東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

エカチェリーナ宮殿

 

Здравствуйте! (こんにちは!)

言文4年の長谷川公樹です!

 

次第に暖かいお日和が増えてきたかなと思ったら、急にまた冷えて悪天候が続いていますね。

サンクトペテルブルグの方は、晴天が続いていて気温も20度を上回るようになっているそうです。

 

あの寒かったサンクトペテルブルグにいた頃から月日が経ったことが思い知らされる今日この頃です…

 

今日は、サンクトペテルブルグの観光地紹介第三弾として、エカチェリーナ宮殿をご紹介していきます。

 

  • エカチェリーナ宮殿

この宮殿は、サンクトペテルブルグの中心部の南に位置するツァールスカエ・セロー(Царское Село)という町にあります。中心部から列車で1時間半ほどかかります。

この宮殿は、エカチェリーナ2世が夏の避暑のため、1717年に建てました。その後、後の皇帝たちによって増築が繰り返され、1756年に全長325メートルのロココ様式の壮大な宮殿が完成しました。

高校で日本史を学んだ人は、大黒屋光太夫を覚えているでしょうか?彼が帰国の請願のため、エカチェリーナ2世に謁見した場所でもあります。

壁面の色は、エルミタージュと同じ爽やかな空色。曇りが多いサンクトペテルブルグでは、この色が見たくなります。

(横に広すぎて、一枚の写真に写しきることができない…)

 

 

 入場すると、来場順に20人程のグループにまとめられ、ガイドさんの解説付きで内覧ツアーが始まります。

まず最初に入るのは、この宮殿の中心に位置する階段。

白地に真紅のカーペットとカーテンの組み合わせが非常に美しいです。

 

そして、このどこまでも続く通路。

  ここを通ると、美しい大広間が現れます。

寄木細工のような床と、壮大な宗教画が描かれている天井、そして金色に輝く壁と窓に囲まれた空間は圧巻です。

 

エカチェリーナ宮殿の中で最も美しい部屋、それは「琥珀の間」です。

この壁を彩っている深い金色が琥珀です。琥珀とは、天然樹脂の化石のことです。

ピョートル大帝が当時のプロイセン王から贈られた「琥珀の部屋」の装飾がこの部屋の装飾のもとにもなっています。その後、一旦はエルミタージュの冬宮の装飾として使用された後、エカチェリーナ2世の時代に、この宮殿に設置され、「琥珀の間」が完成しました。エカチェリーナ2世は、この部屋をこよなく愛したそうです。

 

しかし、現在の琥珀の間は、当時のものではありません。残念ながら、第二次世界大戦でナチス軍によって、琥珀の間の装飾は略奪され、その後空爆にあって消滅したとされています。

   終戦後、エカチェリーナ宮殿の大規模な修復が行われ、琥珀の間は、2003年に24年もの歳月をかけた復元が完了しました。

 

 他にも、食事やチェスを楽しんだ部屋、書斎など、大小様々な部屋が無数にあります。

(この2部屋が僕のお気に入り。壁に並んでいるラインが美しい。)

 

また、当時の衣装や家具、食器の展示も充実しています。

エカチェリーナ2世のドレス

 

エカチェリーナ宮殿はいかがだったでしょうか?ロマノフ王朝の贅を尽くした宮殿は必見です。

 

建物の裏から撮影したエカチェリーナ宮殿

 

これからの梅雨の時期は、気象病にかかりやすいようなので、皆様も体調にお気をつけて〜。

 

来月もサンクトペテルブルグの観光地を紹介していきたいと思います。

 

До встречи!(ダ・フストレーチ)「またお会いしましょう!」

 

文責:長谷川公樹

 

きょうのロシア語:

дворец(ドヴァリェーツ)意味:宮殿

Екатерининский дворец(エカチェリーニンスキイ ドヴァリェーツ)

意味:エカチェリーナ宮殿

 

宮殿の公式サイト

www.tzar.ru

エルミタージュ美術館

Здравствуйте! (こんにちは!)

言文4年の長谷川公樹です!

 

新入生は、そろそろ大学の授業に慣れてきた頃でしょうか?

