モンゴル語科中村湊人先輩へのインタビュー
Ребята, здравствуйте(みなさん、こんにちは)!りゅうです。
今回は、私の1つ先輩である中村湊人(なかむら みなと)先輩にインタビューさせていただきました。
【外大生活】
─外大を志望した理由を教えて下さい!
東京に来たかったのと、当時は将来の夢を通訳と俳優で迷っていたので、東京外大にしました。でも結局東京に来たら俳優の方をやりたくなってきました。他の理由としては、入試科目で自分の苦手な数学に傾斜がかかっていたこと、二次試験を英語と日本史で受けられたこともあります。
─自分が志望した理由と少し似ていますね。それではモンゴル語科にした理由は何ですか?
大陸へのあこがれです笑。本当は中央アジア地域ロシア語を志望していましたが、成績順でモンゴルになりました。
─なるほど国際社会学部なので語科が後で決まるのですね(※①)。
外大に入ってみてどうでしたか?
一番は演劇サークルで活動することが楽しいというのがあります。今は商業の舞台に出ていて、俳優という将来の夢にも繋げています。
あとちょっと辛いですが資格になるので、教職課程も取っています。取り始めたきっかけは、小中学校の先生があまり好きではなかったこと。「一体何を学んだらそういう先生になるんだ!?」という負の記憶を、教職課程を履修することで自分でも先生サイドを体験し、理解していこうと考えました。
なので普段の勉強に加えて、先生や学校現場に対して持っていた疑問が整理されていく楽しさ、サークルの楽しさが外大で得られています。
─教職課程で心の整理をつけるのは真似できないです…笑。モンゴル語科はどうですか?
ゴル科はゆるい雰囲気で、先生が楽しい人で指導も丁寧です。自分でどんどん勉強していくこともできるし、それが難しくても、先生方がそういう人でもついていける授業をなさってました。ネイティブの先生もとても優しいです。
私の代は、同期の間では変に気を遣うこともなく、ちょうどいい空気で過ごせました。
─いい感じですね。逆に入って後悔したことや辛かったことはありますか?
モンゴル縦文字を授業で習ってもあまり読めないこと。2025年からモンゴルでの公文書や出版物などでの使用文字はキリル文字に加え、モンゴル縦文字も併用されます。けれども講読などではキリル文字の文章を読んでいたため、今後数年間はモンゴル語科卒でもモンゴル縦文字が読めない人が増えると思います。モンゴル語を勉強していないとそういう事情は知らないでしょうから、周りから見れば「モンゴル語科卒業なのにモンゴル語が読めないという謎」が発生しかねません。モンゴル縦文字とキリル文字の綴りは1対1対応でもないのです。
─へえ、そんなことが…モンゴル語科特有の悩みの種ですね。
※①国際社会学部に出願する際、先に志望する専攻地域を決めて、合格後の成績順で専攻言語が決まります。そのため専攻言語は、志望していても別の言語になることがあります。
【進路】
─語科の卒業生はどのような進路に進方が多いですか?
詳しくは分かりませんが、大学院、JICAなど国際協力関係、芸能関係などに進む方がいらっしゃるそうです。
─外大生に人気の進路ですね。先輩はどうですか?
インターンという名目で劇団のワークショップに参加したり、商業のお芝居に出演したりしています。後者では出演料をいただいているから仕事になっていますが笑。
就活は一切していなくて、その分オーディションを受けています。昨年は新国立劇場『あの出来事』のオーディションがちょうどあって、しかもその役は「地元の合唱団員」という設定でした。私は中学までずっと合唱部に所属していて、演劇もしているので、これは受けようと思い立ちました。作品に参加できとてもいい経験になりましたね。
─先輩は演じるほうですか?脚本を書く方ですか?
職業としては演じるほうがやりたいです。けれどもサークル内では脚本を書いたり演出をつけたり、制作係として日程調整をしたり、衣装づくりや大道具製作に励んだりと色々です。
─なるほど俳優を1番に目指されているということで、現在の具体的な俳優像はありますか?例えばテレビ中心、舞台中心など。
出来ればテレビがいいですがまだ芸能事務所に所属できていないので…。テレビに出るならそれが前提になるでしょう。逆に舞台は個人でフリーランスでやっている人もいるから、今は舞台俳優をやる路線でいます。でも本望としては事務所に所属してテレビに出たいです。
─やはり役は大きい方が良い?
主役でなく名脇役でもいいけれど、やはり有名にはなりたいです。自分自身がセクシュアル・マイノリティと言うこともその理由にあります。卒論(※②)ともつながっていて、自分が7~10歳ころのテレビで「オネエ芸人」「禁断の恋」という冠に、当時の私は反発を覚えました。今はそんな冠もマイナーになってきましたが、テレビに出ることで自分と似たような境遇にある人々を応援したい、と考えています。ただし自分の俳優活動とは別に、編集やテロップ作成となるとこれは制作スタッフの仕事になります。ジェンダー表象の分野に関して、俳優やタレントではなく制作次第でセクシュアル・マイノリティに対するイメージが決まるのかどうか、業界研究を兼ねつつ、調べてみたいです。
─かなりお考えですね!
※②後編【ゼミ】の欄も参照!
【勉強(言語その他授業)】
─言語の勉強はどのように進みますか?
私のときは、1年生で会話・文法・文字。文字の授業は、字体の好きなフォントオタクの先生が開講していらして何か謎でした笑。2年生は会話、聴解、文法、あとは語劇(※③)の練習もありました。文法と言ってもそれが講読と言ってもいいような授業で、1年生のときからそうでした。テキストを読んで和訳していく流れです。
─ロシ科の授業と大体似ていますね。言語の他に、中央アジア地域で最も面白い授業は何ですか?
A先生の中央アジア地域研究で、これは3年生以上向けの授業です。おおよそ清朝時代から話が始まります。モンゴル地域の基礎情報も盛り込まれていて、発展的な地域基礎(※④)のような内容です。教職課程関連の授業にもなっていて、初心者にもやさしいです。
─シラバスを見てみたのですが、その授業は近代モンゴル史を扱っているようですね。ロシア絡みの話もあるので少し気になります…。
─言語と地域関連以外にもおすすめの授業はありますか?
U先生の授業です。社会学の優しい先生で、社会調査法の質的調査の授業を開講されています。沖縄やハワイが専門で、授業に外れがないです。
─自分は言語文化学部なのでこういう授業は取ろうと考えませんでしたが、聞くと気になります笑。
※③外語祭で行われる語科ごと、もしくは有志による劇。語科による劇は台詞がほぼ専攻語です!
※④専攻地域の基本的な情報を学ぶ授業。1年生のうちに履修します。
☆次回!モンゴル語科後編!
―中村さんが入った教育社会学ゼミって?
―入ゼミ専攻の決め手となったインタビューについて!
―知られざるモンゴル文化!モンゴルな感じのバンドとは?
忙しい外大生にぴったりの「中村さん流ドロップアウトしない方法」もご紹介!明日更新です!Don’t miss it!
文責:りゅう
(インタビュー実施日:2020年10月3日)
※2020年10月22日内容を一部修正
↓後編はこちら
tufs-russialove.hatenablog.com