マリインスキー劇場ツアー
Здравствуйте! (こんにちは!)
言文4年の長谷川公樹です!
新入生は、そろそろ所属する部活やサークルが決まった頃でしょうか?
僕たちリュボーフィにもたくさんの新入生が入ってくれました!
私が3年前の新入生だったときを振り返ると…「ロシア・バレエを研究したい!」という強い思いで入学したことを覚えています。
そして、今年の2月、遂に現地でバレエの殿堂マリインスキー劇場に通うという念願の夢を達成することができました。
そこで今回は、私が新入生のときに夢見ていたマリインスキー劇場を皆さまに紹介したいと思います。
芸術大国ロシアにおいて、サンクトペテルブルグに建つマリインスキー劇場は、モスクワのボリショイ劇場とともに双璧をなす美の殿堂です。
僕は、年明けに行った1ヶ月間の留学でバレエ8作品、オペラ4作品をこの劇場で観ました。
Ⅰ 歴史
マリインスキー劇場は帝政ロシア時代の1783年に創立しました。「マリインスキー」という名は、アレクサンドル2世の妻マリア妃に因んでつけられました。
«Мариинский Театр»=「マリアの劇場」
現地では、 «Мариинка»(マリインカ)という愛称で親しまれています。
ソ連時代は、「キーロフ劇場」という名称を用いていたため、僕らの親の世代の間では、「キーロフ」の名で知られています。
マリインスキーでは、毎日、バレエやオペラ、オーケストラの公演がフル稼働で催されています。その中でも、マリインスキーは特にバレエにおいて高い評価を得てきました。
バレエ史の上では、マリウス・プティパとレフ・イワーノフによるチャイコフスキー3大バレエ(「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」)が初演されたことで有名です。
さらには、ニジンスキーやアンナ・パヴロワ、ガリーナ・ウラーノワ、ルドルフ・ヌレエフ、ミハイル・バリシニコフ…..といった近現代のバレエ史に名を刻む名ダンサー、いや「伝説」を生んできた劇場でもあります。
Ⅱ 3つの劇場
マリインスキー劇場は、元々は本館のみでしたが、2006年にはコンサートホール、そして2013年にMariinsky 2 と名付けられた新館が完成しました。
マリインスキー本館では主にバレエやオペラの古典作品、マリインスキー2では比較的新しい時代に演出されたバレエやオペラ、そしてコンサートホールでは、マリインスキー劇場管弦楽団によるオーケストラのみのコンサートや、小規模のコンテンポラリーダンス、オペレッタが上演されています。
Ⅲ マリインスキー劇場で観劇しよう。
⑴チケットを買う。
チケットの買い方には、主に3つあります。
・マリインスキーのHPで買う
・劇場自体のエントランスや、ネフスキー通り沿いにある窓口で買う
・滞在しているホテルのフロントスタッフに頼んで買う
私が最もお勧めするのは、HPで買うことです。
会員登録をすれば、座席表から好きな席を選んで、カード決済をすれば簡単に購入することができます。メールで、公演名とバーコードが記載されたPDFが送られて来るので、それを入場の際に提示します。
ちなみに、なぜ窓口やホテルで買うのをお勧めしないかというと、どこにどれくらい残席があり、どのような値段で売られているのか、全体像を把握することができないからです。特に、座席の「値段」は日本よりもずっと複雑で、1列ごとに値段が変わってくるブロックもあります。ですので、HPで残席と値段が記された座席表を見て、自分のペースでゆっくり検討するのが良いと思います。
※マリインスキーの窓口で発券されるチケットは紙ペラですが、ボリショイ劇場の窓口では、赤地に金色のラインが入ったゴージャスなデザインのチケットを渡されるので、ボリショイに行く場合は、敢えて窓口で買うのもいいかもしれません。
「値段」と聞くと、バレエやオペラは大変高額なのでは?と思う方が多いのではないでしょうか。日本で観ると確かに高いですが、マリインスキーは芸術監督を務める世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフの方針で、比較的安価に超一流の舞台を楽しむことができます。通常の相場では、最上階の最も安い席で、約1,500円〜3,000円程度で楽しめます。
さらに、学生や、公立の学校に務める教職員向けの割引もあります。僕は、サンクトペテルブルグ大学の担当教員の方のご厚意で、その割引を使わせていただき、通常の半額以下の値段(約3,000円)で1階席からロシアで最高峰のバレエを楽しむことができました。
⑵入場の流れ
では、マリインスキーに向かいましょう!