 

今回取り上げるのは、世界四大美術館のひとつ、エルミタージュ美術館です。

 

 

私は、サンクトペテルブルク大学に留学中に3度この美術館を訪れました。

この記事では、世界屈指の壮麗なるギャラリーの魅力を、ごく一部ですが、皆さんにご紹介します。

 

  • 概要

 

エルミタージュ美術館は、ロマノフ王朝の女帝エカチェリーナ2世による西欧画コレクションを中心に、西洋から中東、東洋まで様々な地域、年代の展示品約310万点あまりが収蔵されています。(ロシアを代表する美術館ですが、ロシアの画家や作家の作品が中心ではありません。代わりに、同じサンクトペテルブルクのロシア美術館やモスクワのトレチャコフ美術館がロシアを代表する画家たちの作品を多く取り揃えています。)

では、まずその歴史を簡単にまとめます。

 

<歴史>

 

1754年

メインの館である「冬宮」がエリザヴェータ女帝により建設が開始。

1764年

 エカチェリーナ2世により、西欧絵画225点が搬入され、彼女のコレクションが始まる。同年、「エルミータジュ」と命名。「エルミタージュ(Hermitage)」は、もともとフランス語で「隠れ家」を意味する。

1859

一般公開開始

1917

ロシア革命によりロマノフ王朝滅亡。

十月革命で、冬宮が襲撃される。

1920

個人コレクションは国有化される。

1930年代

ソ連政府が外貨獲得のため、一部の作品を国外に売却。

1941年

第二次世界大戦の戦火を避けるため、コレクションをウラル地方に避難

2014年

本館の向かい側に立つ旧参謀本部内に別館がオープン。

 

  • 展示品

【本館】

エルミタージュの目玉は、なんといってもエカチェリーナ2世が収集した西欧美術と言えるでしょう。

展示されている数ある絵画の中で、最も価値のある作品の一つが、レオナルド・ダ・ヴィンチ作「リッタの聖母」です。

 

 

その隣には、同じくダ・ヴィンチ作の「ベヌアの聖母」が飾られています。

 

他にもラファエロやレンブラント、ヴェラスケスなど、中世の西欧を代表する画家たちの名画が数多く展示されています。

 

コレクションは絵画だけではありません。美しく装飾の施された食器コレクションや、古代ギリシャやローマの彫刻、中東から東洋までのいろんな国々や民族の衣装や武器、貨幣まで、古今東西、世界のあらゆる品々がコレクションされています。

 

 

からくり時計「孔雀」…1770年代にエカチェリーナ2世が英国の時計職人ジャームズ・コックスに作らせた。エルミタージュを代表する作品のひとつ。

 



 



【別館】

一方で、別館の方には、ルノワールやモネ、ゴッホやゴーギャン、ピカソ、セザンヌなど、近代西欧美術のほとんどの巨匠の作品を多く取り揃えております。

 

 

クロード・モネ「庭の女性」

 

  • エルミタージュの魅力

 

この美術館の魅力、それは展示作品よりも、エルミタージュそれ自体です!(僕個人の感想です)

エルミタージュは、元々は美術館ではなく、ロマノフ王朝の皇帝たちのための宮殿でした。なので、建物内の階段、回廊、広間…全てが絢爛豪華に装飾されています。

そして、4万6,000平米(東京ドーム約1個分)という広さ。

 

そんな、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館でしかできない特別な体験….それは、美の迷宮で迷子になることです!

もちろん、初めは構内地図を確認しながら進みますが、あまりにも部屋数が多いため、どこかで道に迷ってしまいます。進んでも進んでも未知の部屋ばかり…

 

では、壮麗なエルミタージュの内部をご紹介しましょう。

 

 

 

【本館】

 

「大使の階段」入場ゲートを通ると、まずここから、2階へと進みます。



「黄金の客間」

 



 

「玉座の間」

 



永遠に続く回廊もワクワクします。

「ラファエロの回廊」

 




2階は、これまでの写真に写っているように、中世ヨーロッパの風の部屋で構成されていて、その多くがロマノフ王朝の皇帝たちの仕事場となっていました。

しかし、階段で1階へ降りると…

 



世界観は打って変わって、古代ギリシャやローマの彫刻たちが現れます。

 






私は、二日かけて、エルミタージュの9割以上の部屋を通過することができました。(全作品を鑑賞できたわけではない)

 

ほとんどの部屋に共通して言えることは、天井が美しいということです。無数にある部屋の天井に、それぞれ別々のデザインの装飾が施されています。

※シャンデリアは下から撮っても綺麗です。

 

 



ちなみに、エルミタージュには3階もあります。3階は、あまり装飾の豪華な部屋はなく、質素な部屋が並んでいます。

展示物は、極東から中央アジア、中東などから収集されたものや貨幣コレクションなどです。もちろん、日本の美術品やコインも陳列されています!(例え展示品であっても、日本から遠く離れた地で、日本の品に出会うと嬉しくなります。)

 

 

 

【別館】

2014年にオープンした別館の方は、宮殿である本館とは打って変わって、とても現代的なデザインになっています。

本館の向かい側にある旧参謀本部建物の向かって左半分が別館となっています。

 

 

一見すると、3階建てのシンプルな造りに見えますが….

