東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

東京外大生にインタビュー!第17弾【タイ語科編】〈前編〉

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タイ語科 柴田さんへのインタビュー

 

こんにちは、来年度から4年生になります、言語文化学部ロシア語専攻のりゅうです。3月からオンライン留学とオンライン就活が並行しており、家でも忙しい学生生活を送っています。

 

引き続きの他語科とコラボ企画、今回はサークル内の人を通して、タイ語科の柴田さんにお話を伺いました。文化から経済的側面、タイについて幅広く目を凝らしておられるそうです。ここにいらした皆さんは、ぜひタイを知ろう! Поехали(パィエーハリ、行くぞ)!

 

柴田さんについて 2018年4月に東京外国語大学言語文化学部タイ語専攻に入学。現在3年生3回生。1年生の冬学期に、タイへ短期留学。大学では女子サッカー部に所属しており、現在は引退されています。

 

タイ語科について

柴田さんの代は、言語文化学部、国際社会学部を合わせて男女比4:13の合計17人。1人1人が自分の興味に取り組める環境だそうです!

 

【外大生活】

―今回はインタビューをお引き受けいただきありがとうございます。早速お伺いしますが、外大を選んだ理由は何ですか?

外国語を学ぶのが好きだったからです。小学生のときに4つ上の姉が英会話を習っていたのを見て、それが面白そうだと思いました。

 

―きっかけは英語なのですね

はい。『ハリー・ポッター』シリーズも好きでした。その映画について、「日本語吹き替え版と英語版」のセリフが結構違うと言われ、それから英語版も見てみたいと思いました。それも英語に興味を持ったきっかけです。

 

―なるほど。確かに両者は声も内容も異なりますね。英語版の映画から私も言語に興味を持ったので、映画は外国語への入り口という感じがします。

それでは、タイ語を選んだ理由は何ですか?

昔タイで働いていたという経験を叔父から聞いて、興味が湧いたからです。そのとき、タイの食べ物や生活様式のことも教えてくれました。一番印象的だったのが、日常的に屋台があるということです。子供のときはお祭りやその屋台が好きで、屋台がある雰囲気に憧れてタイ語にしました。

初めは外大の英語専攻を考えていたのですが、発展途上の国々にも興味があったので東南アジア地域やアフリカ地域も考えていました。それで東南アジア地域を選んだのは、近い将来も実際に日本と関わりが深くなるだろうと考えたからです。その中で今でも日系企業の進出が著しいタイにしました。タイに詳しい人材は今後も需要があるだろうと思ったことも選んだ理由です。

 

―ご自身の将来について、非常によくお考えですね!

 

―それでは、実際にタイ語科(1に入ってみてどうでしたか? 

※[1]現在では、専攻言語が同じ学生の集団を指します。ちなみにかつて本当に語科(外国語学部~語学科がもとか)があったそうです。

タイ語が想像以上に難しいと感じました。実は先に述べたタイの経済的側面からタイ語を選んでしまい、そのため言語についてはよく考えておらず、授業が始まってから初めに文字から覚えなければいけないことに気づきました。それでも法則やルールを覚えてしまえば、分かるようになってきました。

  

―私もタイ語について少し調べてみました。ロシア語専攻の私から見ると、タイ語は時制の区別や動詞が活用(変化)しないという点で、非常に簡単そうだという偏見があります。タイ語で難しいと感じた点は何ですか?

確かにロシア語専攻の友達からはロシア語は変化が多いと聞き、またスペイン語専攻の友達からはスペイン語は時制の数が多いと聞きます。タイ語の難しさは、規則を外れる例外が非常に多いことです。タイ語では1音を表すために、その多くは3種類の記号(母音、子音、声調記号)の組み合わせを使います。そしてまた次の組み合わせが別の1音を表します。しかし時々、前の文字のこの記号は次の単語を読むときにも必要であったり、書いてあっても読まない文字があったりといった例外があります。タイは植民地支配されたことがないので、タイ語に昔からの影響が多く残っており、バーリ語やサンスクリット語の特徴を引き継いでいる部分が多く、しかし文字が異なるため読み方の例外が多くなっています。

 

―読むのが大変そうです

 

※後でさらに調べてみたところ、例外の数が思った以上に多いです。しかもタイ語は分かち書きをしない、つまり単語を覚えていないと区切りが分からないので、文章を読めるまでに相当の慣れが必要でしょう。ロシア語の読みのバリアントは英語より少ないのでありがたいと感じます。

「タイGOリアン」というサイトに例外を含めたタイ文字の読み方について解説があるので、お手すきの際にご覧ください。

https://thaigorian.com/taigo-kiso1/

 

※インタビュイー紹介にタイ語で「愛」を表す文字がありますが、タイ文字のサンプルをもう1つ頂けました!柴田さんがお好きな「アザラシ」、タイ語で「メーオナム」と言うそうです。

