東京外大生にインタビュー!第8弾【チェコ語科編】〈前編〉
チェコ語科Kさんへのインタビュー
Здравствуйте (ズドラーストヴィチェ)!こんにちは!
国際社会学部ロシア専攻3年の芝元です!
他語科とコラボ企画ということで、今回私は現在外語祭実行委員会の同期で一緒に活動しているチェコ語科のKさんにお話を聞いてきました。
私はゼミがロシアの政治経済なので、スラヴ語ゼミに所属しているKさんにチェコの言語や文化の話を聞けるのがとても楽しみです!
【大学に入るまで】
芝元:久しぶり~!
Kさん:久しぶり~!本当に久しぶり!
芝元:まず初めに、外大に入った理由と、なぜその語科にしたか、学部はどうやって決めたのか教えてください!
Kさん:外大に入ろうと思ったのは、中学校1年か2年くらいの時で、理由は単純に英語が好きだったから。親に「英語が強い大学ってどこやねん!」って聞いたら「外大か上智じゃない?」って言われて、「へ~!どっちかにしよ~!」みたいな軽い気持ちで決めた!あと、外語祭が面白いから。
芝元:本当にそれな~!
Kさん:そう、それでもともと英語をやる予定だったけど、外大ってマイナー言語が多いから、せっかくやるんだったらマイナーな方が良いだろうっていう気になって。こう思ったのは、仲が良かった塾の先生がマイナー語の方が面白いよって言ってくれたからなんだけど。実は最初、文字が可愛いからラオスとかそっちの方に行きたかったんだよね。
芝元:確かに~!文字可愛いよね。
Kさん:うん。でもいろいろ悩んで結局ヨーロッパに方向転換した。ヨーロッパでマイナーって言ったらチェコとかポーランドとかあの辺になるじゃん。
芝元:そうね~、あのちょっと小さめな国々。
Kさん:そうそう。だからチェコかポーランドだな~ってなって。その時、チェコにしたのは「わが祖国」っていう、スメタナが作った交響曲のなかの「ヴルタヴァ(モルダウ)」がめっちゃ好きで「あ、この国行きたいな!」ってずっと思っていたから。それだけで「よし!チェコだ!」ってなった。
芝元:スメタナに感謝(笑)
Kさん:ほんと、スメタナに感謝。スメタナがいたからチェコにした。それと学部はね、言語文化っていうと、言語と文化をやる感じがあったじゃん。
芝元:うんうん。
Kさん:私はチェコの文化がやりたかったし、私たちの時は言語文化学部だったら「チェコ語科」に申し込めたから。というのも、下の代からは国社(※国際社会学部の略称)みたいな感じでポーランドとチェコを一括で申し込んで、成績順で語科が決まっていくんだけど、私たちの時はポーランドとチェコが別だったんだよね。
芝元:そうだったんだ!知らなかった!
Kさん:そうなのよ~。その時は言文(※言語文化学部の略称)だったら絶対にチェコ語が出来るっていうのがわかってたから言文にしたっていう感じ。
芝元:なるほどね~!そういう理由があったのね。
※入試形態は年によって異なる可能性があります。最新の情報に関してはご自身でご確認ください。
【大学生活について】
芝元:外語祭では語科でどんなことをしたの?
Kさん:1年生の時はチェコをもじっただけの名前の料理店を語科16人でひーひー言いながらやったよ。2年生の時は語劇で「サクサナ」っていう魔女の女の子の話をやったよ。
芝元:料理店では何を作ったの?
Kさん:グラーシュっていうビーフシチュー的なものとシュトゥルードゥルっていう要するにアップルパイと、フレビーチュキーっていうサンドイッチの上のパンが無いバージョンを作って、後はチェコのビールを2、3種類売ったよ。
芝元:さすがビール大国(笑)
芝元:ところで実際に大学に入ってみてどうだった?良い意味でも悪い意味でも思っていたのと違ったってことはあった?