内部は、あたかもS F映画のセットのような広い空間が広がっています。

 

 

  • まとめ

 

さて、エルミタージュ美術館に行ってみたくなりましたでしょうか?

エルミタージュの展示を全て制覇するには、何週間もかかると言われています。3回しか訪れていない私でも、皆さんに紹介したい展示や部屋は他にも山ほどありますが、今回は一部だけ紹介させていただきました。

一刻も早く情勢が落ち着いて、再び日本人もエルミタージュの作品に出会える日が戻ってくることを切に願っています。

 

До встречи!(ダ・フストレーチ)「またお会いしましょう!」

 

文責:長谷川公樹

 

 

今日のロシア語

музей(ムゼーイ)意味:博物館、美術館

картина(カルチーナ)意味:絵画

Эрмитаж(エルミターシュ)意味:エルミタージュ美術館

マリインスキー劇場ツアー

Здравствуйте! (こんにちは!)

言文4年の長谷川公樹です!

 

新入生は、そろそろ所属する部活やサークルが決まった頃でしょうか?

僕たちリュボーフィにもたくさんの新入生が入ってくれました!

 

私が3年前の新入生だったときを振り返ると…「ロシア・バレエを研究したい!」という強い思いで入学したことを覚えています。

 

そして、今年の2月、遂に現地でバレエの殿堂マリインスキー劇場に通うという念願の夢を達成することができました。

 

そこで今回は、私が新入生のときに夢見ていたマリインスキー劇場を皆さまに紹介したいと思います。

 

芸術大国ロシアにおいて、サンクトペテルブルグに建つマリインスキー劇場は、モスクワのボリショイ劇場とともに双璧をなす美の殿堂です。

 

www.google.com

僕は、年明けに行った1ヶ月間の留学でバレエ8作品、オペラ4作品をこの劇場で観ました。

 

Ⅰ 歴史

 

マリインスキー劇場は帝政ロシア時代の1783年に創立しました。「マリインスキー」という名は、アレクサンドル2世の妻マリア妃に因んでつけられました。

«Мариинский Театр»=「マリアの劇場」

現地では、 «Мариинка»(マリインカ)という愛称で親しまれています。

ソ連時代は、「キーロフ劇場」という名称を用いていたため、僕らの親の世代の間では、「キーロフ」の名で知られています。

 

マリインスキーでは、毎日、バレエやオペラ、オーケストラの公演がフル稼働で催されています。その中でも、マリインスキーは特にバレエにおいて高い評価を得てきました。

バレエ史の上では、マリウス・プティパとレフ・イワーノフによるチャイコフスキー3大バレエ(「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」)が初演されたことで有名です。

さらには、ニジンスキーやアンナ・パヴロワ、ガリーナ・ウラーノワ、ルドルフ・ヌレエフ、ミハイル・バリシニコフ…..といった近現代のバレエ史に名を刻む名ダンサー、いや「伝説」を生んできた劇場でもあります。

 

 

Ⅱ 3つの劇場

マリインスキー劇場は、元々は本館のみでしたが、2006年にはコンサートホール、そして2013年にMariinsky 2 と名付けられた新館が完成しました。

 

マリインスキー劇場本館

コンサートホール

マリインスキー2



マリインスキー本館では主にバレエやオペラの古典作品、マリインスキー2では比較的新しい時代に演出されたバレエやオペラ、そしてコンサートホールでは、マリインスキー劇場管弦楽団によるオーケストラのみのコンサートや、小規模のコンテンポラリーダンス、オペレッタが上演されています。

 

Ⅲ マリインスキー劇場で観劇しよう。

 

⑴チケットを買う。

チケットの買い方には、主に3つあります。

・マリインスキーのHPで買う

・劇場自体のエントランスや、ネフスキー通り沿いにある窓口で買う

・滞在しているホテルのフロントスタッフに頼んで買う

 

