在ロシアの中で、最も勢力が強いバレエ団です。首都モスクワの中心部にその荘厳なたたずまいで鎮座していて、プーチン大統領やフィギュアスケーターのプルシェンコにも愛されています。
実際に、僕自信が訪れたときの経験について、「留学体験記モスクワ&ペテルブルグ【後編】」の方に記載してあるので、ぜひそちらをお読み下さい。
このボリショイの魅力は、躍動感です!
ボリショイのダンサーは破壊的なエネルギーと豊かな感情表現溢れるパフォーマンスを得意としています。
まずは、百聞は一見にしかずですから、早速ボリショイのバレエというものを観てみましょう!
こちらは「パリの炎」という演目で、全幕で上演しているバレエ団は、僕の知る限りではボリショイを含めて世界に2つしかありません。なんと言ってもこの弾けるようなエネルギー!クラシック・バレエは厳密に決まっている型の中で踊るのは原則ですが、その型に収まりきらないないような圧倒的パフォーマンス力がたまりません。他の国のバレエ団には絶対に真似できないと思います!(筆者は勝手にひとりで興奮しております)
そのバレエ団の個性を確立したのが、往年の芸術監督グリゴローヴィッチです。現在のボリショイの主なレパートリーは、「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」といった古典作品から、ソ連時代に製作されたオリジナル作品まで、その多くがグリゴローヴィッチの作品です。
では、来日公演でスパルタクスを披露した際のリポートをご覧を下さい。
彼の作品の特徴は、主に2つあります。
ひとつ目は、躍動感のある群舞の使い方です。特に男性ダンサーに、その圧倒的なパワーを発揮させる演出が魅力だと思っています。
二つ目は、展開の速さです。「白鳥の湖」や「眠りの森の美女」、「ロミオとジュリエット」といった通常三幕構成にされる演目も、彼の手にかかれば二幕におさまります。
そして現在のボリショイを語る上で欠かせないバレリーナがいます!ロシア・バレエ界の女帝スヴェトラーナ・ザハロワです。彼女の理想的なプロポーションと氷のように美しい顔、そして比類ないテクニックによって完成された踊りは、「美の化身」とも称されています。彼女はロシア国家人民芸術家やプーチン賞といった様々な称号を手にしていて、最近は活躍の幅もバレエにとどまらず、テレビ番組やショーの司会も務めています。
彼女が、「白鳥の湖」について語っている短いインタビュー映像があります。(彼女のロシア語は、とってもとっても聞き取りやすいのでロシア語能力検定試験やТРКИのリスニング対策にピッタリです笑)
このボリショイ・バレエですが、日本には3年に1回しか来てくれません。ちょうど去年の冬も来日予定でしたが、コロナのせいで公演中止になってしまいました。筆者は5公演分チケットをとってただけに、とてもとても悔しかったです。
代わりに、2017年の来日公演の様子を少しお見せしたいと思います。
上記で紹介したザハロワが「ジゼル」を披露しています。
生で観れるのは3年に1回ですが、毎年ボリショイ・バレエ・イン・シネマというのを日本全国の映画館で開催しています。
では読者の皆さん、長々と僕のオタク語りにお付き合いいただきありがとうございました!
Спасибо большое(スパシーバ バリショエ)!
コロナが終息して、かつてのようにロシアのバレエ団の来日公演が復活したら、皆さんと一緒に観に行けることを夢見ています!До свидания!(さようなら〜)
文責:長谷川公樹
*今日のロシア語*
артист балета(アルチースト バリェタ)
意味:男性バレエダンサー
артистка балета(アルチーストカ バリェタ)
意味:女性バレエダンサー
красота(クラサター)
意味:美しさ、美