中央アジア地域専攻Tさんへのインタビュー
―外大に入った理由と、なぜ中央アジア地域のウズベク語専攻を選んだか、また、学部はどうやって決めたかを教えてください。
昔から漠然と海外や外国語に興味があったので外大を志望しました。中央アジア専攻を選んだのは、当時イスラム国(IS)が台頭しており、イスラームに対して興味があったこと、どうせ大学で勉強するなら難しい言語をやりたいと思うなか、ロシア語が難しいという噂を聞いたこと、中央アジア地域を専攻すればロシア語に加えてウズベク語も必修であり、同じ学費を払って二言語学べるのはコスパが良いと思ったこと、あとは漠然と中央アジアという未知の世界を知りたかったからなど、いろいろと理由はあります。国際社会学部を選んだのは、がっつり言語をやるよりは文化や政治、国際関係についても詳しく勉強したいと思ったからです。
―実際に入ってみて、入る前と印象が異なったことはありましたか?
いえ、ほとんど思った通りでした。
―語科の雰囲気を教えてください。
アットホームですね。1学年の人数も10〜14人程度と少なく、他学年との繋がりも比較的強いと思います。先生との距離も近いです。
―その語科に入って良かったことは何ですか?
ロシア語とウズベク語が必修なので、同じ学費でも最低2言語はしっかりと学べるコスパの良さですかね。
―逆に、入って後悔したことや辛かったことはありますか?
特にないです。
―中央アジア地域関連で最も面白い授業は何ですか?
今はもう御退職されたK先生の「テュルク民族史」です。日本のテュルク学界をご牽引された先生の最後の講義を受講できてとても幸せでした。
―ちなみに、中央アジア地域関連ではない他の外大の授業で面白かったものにはどのようなものがありますか?
ありきたりですけど27言語リレーですかね。遍く広く知りたい私にとっては、外大の専攻言語27言語全てについて深く知れるとても興味深い授業でした。
(注:全27語科の教授が毎週リレー形式でそれぞれの言語に関する講義を行う。外大の名物授業の一つ。)
―所属しているゼミと、入った理由、勉強している内容を教えてください。
中央アジア地域研究のゼミに所属しています。入った理由は、せっかくウズベキスタンに留学に行くので留学に絡めた研究をしたいと思ったからです。
ゼミでは各々が中央アジアに関連する、興味のあるテーマに沿った論文を読んでいます。
―ゼミで勉強しているテーマの面白さを教えてください。
私は中央アジア地域に居住している朝鮮系住民について学んでいます。スターリン時代に、日本のスパイだという疑いをかけられて極東から中央アジアに強制移住させられた朝鮮系住民がいるのですが、彼らがソ連時代の弾圧や言語政策を乗り越え、母語(朝鮮語)を(ほぼ)失いながらもどのようにアイデンティティを継承していったのかというプロセスが非常に興味深いです。
―卒論ではどのような内容を書く予定ですか?
いま述べた、中央アジアに居住している朝鮮系住民に関することをテーマにするつもりでしたが、ウズベキスタンに留学に行き、ウズベク人にも関わらず第一言語をロシア語としている人々にも興味を持ち始めました。日本に住み、日本語以外の選択肢を持たないまま育った私にはその感覚が理解し難く、さらに深く知りたくなったので、現時点ではどちらにするか迷い中です。
―中央アジア地域を勉強する最初の一冊となるようなおすすめの本はありますか?
「乙嫁語り」という森薫さんの漫画がオススメです。19世期後半の中央アジアを舞台にしており、絵もとても緻密で、時代背景を忠実に再現していると思います。2014年にはマンガ大賞も受賞しています。
―音楽や絵画、文学、映画、アニメなど文化面で有名なものはありますか?
音楽に関しては伝統的なものとしてドゥタールという二弦の撥弦楽器やドイラという太鼓が代表的ですかね。現代音楽では、ウズベクポップは現地の若者に人気ですね。また、絵画ではないですが、スザニという刺繍が有名で、ウズベキスタン土産としても人気があります。
☆次回!中央アジア地域ロシア語・ウズベク語専攻(ver. ウズベキスタン)後編!
―美味しい韓国料理屋さんが豊富?ウズベキスタンの政治・経済の状況!
―ウズベク語習得への道!Tさんの留学先での過ごし方!
―とっても濃い関係!中央アジア・ウズベキスタンとロシアの関わりについて!
過去から現在までウズベキスタンの情報たっぷりでお届けします!明日更新です!ぜひご覧ください!
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