↓前編はこちらよりどうぞ
tufs-russialove.hatenablog.com
【学びについて】
―所属しているゼミと、選んだ理由、勉強している内容を教えてください。
タイ語科ゼミです。私は言語文化学部の学生ですが、勉強していくうちにタイの経済に興味が湧きました。しかし、もし経済を専門的に勉強するなら国際社会学部のゼミにしなければならないので、そのことをゼミの先生に相談しました。先生から、タイに関連することならここで研究してよいという返答を頂けたので、私は今のゼミを選びました。
3年生のうちは基本的にタイの様々な文化について、各ゼミ生が自分の興味、関心に基づいてプレゼン行います。ゼミ生の興味が多様なため、講義のように学生全員がおなじ内容について学ぶ機会はないです。
―なるほど。柴田さんはどのようなテーマで発表しましたか?事前にお伺いしたところ卒論のテーマが未定ということですが、具体的な内容は決まっていませんか?
前に述べたように(※[3])最初はタイ国内の発展途上な分野に興味があったのですが、その分野が教育、福祉、医療、経済格差など多岐に及ぶ上、それについても先行研究も多くなされています。発展途上な分野と一口にいっても内容が大きく深すぎるため、具体的には決めていません。
今関心のあるテーマの1つに、物乞いがあります。タイでは食べ物やお金の施しが日本に比べて一般的です。その背景にある人々の意識や、仏教との関わり合いに興味があります。もし施しがなければ物乞いの数は自然に減っていくはずですが、しかし実際は一定数を保っています。つまり物乞いの方に食事や生活資金の提供者がいることになります。その提供する意識はどこから来るのか、を調べてみたいです。
逆にタイと日本の経済関係を見ていたりもするので、また詳しく決めていません。
―物乞いは興味深いテーマですね。勉強になりました!
※[3]前半の記事で「タイ語を選んだ理由」の回答に、該当箇所があります!
【留学について】
―タイに留学や旅行に行ったことはありますか?
はい。1年生の冬に短期留学でタイに行きました。バンコクのシーナカリンウィロート大学に1か月間、語科の人全員で留学していました。タイの文化と言語について教えてもらうことが中心でした。
プログラムに観光も組み込まれていて、泊まりでタイのビーチに行きました。動物園に行ったり、ゾウやトラのショーを見たりもしました。
※ゾウによるショーの写真を頂きました!奥で人が風船をつけていたに押さえつけられているのを見ると、どきどきしますね…。
―特に印象に残った思い出や場所はありますか?行ってみて、タイの印象が変わりましたか?
先に述べたように物乞いの人々が多く、首都バンコクでもそれが日常的だったことです。施しでギリギリの生活をしていても、物乞いの方々が生きていける環境であることが驚きでした。
また日本になくてタイにあるという点で、船が印象的でした。船は日本でいうバスのイメージで、10分程度おきに同じルートを航行していました。
※船の内部です。とても地元感があふれている印象です!
―東南アジアの交通というと、バイクのイメージが強いですね。
バイクも多いです。バイクについて留学先の方から、「普通の四輪タクシーは密室で何かあったときにすぐ助けを呼べないから、気にならないならバイクタクシーを代わりに使うのも手」と言われました。
―なるほど、参考になります!
―現地の人はどのような雰囲気ですか?
優しいです。ショッピングモールで携帯電話を落としたのですが、それがちゃんと戻ってきたという経験があります。モールの受付センターに届けられていました。
またバンコクや観光地での話になりますが、英語が大体通じます。また日本語や朝鮮語など、何か海外の言語を第二外国語として習得している人も多いイメージです。韓国映画がタイでブームだからか、朝鮮語の読み書きのできる人が一定数いると感じます。
―そういう点では、タイは観光に力を入れている印象がありますね!少し安心して観光できそうです。
それからタイの方に、日本人は見分けやすいとも言われました。目が特徴的で、横幅が広めだとのことです。ぱっと見て分かるそうです。
またタイ人は明確な約束をせずに、また会おうと言って結局会わないことが普通のようです。タイ人はフットワークが軽く、急に電話で今予定がないか聞いてきて、もし空いていたらその日にその人と会う約束をする、ということはよくあります。そのため気持ちを濁すなとも言われました。日本人ならある程度会う時間や場所を決める、相手の会えるタイミングについて事前に知ったうえで聞くこともあると思いますが、タイではいつか会おうといっても、本当にいつ会うかは分からないのです。
―ほお、それは初耳です!