私が最もお勧めするのは、HPで買うことです。

 

www.mariinsky.ru

 

会員登録をすれば、座席表から好きな席を選んで、カード決済をすれば簡単に購入することができます。メールで、公演名とバーコードが記載されたPDFが送られて来るので、それを入場の際に提示します。

ちなみに、なぜ窓口やホテルで買うのをお勧めしないかというと、どこにどれくらい残席があり、どのような値段で売られているのか、全体像を把握することができないからです。特に、座席の「値段」は日本よりもずっと複雑で、1列ごとに値段が変わってくるブロックもあります。ですので、HPで残席と値段が記された座席表を見て、自分のペースでゆっくり検討するのが良いと思います。

※マリインスキーの窓口で発券されるチケットは紙ペラですが、ボリショイ劇場の窓口では、赤地に金色のラインが入ったゴージャスなデザインのチケットを渡されるので、ボリショイに行く場合は、敢えて窓口で買うのもいいかもしれません。

 

「値段」と聞くと、バレエやオペラは大変高額なのでは?と思う方が多いのではないでしょうか。日本で観ると確かに高いですが、マリインスキーは芸術監督を務める世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフの方針で、比較的安価に超一流の舞台を楽しむことができます。通常の相場では、最上階の最も安い席で、約1,500円〜3,000円程度で楽しめます。

さらに、学生や、公立の学校に務める教職員向けの割引もあります。僕は、サンクトペテルブルグ大学の担当教員の方のご厚意で、その割引を使わせていただき、通常の半額以下の値段(約3,000円)で1階席からロシアで最高峰のバレエを楽しむことができました。

 

⑵入場の流れ

 

では、マリインスキーに向かいましょう!

マリインスキーは、ロビーの展示やショップ、ビュッフェが充実しているので、開演の30分前には現地に到着するといいでしょう。

西欧の劇場とは違い、ドレスコードはないので、服装はなんでも大丈夫です。しかし、やはりバレエやオペラを観る場ですから、ある程度お洒落な着こなしの人が多数派です。

 

①エントランス

 

入場の際、日本と大きく違う点が手荷物検査です。リュックなどの大きな荷物は、スキャンをされた上で中身を確認されますし、ポケットから財布やスマホを出して、金属探知機を通らなければなりません。そこで手間取ってしまうと後ろの人を待たせてしまうので、予めポケットの中身や荷物の中身は取り出しやすいように整理しておきましょう。

 

②クローク

 

無事にエントランスを突破したら、次は真っ直ぐクロークに向かわなければいけません。日本では、クロークの利用は任意ですが、ロシアでは、劇場や美術館では必ずコートや大きな荷物はクロークに預けなければ、ロビーを散歩することもできません。ただし、貴重品は持ち歩かなければいけないので、小さなポシェットやショルダーバックを持って来る人が多いです。

 

クロークの場所は、新館とコンサートホールは1箇所に集約されているので分かりやすいですが、本館は各階に点在しています。自分の席の階のクロークに預ける決まりになっているため、預ける際もチケットを確認されます。

 

プログラム

 

荷物を預けたら、次はプログラムを買いましょう。プログラムの売り方も日本とは異なり、各界に立っている何人もの案内係が売っています。マリインスキーの場合は、薄い冊子で、1部約150円と大変安価です。

 

ロビー、ショップ

 

開演前までの間は、ロビーの展示を眺めたり、ショップでお土産を見たり、美しい会場内の写真を撮ったりして過ごしましょ

 

ショップは、本館には2箇所、新館とコンサートホールに一緒ずつあります。その中では、新歓のショップが最も広くて品揃えが良いです。

舞台写真のポストカードから、Tシャツ、カップ、文具、バッジ、バレリーナの人形、書籍、公演DVDやCDが売られています。公演DVDなどのグッズは日本で購入するのに比べ半額未満の格安で手に入れることができます。

僕もたくさんお土産を買いましたが、特に気に入っているのが、マリインスキー劇場のペーパークラフトです。

 

⑤場内

ではホール内に入りましょう。

いずれのホール内も非常に美しいのでたくさん写真を撮りましょう。

本館

マリインスキー2

コンサートホール

 

マリインスキー本館の方には、人気の撮影スポットがあります。Балкон(バルコン)と呼ばれる上層階の正面です。

 