マリインスキーは、ロビーの展示やショップ、ビュッフェが充実しているので、開演の30分前には現地に到着するといいでしょう。
西欧の劇場とは違い、ドレスコードはないので、服装はなんでも大丈夫です。しかし、やはりバレエやオペラを観る場ですから、ある程度お洒落な着こなしの人が多数派です。
①エントランス
入場の際、日本と大きく違う点が手荷物検査です。リュックなどの大きな荷物は、スキャンをされた上で中身を確認されますし、ポケットから財布やスマホを出して、金属探知機を通らなければなりません。そこで手間取ってしまうと後ろの人を待たせてしまうので、予めポケットの中身や荷物の中身は取り出しやすいように整理しておきましょう。
②クローク
無事にエントランスを突破したら、次は真っ直ぐクロークに向かわなければいけません。日本では、クロークの利用は任意ですが、ロシアでは、劇場や美術館では必ずコートや大きな荷物はクロークに預けなければ、ロビーを散歩することもできません。ただし、貴重品は持ち歩かなければいけないので、小さなポシェットやショルダーバックを持って来る人が多いです。
クロークの場所は、新館とコンサートホールは1箇所に集約されているので分かりやすいですが、本館は各階に点在しています。自分の席の階のクロークに預ける決まりになっているため、預ける際もチケットを確認されます。
③プログラム
荷物を預けたら、次はプログラムを買いましょう。プログラムの売り方も日本とは異なり、各界に立っている何人もの案内係が売っています。マリインスキーの場合は、薄い冊子で、1部約150円と大変安価です。
④ロビー、ショップ
開演前までの間は、ロビーの展示を眺めたり、ショップでお土産を見たり、美しい会場内の写真を撮ったりして過ごしましょ
ショップは、本館には2箇所、新館とコンサートホールに一緒ずつあります。その中では、新歓のショップが最も広くて品揃えが良いです。
舞台写真のポストカードから、Tシャツ、カップ、文具、バッジ、バレリーナの人形、書籍、公演DVDやCDが売られています。公演DVDなどのグッズは日本で購入するのに比べ半額未満の格安で手に入れることができます。
僕もたくさんお土産を買いましたが、特に気に入っているのが、マリインスキー劇場のペーパークラフトです。
⑤場内
ではホール内に入りましょう。
いずれのホール内も非常に美しいのでたくさん写真を撮りましょう。
マリインスキー本館の方には、人気の撮影スポットがあります。Балкон(バルコン)と呼ばれる上層階の正面です。
人気のフォトスポットで、休憩中は写真撮影の行列ができるので、開場中の空いているときに撮影を済ませましょう。
⑶開演
マリインスキー劇場では、開演までにベルが3回鳴ります。
3回目の開演直前のベルが鳴るまでには自分の席に着くようにしましょう。
なんと、マリインスキーの場内に入る扉には、ロビー側から勝手に開けられないようにドアのノブが付いていません!入る前に閉められてしまうと、鍵を持っている係が来るまで開けられないので、気をつけてください。
日本とは異なり、開演しても他の観客がお喋りを続けていたり、堂々と撮影をしていたりしています。頑張って集中して鑑賞しましょう(笑)
⑷終演時
なんとカーテンコールは撮影可です!ぜひ鑑賞の思い出に、カーテンコールを撮影しましょう!
夜公演の場合は、終演が23時近くになることもあります。夜道は、無理せずタクシーで帰るのがお勧めです。
マリインスキー劇場ツアーはいかがだったでしょうか?
今は、日本の若者がマリインスキーで至高の舞台を観れるような世界が早く戻ることを祈るばかりです。
みなさんも入学時の夢をどんどん叶えていってくださいね!
До встречи!(ダ・フストレーチ)「またお会いしましょう!」
長谷川公樹
今日のロシア語
спектакль(スペクタークリ)意味:演劇
театр(チアートル)意味:劇場