【タイについて】
―タイを勉強する最初の1冊となるような本はありますか?
私が今も使っている、『表現を身につける初級タイ語』です。ネイティブの先生がお書きになった本です。説明が日本語で読みやすいのでお勧めです。
―タイの音楽、絵画、文学、映像作品などで有名なものはありますか?
BNK48という音楽グループが有名だと思います。
―なるほど、お恥ずかしながら私は正直タイの文化で思い当たる節がありませんでした…。文化的な傾向はありますか?
タイ特有の傾向というと、一般にBL関係のドラマがあります。またとあるタイ映画を見たとき、仏教的思想が織り込まれていると感じました。例えば、生まれ変わりの理解がされていること、ご先祖様の幽霊が映画の前面に押し出されていることなど、タイの日常に仏教がしみ込んでいることが分かりました。
―お国柄が出ていますね。タイは仏教のイメージが強いです。
9割以上が仏教徒です。その他、タイ南部ではイスラム教徒が多数いたり、バンコクにもクリスチャンの教会があったりします。
―やはりそうなのですね。お恥ずかしながらこれも私は思い浮かばないのですが、タイの著名人と言えばどのような方がいますか?
Jリーガーのチャナティップ・ソングラシンが思い浮かびました。今も北海道コンサドーレ札幌に所属されています。
※チャナティップ選手は「タイのメッシ」とも称されているそうです!
公式サイトのプロフィール
https://www.consadole-sapporo.jp/team/topteam/detail/13/
―続いて、近年のタイの政治・経済の状況を教えてください。
国王が変わったことやコロナによる不況の蔓延などによって、政治的に安定している状況が続いているとは言い難いです。
―確かに、ニュースでも政局が不安定だとしか聞いていない気がします。同時にデモのイメージがあります。デモ隊がとっとこハム太郎を歌っていたのは覚えています。
歌の中で、「お金が好き」というふうに揶揄されています。
※「とっとこハム太郎」の主題歌を歌うデモ隊に関するニュース映像
https://www.youtube.com/watch?v=pvadEO3zsgc
―それから軍政のイメージもあります。
形の上では民主主義で、しかし元軍部出身の人が政治の中心にいるといった方が正確です。これには、選挙制度が正しく機能していないという背景もあります。
―日系企業の進出も多いので、何かあると不安になりますね。コロナと一緒に収まってほしいところです。
【ロシア×タイ】
―ロシアとタイの関わりについて何か知っている情報はありますか?
パタヤという観光地があって、そこにロシア人街があると聞いたことがあります。私は行ったことがないですが、ロシア語の看板が立っていたり、ホテルの案内板にロシア語が併記されていたりするそうです。
※実は東南アジア地域は、リゾート地としてロシア人に人気があります。都市によってはロシア人街が形成されていて、ロシア料理店もあります。ロシア人観光客を受け入れる態勢が整えられているようですね。ちなみにタイを訪れたロシア人は、2019年でおよそ150万人でした。同年の訪日ロシア人は12万人なので、いかに多いかが分かると思います。
訪日ロシア人の数についてはこちら
日本政府観光局 国籍/月別 訪日外客数(2003年~2021年)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf
タイを訪れるロシア人の数に関する記事(ロシア語)
https://ratanews.ru/news/news_9012020_20.stm
【お知らせ】
─今回はインタビューをお引き受けくださってありがとうございました!最後に、柴田さんが所属している女子サッカー部についてお知らせします!
サッカー初心者・経験者・マネージャーさんも大歓迎です!!😊
ぜひ私たちと一緒にサッカーしましょう!⚽️🤝
SNSもぜひチェックしてみてください🥰
インスタ: https://www.instagram.com/tufswfc/
Twitter: https://mobile.twitter.com/tufswfc
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文責:りゅう
(インタビュー実施日:2021年2月12日)
(※本記事に掲載している全てのURL 最終アクセス日2021.3.13)
*今日のロシア語*
Таиланд(タイラーンド)
意味:タイ
слон(スローン)
意味:ゾウ
судно(スードナ)
意味:船