人気のフォトスポットで、休憩中は写真撮影の行列ができるので、開場中の空いているときに撮影を済ませましょう。

 

⑶開演

マリインスキー劇場では、開演までにベルが3回鳴ります。

3回目の開演直前のベルが鳴るまでには自分の席に着くようにしましょう。

なんと、マリインスキーの場内に入る扉には、ロビー側から勝手に開けられないようにドアのノブが付いていません!入る前に閉められてしまうと、鍵を持っている係が来るまで開けられないので、気をつけてください。

 

日本とは異なり、開演しても他の観客がお喋りを続けていたり、堂々と撮影をしていたりしています。頑張って集中して鑑賞しましょう(笑)

 

⑷終演時

 

なんとカーテンコールは撮影可です!ぜひ鑑賞の思い出に、カーテンコールを撮影しましょう!

バレエ「眠りの森の美女」

オペラ「イーゴリ公」

夜公演の場合は、終演が23時近くになることもあります。夜道は、無理せずタクシーで帰るのがお勧めです。

 

 

マリインスキー劇場ツアーはいかがだったでしょうか?

 

今は、日本の若者がマリインスキーで至高の舞台を観れるような世界が早く戻ることを祈るばかりです。

 

みなさんも入学時の夢をどんどん叶えていってくださいね!

 

До встречи!(ダ・フストレーチ)「またお会いしましょう!」

 

長谷川公樹

 

今日のロシア語

спектакль(スペクタークリ)意味:演劇

театр(チアートル)意味:劇場

ぶらりКоломенское (カローメンスコエ) 散歩



Здравствуйте (ズドラーストヴィチェ)! こんにちは!

ロシア専攻4年の芝元です!

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

春は色んな植物が輝いていて、晴れやかな気持ちになりますね☺️
暖かい日はぶらぶら歩くだけでも楽しいです。

そこで今回は、モスクワにあるお散歩にピッタリな公園Коломенское (カローメンスコエ) をご紹介したいと思います✨

この公園はモスクワの南部に位置しており、Коломенская (カローメンスカヤ) 駅から歩いてすぐのところにあります。

 

緑の太枠の中がКоломенское (カローメンスコエ) 公園です。地図で見ても分かるように、とても広いです。

便宜上「公園」と書きましたが、厳密には複合施設で、公園だけではなく教会や宮殿などからもКоломенское (カローメンスコエ) は成り立っています。


Коломенское (カローメンスコエ)といえば…

 

こちらのцерковь Вознесения (ツェールカフィ ヴァズニェシィェーニヤ) という教会が有名です。
先の尖った八面体の屋根が特徴的です。

1994年にはユネスコの世界遺産にも登録されました!

この教会自体は1528年〜1532年に、イタリア出身の建築家によって建てられたとされています。ちなみに、彼はモスクワのキタイゴーラドの壁を作った人でもあるそうです!

 

また、Дворец царя Алексея Михайловича (ドヴァリェーツ ツァリャー アレクシィェーヤ ミハイーラヴィチャ)という宮殿も有名です。

この宮殿は過去に老朽化によって取り壊されてしまったのですが、その際に職人たちが残した図面のおかげで現在は復元されています。

このдомик царя Петра Алексеевича (ドーミク ツァリャー ペトラー アレクシィェーヴィチャ)という家も有名です。

1702年の夏に、アルハンゲリスクに要塞を建設している間、2カ月半ほどピョートル1世がここで暮らしていたようです。

 

最後に余談

公園の中に自動販売機がありました!
お釣りのところを見ると日本語が!

 

見つけたときはなんだか同郷の人に会ったかのような気持ちになりました笑


いつかモスクワを訪れた際はぜひこの公園に立ち寄ってみてください☺️
自動販売機もぜひ見つけてみてください〜!

それでは!さようなら!Пока (パカー)!

