東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ピョートル大帝のステーキ Мясо по-петровски

Здравствуйте!

好きなロシア料理はブリヌイ。どうも、しおりです!

 

さて皆さん、料理してますか?

私はたまにします。

小学生のころは、スーパーにおいてあるレシピカードを集めるのが趣味でした。

(なおその時は集めるだけで作ってはいなかった模様)

腕前は

どんな食材も消し炭にしてしまう悪魔の手……ではなく

食べた人が感涙にむせび泣く料理を生み出す神の手……でもなく

つまるところ普通です。いたって普通。ノーマル。

これでも一応料理をするのは好きなんですよ。

何を作ろうか考えるのは楽しいですし、作っているときのわくわく感!いいですねぇ

後片付けはめんどくさいですけど(笑)

 

そんなこんなで『きょうはロシア料理』という本をパラパラ見ていたら、気になる料理を見つけてしまいました。

 

ピョートル大帝のステーキ Мясо по-петровски

 

ピョートル大帝はロシアの西欧化を推し進めた皇帝です。皇帝なのに自ら西欧に視察に行って、労働に参加させてもらったという破天荒エピソードで有名なお方ですね。西欧化改革による国力の強化に加え、北方戦争(1700~1721年)でスウェーデンを破ってバルト海沿岸まで領土を広げたことで、ロシアの大国としての地位を固めました。そして、自らの名前を冠した街ペテルブルク(現在のサンクト=ペテルブルク)を建設し、モスクワから遷都しました。大帝と呼ばれるだけあって偉大な方なのです。この辺りはバリバリに世界史のテストに出るので、覚えておきましょう。

 

そしてこの問題のステーキ、なんと後に皇妃となるエカチェリーナ1世ピョートル大帝の胃袋をつかんだ料理なんだそうです!何それ!食べてみたい!

 

というわけで作ってみました。そのレシピをご紹介したいと思います。

※ちなみに、材料はうちにあるもので代用できそうな場合は若干レシピからアレンジしてあります。作業時間に関しても、時間がなかったので短縮しました。もどきやないか!と言われればそうです。ごめんなさい。オリジナルのメニューでちゃんと作りたい方は本をご参照くださいね。

それではれっつごー!

 

 

≪材料≫三人分

ステーキ用の牛肉…300g

牛乳…100cc

玉ねぎ…1/4

 

A とろけるチーズ…55g

マヨネーズ…大さじ3

パセリ…適量 みじん切りに

 

トマト(5㎜幅程度の輪切り)…8切くらい

パプリカ・しいたけ・人参…付け合わせ用に適量。私は塩コショウで炒めました。

 

 

≪作り方≫

①   牛肉の両面に塩コショウをふり、牛乳に1時間半ほどつけておく。

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②   別のボウルでAを合わせて混ぜておく。

③   ①の牛肉の両面をフライパンでさっと焼く。

④   牛肉の上に玉ねぎをのせ、その上にAをのせ、20分ほどおく。

f:id:tufs_russialove:20200608192545p:plain⑤   オーブンを170度に予熱する。

⑥   ④にトマトをのせ、オーブンで16分焼く。ステーキの焼け具合がいい感じになったら盛り付けて完成‼

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出来上がりはこんな感じです。

でんっ!

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チーズがいい感じにお肉に絡んでとってもおいしい!トマトが程よくさわやか‼大満足の一品でした。おいしかったー‼みなさんもぜひ作ってみてください‼

 

 

と、ここまでやってからふと気になったんですよね。これ、有名なロシア料理なのだろうか……?

というわけで、Google大先生に「Мясо по-петровски」と聞いてみたんですよ。

そうしたら……

んんーっ?レシピのと形状が全然違う……?

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出典:https://povar.ru/recipes/myaso_po-petrovski-15134.html

お皿に盛られている写真もありましたが、上の写真のようにつぼや鍋に盛られているのが多数派でした。ロシア語のレシピでは焼いた牛肉をつぼ・鍋に入れ、ドライマッシュルームとタマネギに小麦粉を加え煮込んだもの(レシピによってはトマトやジャガイモを入れたりもしていた)を牛肉の上にかけ、スメタナをかけて完成!という感じのものが多かったです。(私のロシア語力を信じるかどうかはあなた次第)

 

ううむ……とりあえず平たく切って叩いた牛肉の上に、乳加工製品をのせて完成する料理ということで、同じ料理と言っていいでしょう(やや暴論)おいしくできたのでよしってことにしておいてください(笑)



ちなみに六本木にあるおいしいベラルーシ料理のお店『ミンスクの台所』

http://restaurant-minsk.tokyo/menu.php

の“ピョートル大帝のステーキ”は、今回私が作ったものと似たような形です。

このお店、すごくおいしいのでお勧めです!

 

ロシア人の友人に、Мясо по-петровскиって知ってる?と聞いてみたところ

知らないといわれました(笑)残念。マイナーな料理なのかな?

 

その友人がググってくれた情報によると、ロシア連邦に属するカレリア共和国の料理なんだそう。カレリア共和国は、世界遺産に登録されている木造教会建築群が有名なキジ島があるところです!すごい!行ってみたかったところ!

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出典:https://www.tumlare.co.jp/guide/russia/kizhi/

いつか本場で本物のМясо по-петровскиを食べたいと思います。

しおりのロシア料理修業はまだまだ続く……

 

それではまた!Пока!

 

 

しおり

 

 

【参考文献】

詳説世界史 山川出版

総合世界史 河合塾

最新世界史図説タペストリー 十三訂版 

きょうはロシア料理 加藤美由紀 文化出版局

 

*今日のロシア語*

мясо(ミャーサ)

 意味:肉

Пётр Великий(ピョートル ヴェリーキー)

 意味:ピョートル大帝