Kさん:良かったのは、自分が興味を持っているちょっとマニアックな話を受け入れてくれる環境があることかな。中学高校とかって話が合う人がみんないるわけじゃないから、例えばラオス語可愛いよねって言っても理解されないでしょ。
芝元:あの丸い文字とか可愛いのにね。
Kさん:可愛いよね~、でも中高だと誰にも伝わんないし。そもそもラオス語ってなんだって言われるのは間違いないし。言語とかの、興味のある話をしても誰かしら受け入れてくれるっていう環境がやっぱいいな~って思ってる。あと大学の絶妙な田舎感が好き(笑)
芝元:わかる(笑)あの森の感じとかね(笑)
Kさん:そう。そんな長閑な大学に結構のんびりいれるのがめっちゃ好きだな~って思ってる。悪い意味で違ったな~ってことはあんまりないけど、強いて言えば、ゼミの区分が不思議なこととか?国社にも文化系の内容を扱うゼミがあったりとか。マイナーな言語だとその地域の担当教員ってあまり人数が多くないじゃん。だからチェコを専門にしたゼミの選択って意外と難しくて、なんかちょっとズレてたりとかしてて。チェコ科あるあるだけど割とゼミで迷うみたいな。具体的に言えば、チェコ科の場合は文化を専門的に扱えるのが国社だったの。
芝元:あ~~~~~~結構トラップだね
Kさん:そう、めっちゃトラップで。まあ言文でも国社の授業を取れるけどね。まあ学部はさておき、チェコの文化やるぞ~って初めは思ってた。ただ困ったことに、言文は言語学系と言語教育学と文化系の3つのコースがあるんだけど、私は文化系の授業全部成績が悪くて、あんまり向いてなかったらしくて。「おっと!やりたいのに向いてない!」的な。で、なんか言語学は結構向いてたみたいで。言語学ってちょっと理系っぽい内容なのね。文系だけど理系っぽいところがある。
芝元:え~っ。
Kさん:結構そういうのが好きだから、思ってたよりも言語学にはまり、今チェコ系の言語学のゼミにいるからそれはそれで面白いかな~って。
芝元:なるほど!それは良かったね!
芝元:続きまして!語科の雰囲気はどんな感じ?
Kさん:語科は仲がよくて賑やかなところが特徴的。私たちは、入った時点で16人で、高校の1クラス分の人数よりも少なかったからすぐ仲良くなった。入学した初日からすぐ仲良くなった気がする。それで、結構固まってて、遊びに行くことが割と多いかなって思ってる。バーベキューとかお泊りとか。
芝元:めちゃめちゃ仲良しじゃん。でもわかる、チェコ科はみんな明るくてワイワイしてるイメージがある。その代によってメンバーは変わるけど、受験生の人達に小語科楽しいぞ~って伝わるといいね!
Kさん:うん。小語科は小語科で楽しいんだよ~!
芝元:次に、チェコ科に入って良かったな~って思うことは?
Kさん:語科に入って良かったことは、初対面の人との会話のネタに困らないこと(笑)バイトの面接とか、インターンとかで「外大でチェコ語勉強してます」って言うと、「チェ、チェコ語?」みたいな。
芝元:あまりいないよね、日本でレアキャラ。
Kさん:「そもそもチェコってどこ?」「チェコ語って何?」「どこの国と近いの?」みたいな話をしてもらえるから勝手に話せるっていうか。話が膨らむのは本当に得(笑)あとは、偶然だけど語科の仲間が良かったなって。大学生なのに中高みたいなクラスのわちゃわちゃ感がある。
芝元:うらやましいいいいい!
Kさん:なんなら中高よりも楽しいかも。大学ってそんなに人と関わらないって思うかもしれないけど、私の語科は人数少ないし、良い意味で密に繋がってるから、まあ一緒に戦える仲間じゃないけど、そういう人たちが居てよかったな~ってめっちゃ思うかな。
芝元:いいねええええええ!
芝元:じゃあ逆に入って後悔したことや辛かったことはある?
Kさん:「やめとけばよかった!」まではならないけど、チェコ語は思ったより大変な言語だったな~っていう気持ちはあって(笑)なんか私そもそも、英語の時もそうだったんだけど文法があまり好きじゃなくて。
芝元:わかるわかる。
Kさん:ああいうのは文章読むのが楽しいじゃん。文法が苦手だから格変化とか覚えるのが未だにちょっと苦手で。今は購読(※読解の授業のこと)とかだから楽しいんだけど。あと「今後どこで使うの?」って言われるのが悲しいかな。
芝元:なるほど。そういえば、チェコ語って格の数はいくつあるの?