芝元さや香

今日のロシア語

парк (パールク)
意味:公園

церковь (ツェールカフィ)
意味:教会

дворец (ドヴァレーツ)
意味:宮殿

царь (ツァーリ)
意味:ツァーリ、皇帝

«参考サイト»

http://Парк Коломенское (kolomenskoe.su)

 
(最終閲覧日:2022/04/21)

Церковь Вознесения (mgomz.ru)
(最終閲覧日:2022/04/21)

ロシアの絵本 麗らかな童話の世界

Здравствуйте!(スドラーストヴィチェ)こんにちは、りん です。

 

だんだんと暖かくなってきましたがまだまだ寒い日も続きますね。

なので!一足先に春の陽気を感じてみませんか?今回紹介するのはロシアの絵本です。暖かなストーリーや色彩、柔らかな雰囲気…絵本を読めばきっと心も温まりますよね。

 

日本でも有名なロシアの絵本といえば『おおきなかぶ』、『てぶくろ』あたりでしょうか。『おおきなかぶ』は大きなカブを引っこ抜くためにおじいさんやおばあさん、動物たちが力を合わせるお話で、『てぶくろ』は落ちている手袋にねずみやきつねがもぐりこんでギュウギュウになるお話ですね。

 

有名どころもいいですがロシアには素敵な絵本がもっとたくさんあります!今日はそのうちの一部を紹介したいと思います。

 

 


こちらは СКАЗКИ СТИХИ(スカースキ スチヒー)、直訳すると「詩の童話」というタイトルでしょうか。

ほぼすべての見開きに美しい挿絵が入っていて、とてもイラストにこだわりを感じる絵本です。

 

中を覗いてみると…

うーん、コミカルなタッチや鮮やかな色彩でなんともかわいらしい絵が盛りだくさんです。2枚目の人々の服装は何ともロシアっぽいですね。

 

そして今回紹介する一編は «ЧУДАКИ»(チュダーキ)、「変わりものたち」といった意味ですかね。

 

このお話を私が何とか和訳してみますと…

 

 私は3人の変わりものを市場へやった。

 変わりものにはコインを持たせた。

 一人にはベルトを買ってくるように。

 もう一人には帽子を買ってくるように。

 あとの一人は取っておくように、と。

 

 市場への道すがら変わりものたちはコインをごちゃまぜにしてしまった。

 どのコインでベルトを買うのか。

 そのコインで帽子を買うのか。

 そしてどのコインは取っておくのか。

 

 変わりものたちは夜中にやっと帰ってきた。

 コインを私に返して言った。

 「すみませんが困ったことになりました。

 どのコインを何に使うのか忘れてしまいました。

 どのコインでベルトを買って、

 どのコインで帽子を買って、

 どのコインは取っておけばいんでしたっけ?」

 

コインはどれも同じもの、500円玉を3枚渡したようなものなのにどのコインがどれなのかわからなくなるなんて!

まあ何ともおまぬけでかわいらしい話だと思いませんか?挿絵を見ても、右ページの3人からは「え~っとこのコインなんだっけ?」とでも言っていそうな表情が読み取れます。左ページにある影は3人をおつかいに出した「私」でしょうか。顔は見えませんがビックリしているのがひしひし伝わってきます。3人の気が抜けた顔もじわじわきますね。

 

以上!ロシアの絵本の紹介でした。日本で有名でなくとも素敵な作品がいっぱいあること、ちょっとでも感じてもらえたらうれしいです!

 

(文責:りん)

画像は全て筆者撮影

 

今日のロシア語:рисунок(リスーナク)意味:絵

観劇レポート 劇団コンツェルト「夜明けの星たち」

Здравствуйте!(ズドラーストヴィチェ!:こんにちは) りん、です

さる2月25に私はロシア語劇団コンツェルトさんからご招待をいただき、観劇してまいりました!

 

(ロシア語劇団コンツェルト:全編ロシア語の演劇に挑戦している早稲田大学公認のインカレサークル。夏はその年に入団した団員による新人公演を、冬は全団員による本公演を行っている。今回の本公演は51回目!)

 

 

twitter.com

 

 

今回の演目はアレクサンドル・ガーリン著の「夜明けの星たち」。1980年のモスクワオリンピックに先だって街から排除された娼婦たちが主人公で、彼女たちが「希望」を探す物語です。

 

会場は早稲田大学の学生会館、施設内でちょっと道に迷いながらもたどり着き座席へ向かいます。バラックを模した舞台を除いて真っ暗な室内ではチカ…チカ…と揺らめく裸電球が印象的に輝いていました。ステージの奥には日本語字幕を表示するモニターもあり、舞台美術の精妙さにも驚かされました。

 

さていよいよ開演!とはいえ、私自身が芝居や戯曲には親しんでいない人間なので物語や演出に触れるのは力不足でしょう。素人目にみても素晴らしかった演技のことを思い切り語ります!