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―次は語科の雰囲気を教えてください。

一人一人がそれぞれ自分のやりたいことに取り組める環境です。また2つの学部の学生が一緒に同じ授業を受講するので学部間での差や違いはあまりありません。全体で17人の小さな語科なので、特に1~2年生の間はずっと一緒だったと言えます。食事も、学部に関係なく語科の人と一緒に行きます。

私の代にはほぼいませんでしたが、タイ語科は毎年2~3人、タイ在住歴のある人、親がタイをルーツにもつ人がいます。他の学生に教えられるほどにタイ語が堪能で、そういった人が学生間で教え合うことでタイ語を頑張る学生が増えたそうです。

 

―教えてもらえるのは確かに励みになりますね。他にも○○が特に好き、○○に興味があるといった人はいますか?例えばロシア語科なら、ロシア以外の旧ソ連諸国に興味がある、とにかく言語が好きといった人がいますね。

ロシア語科はそういうイメージがあります(笑)。私の代はタイ語にばかりコミットしているというよりは、むしろサークルやダンスの団体に入っている人が多いです。

 

―なるほど。逆にタイ語科に入って後悔したことや辛かったことはありますか?

少しでもタイ語の文字や挨拶などを、予め知っておくべきだと思いました。

 

―ロシア語学習もキリル文字を覚えるところから始まるので、確かに初めに文字を知っておくと気が楽ですね。

 

―関連して、タイ語の授業はどのように進みましたか?

1年生のときはタイ語の授業が週5コマあり、読む・書く・聞く・話す能力を同時並行で磨きました。当初から日本人の先生とネイティブの先生に教わり、教科書を使う授業、先生が用意したテキストを使う授業など様々です。講読の授業ではタイの文化、政治、経済、歴史に関する文章を読みます。

 

―ネイティブの先生の授業はどうでしたか?

ネイティブの先生は2人いらっしゃいます。そのうち1人はテキストをお書きになっており、それを使って授業が進められました。1年生の春学期は、通年とは異なる別の先生から英語でタイ語を教わりました。秋学期では、タイ語でタイ語を学ぶ授業も増えました。

ネイティブの先生による一番印象的だった授業があります。それは2年生冬学期のときの授業で、テキスト内の堅い表現ではなく日常会話で使える簡単な表現を、時間をかけて学びました。

 

―会話表現を教えてもらえるのは嬉しいですね。私は授業で時間をかけて教えてもらうことは少なかったので、覚えるのに苦労しています。先生の雰囲気はどうでしたか?

1人は第一印象では威圧感を覚えますが、とても面倒見の良い先生で、自分のやりたいことや興味を持ったことに対してレスポンスを頂けます。もう一方の先生も学生をたいへん大切に思っていらっしゃいます。厳しいことを仰ることもありますが、授業で分からないことは丁寧に解説していただけますし、授業外でも学生の健康に気を配られています。

 

―とても温厚で堅実な先生方ですね!

 

―次は言語以外の授業についてお伺いします。東南アジア地域関連でもっとも面白い授業は何ですか?

東南アジア地域基礎です。リレー講義(※[2])で東南アジア諸国の様々な文化の側面に、俯瞰的に触れることができます。例えば、ベトナムのこういう文化について、島嶼部では他のこういった地域でも同様の風習が見られる、などです。

※[2]リレー講義では複数の先生方それぞれが学期中1週間もしくは数週間だけ、それぞれの専門分野をテーマに講義を展開されます。

 

―タイについてはどのように紹介されていましたか?

タイというくくりではありませんでしたが、仏教について紹介されていました。仏教神話について、孫悟空の話も触れながら、その風習や托鉢について教わった記憶があります。

 

―なるほど。また、語科と関係なく、外大の授業で面白かったものを挙げてください

 「感染症と医学」です。授業では、留学する際にどのような予防接種を受ける必要があるか、また現地では何がきっかけでどのような病気や怪我を患う可能性があるか、ということを学びました。実際にそれを知っておくだけでも少し心づもりができます。

 

―タイではどのような病気に注意するべきですか?

タイに限りませんが、やはり注意すべきは狂犬病です。致死率が高いうえ、野良犬や野良猫も多いので、気をつけるように言われました。

 

―実際にタイに行って、野良の犬猫は多かったですか?

当時泊まったホテルの前でいつも犬が寝ていました。タイ人にとってそれは当たり前の光景でしたが、最初、日本人はびくびくしているようです。

授業はおすすめですよ!

 

―アドバイスありがとうございます!私の周りの人も受けていたので、私もその授業を受けてみたくなってきました。

 

☆次回!タイ語科後編!

-柴田さん所属のタイ語科ゼミについて!

-○○がたくさん?タイの留学について!

-タイにロシア語表記!?意外な二国の関係について!

 

文責:りゅう

(インタビュー実施日:2021年2月12日)

 

↓後編はこちら

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