Kさん:格は主格・属格・与格・対格・呼格・前置格・造格の7個。ロシア語が6個だから1個多いってかんじ。ロシア語にはない呼格がある。
芝元:6で多いって感じるのに、7って…。
Kさん:それが単数複数で違ってるとか、何型みたいなパターンがめっちゃ分かれてるとか。それを全部覚えてって感じだから大変(笑)
芝元:めっちゃわかる!
※格についてはこちらのブログをぜひご覧ください。
『世界でただ一人のママのところへ』赤ちゃんマンモスの冒険 - 東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ
芝元:チェコ語の勉強はどうやって進むの?
Kさん:1年生から2年生の間はネイティブの先生の授業が3コマあって、そのうち2コマが同じ先生、1コマが違う先生なのね。で、日本人の先生の授業が2コマで、合計で週5コマやる感じ。ちゃんと覚えてないんだけど、日本人の先生の授業は2年の春くらいまで文法の授業だったの。ネイティブの先生の授業は教科書やりつつ、2年生くらいからプレゼンとかやるようになった。あと日記書いて提出とかそういう感じ。
芝元:ええ、日記が宿題ってかわいい!
Kさん:2年の秋からは購読になるから、本当にひたすら文章読んで訳して、訳した分を授業内で答え合わせ。3年生から私は、春は2コマが日本人の先生の授業で1コマがネイティブの先生の授業だったかな。ネイティブの先生の授業は同じ感じなの、なんかずっと教科書とプレゼンみたいな。で、週2コマの日本人の先生の授業はほぼ購読だけど、たまにちょっと文法やるとか。
芝元:なるほど!それと、辞書について聞きたいことがあるんだけど、チェコ語科には辞書が無いというのを噂で聞いたんだけど本当?
Kさん:日本語チェコ語辞典はあって、一応は持ってるんだけど、大学の授業で使うにはちょっと物足りないところがあって…。そうなると、選択肢が現地でチェコ語英語辞典を買ってくる、もしくはオンラインの辞書があるからそれを使うという二択になる。でもオンラインの辞書もチェコ語英語とかだから、結局英語ができないときつい。それでも困ったときはグーグル翻訳(笑)
芝元:そうなのね~、じゃあ訳すときは色んな辞書をフル活用しなきゃなのね。
芝元:取っていた授業でおすすめなものはある?
Kさん:「世界のことば」(※専攻として学べる27言語以外のことばを学習できる授業。ブルガリア語やコリマ・ユカギール語など様々な言語の授業がある。)は外大ならではの授業って感じでおすすめ。私はハンガリー語を取ってた。
芝元:おお~、どうだった?
Kさん:結構面白かったよ!地理的にチェコと近い国なんだけど、文法とかがチェコと全然違ってた。それと、ハンガリー舞踊を嗜まれていて、ハンガリー舞踊を踊る会、のような会も主宰されている方が来てくれてみんなで踊ったのも面白かったよ。今年の1月くらいにハンガリー大使館でイベントがあって、その授業を取っていると呼んでもらえることもあった。
芝元:えー!いいなあ。なかなか大使館に行ける機会って無いよね。
Kさん:うん!あ、それとちょっと関係ないけど、外大に入ってよかったなって思うのが、大使館に遠慮なく行けることかな。
芝元:なるほど!チェコ大使館に行ったことはあるの?
Kさん:チェコ科のみんなで料理店の準備のためにチェコ大使館に行ったことがあるよ!
芝元:え!凄い!それはどういう流れで?
Kさん:代によって違うんだけど、どこかの代が大使館に料理を教わりにいったって聞いて、私たちの代もできるかも!ってなった。ほぼ毎年チェコ科の卒業生が大使館に一人くらいいるのよ。それでネイティブの先生にその方を紹介してもらって、行きたいんですけどいいですかって連絡とった。それでみんなで大使館専属のシェフのもとに行って、料理の作り方を教えてもらうみたいな。普通に生きてたら大使館に行くことなかなかないし、そういう貴重な経験が出来るのが良いことだよね。
芝元:たしかにー!
☆次回!チェコ科後編!
―先生に「面白い」と評されたKさんの卒論テーマ(仮)とは?
―チェコ語は活かす?インタビュアー芝元驚きのKさんの将来の予定!
―本ブログ校閲メンバー全員が唸った綺麗でギルティー!憧れのチェコ旅!
などなど内容盛りだくさんです!明日更新!ぜひご覧ください!
文責:芝元さや香
(インタビュー実施日:2020年9月23日)