 

全編ロシア語劇ということで最初に注目したのはロシア語でした。まず発音が素晴らしいのなんの。細かいところまで流暢で、観劇にノイズを生んでいませんでした。

 

劇を観ているうちに次第に演技にも目が向きます。怒ったり笑ったりしている声のトーン、お酒を飲んでおどけたり悲痛に叫ぶ表情、そしてひきつけを起こしたり足を引きずって苦痛を訴える身体の動き…

 

モニターに日本語で映し出されている言葉の意味が、発せられる声以上に体全体で表現されていることにだんだんと気づきました。まるで鬼気迫るような演技の迫真性が言語を超越してダイレクトにそこで起きていることを伝えてくるようです約100分間にも及ぶ劇をすべてロシア語でやり切るというのはすさまじいものですが、そこだけに注目するのも表面的でもったいないと感じました。リアルなセットと役者の芝居でどんどん劇の世界観に没入できます。衣装やメイクにもこだわりを感じます。傷のメイクがすごく痛そう!

 

100分があっという間に過ぎてカーテンコールを迎えた時もなかなか現実に戻り切れずにいました。たった1回の公演なれども印象に残ったキャラクター同士が仲良くあいさつしてくれる演出はやっぱりいいですね、ファンサービス的なものを感じます。

 

以上、拙い文章でしたがコンツェルトさんの観劇レポートになります!

今後も素敵な公演が行われることうけあいですので皆さんもぜひ足を運んでみてください!

 

www.youtube.com

 

今日のロシア語

спектакль(スピクタークリ)意味:演劇

браво(ブラーヴォ)意味:ブラボー!

ロシア語を選んで残念だったなんて言わせない−大学4年生の一年間を振り返る−

こんにちは、ロシア語科4年のりおです(^_^)

今回のテーマは「今年一年の思い出」ということで、大学4年生の一年間を振り返ろうと思います。まるまる自分語りになってしまいますが、進路に迷っている誰かの役に立つかもしれないと信じて、飾らず本音ベースで綴ります。

 

春学期

4年生の春学期は、大学4年間で一番慌ただしく、なにか結果を残そうと必死になっていた時期だったと思います。

4月初めの頃、「大学院に行きたい」と指導教員の先生に告げました。じつは、この言葉を発したときに院進を決意したようなもので、心の中では自分の進路について大きな葛藤を抱えていました。というのも、私はもともと院進せずに学部を出てすぐ就職する予定でいました。大学院を考え始めたのは、学部中にコロナの影響で長期留学が叶わなかったことをきっかけに、大学院で研究留学をすることに興味を持ち始めていたからです。さらに正直に打ち明けると、この情勢で大学生のうちにやりたかったこと(特に留学)が達成できず、このまま就職するにはあまり気が乗らなかったという理由もあります…(笑) それでも自分で院進を決めたからには研究に打ち込みたいので、院試の準備をしながら自分の気持ちを意識的に切り替えていました。こんな私でも指導教員のおかげで大学院入試には無事に合格することができたので、支えてくれた家族や先生には本当に感謝しています。

 

もう一つ同じ時期に頑張っていたのは、ロシアの大学のオンライン留学です。平日の夕方以降、外大の授業と並行してロシア語の授業を受けていました。授業内容はやや難しく、ちょうど院試準備の時期とも重なっていたので、この時は精神的・体力的にきつかった覚えがあります…(笑) どうしても気持ちが追いつかず、授業を休んで休息をとったこともありました。今振り返れば留学先の先生にもたくさん気遣ってもらっていたと思います。ロシア語学習に関しては決して得意なほうではなくコンプレックスもありましたが、ちょうどオンライン留学の終わりに参加したロシア語作文コンクールで入賞で優勝できたことで少し安心できました。成果を出すことにこだわりすぎると疲れてしまいますが、たまにこのような機会に認めてもらえるとモチベーションが上がりますね。

 

他にも、息抜きとして(?)ロシアサークルの運営や卒論に向けた資料収集にも取り組んでいました。私は物事の優先順位をつけるのが苦手でなんでも全力でやりたいと思ってしまうタイプなので、燃料が切れて空を見上げることも多々ありました(笑) そんなときは「こんなに難しい状況でも頑張ってる私は偉い!」と自分を褒めて鼓舞していました。懐かしい…。

 

夏休み

怒涛の勢いで駆け抜けた春学期が終わり、夏休みはいろんなことを調整する時期になりました。自動車学校に通ったり、ロシア料理屋さんのアルバイトを頑張ったり…4年生にもなって今更ですが、ごく普通の大学生の夏休みでしたね(笑)

 

さらっと夏休みの2ヶ月半を振り返ってみます。

7月は日露交流事業のロシア・ミッションに挑戦し、選抜を通過して本企画の準備をしていました。本来はモスクワとペテルブルクに行ってロシア人学生と両国の政治や経済について議論したり一緒に観光したりすることができるのですが、残念ながらコロナの影響で渡航中止になってしまいました。この時はすでに留学中止を経験してメンタルが強化されたのか、まあこういうこともあるよねと割り切れていました(笑)

8月は、初めてロシア語検定ТРКИ(ロシア連邦教育科学省認定)を受験しました。結果はやや惜しくも不合格でした(笑) 私が受けた第二レベルはロシア語専攻4年生にとってはそれほど困難なレベルではないはずなので少し悔しい気持ちもありますが、当時は勉強不足だとわかっていたのでまあ落ちるよねというのが正直なところです。自分の今の実力を受け止めて、ゆっくりですが上達していきたいです。

9月頃からは卒論に向けて先行研究を調べたり、ほんのちょっとだけ書き始めたりしていました。春頃には執筆テーマをロシア現代美術と決めていたので、動き出しはまずまずだったと思います。

 

秋学期

秋学期は、なんといっても卒論執筆に没頭した時期でした。初めはまずまずだったのに、思うように資料が集まらなかったり、自分の論理構築が甘いことがわかったりして結構苦労しました(泣) 外大生のくせにロシア語や英語の外国語文献をフルに使えなかったことなど反省点も多いですが、初めての論文を期限内に出せたということで、自分の中では合格点にしています。大学院ではもっと入念に準備して頑張りたい…。

 

また、10月にはロシア語検定(東京ロシア語学院主催)を受験しました。この時は、前の年に受けて落ちていた2級に合格することができました! たくさん過去問を解いて準備していたので、素直に嬉しかったです。ちなみに併願していた1級はしっかり落ちました(笑)

 

このようにして、秋学期もなんだかバタバタしているうちに終わってしまいました。4年生にもなって履修は必修を何コマか残していたので、これを落とすと卒業できないぞ…と思うと常に緊張感がありました(笑) 計画性がないのも今後の課題点ですね。

 

冬休み

私は冬休みから就活を始めることを以前から決めていたので、この時期は就活関係を中心に自分の将来について考えていました。私と同じ卒業年度で就活を始めている人が周りにいなかったので、SNSを通じて就活友達を作ったりしていました。すると上には上がいるもので、学部1年生の時から就活を始めているハイスペックな人はいくらでもいるんです。顔も名前も知らない他の人と自分を比べて、勝手に焦ったりしていました(笑) 馬鹿だな〜。

 

ここ2,3年を振り返ると、とことんコロナに振り回されたなというのが正直なところで、外大に入る一番の目的だった留学を叶えられなくて本当に悔しいです。ここで切り替えられるかが大事だと頭ではわかっていても、やっぱり心がついていけなくて、自分の諦めの悪さを呪いたくなります…。今回のウクライナ侵攻に関しても、まだ頭の整理ができていません。きっと多くの方と同じように、毎日ニュースを見て悲しい気持ちになっていました。ゆっくり休んだというよりはずっと悩んだ冬休みになってしまいました。

 

 

以上、ハッピーエンドでもない上にあまり綺麗に閉められず残念ですが、ざっと本音で一年間の振り返りをしてみました。思い通りにいかないことも多かったですが、それでも諦めず辛抱できたことはまあ良かったのかなと思います。今はとても難しく悲しい情勢ですが、私は外大ロシア語科を選んだこと、ロシア語を学んだことは決して後悔していません。ロシア語を学んでできたロシア語話者の友達も同じロシア語学習者の友達も、すてきなロシアの文化に触れた時間も私の中で大切な宝物になりました。

 

これからも何度も難しい選択に迫られることはあると思いますが、どんな道を選んでも自分の力で正解にしてやるという気持ちを持って頑張りたいと思います。

今回で卒業前最後の記事になりました。これまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

 

文責:りお

 

今日のロシア語

сокровище(サクローヴィシェ)意味:宝