Привет (プリビェット/こんにちは)!一回書いたのに全部消えて半目で書き直していますУです🤪
文化月間ということで、今回はロシアのジョーク「アネクドート」をご紹介!
はじめは、少しカタイお話です。はよアネクドート読ませろやというお方は次の画像(カタイ話の要約)までスクロールしちゃってください!
〜カタイ話〜
さて、
みなさん、アネクドートをご存知ですか?
全く知らない方(=去年の俺)、まあ名前くらいはという方(≒今のワシ)、よく知っているよという方(どうぞお手柔らかに)、さまざまいらっしゃるかと思います。
「なんか聞いたことあるよ〜」という方、その続きはだいたい「あれでしょ、ロシアのジョーク」かと思うのですが、ええ、何を隠そう私も冒頭から”ロシアのジョーク《アネクドート》”と銘打っておりますが!「アネクドート=ロシアのジョーク」の方程式には留意が必要です。
正しく「アネクドート」を理解するために、さっと歴史をご説明します↓↓↓
アネクドートの歴史
アネクドートの歴史は18世紀にまで遡ることができます。
ロシア帝政期からソ連期以降、現在に至るまで社会の変化と共に「良作とされるアネクドート」も変貌を遂げてきました。
その変化にあわせ、
18-19世紀のものを「近代アネクドート」、
ようです。
具体的には
近代アネクドートでは【徳と教訓を表現した小咄】が、
現代アネクドートでは【機知と皮肉を織り交ぜた小咄】が良しとされています。
話題は社会や生活、男女関係など多岐にわたりますが、現代アネクドートにおいては政治が多く取り上げられました。
公には政治風刺がタブーとされた状況下で、カタチに残らない口承という手段で伝えられたアネクドートは作者不明のものが多く、《アネクドート》という名称自体もギリシャ語で「公にされなかったもの」を意味する「アネクドトン(ανέκδοτον)」に由来すると言われています。
公に扱えるようになったのはソ連崩壊後からのことで、本格的な出版・研究がなされるようになってまだ30年ほど。未開拓な部分が多い文化とも言えます。
つまり。
現在、日本における《アネクドート》は
広義では「滑稽な小咄全般」
狭義では「ソ連期につくられた政治風刺の小咄」であり、多くの場合、狭義において理解されているようです。
こんな感じで、なんとなくアネクドートとは何かご理解頂けたかと思います。
〜ということでカタイ話おわり〜
さてさて!ではでは!!いよいよ!!!
そんなエスプリとアイロニーの効いたアネクドートおすすめ(?)集をご紹介↓↓↓
※分類は塚崎今日子先生の論文から借用しました。
補足
・赤の広場 : 首都モスクワにある広場。ソ連時代にソ連共産党の中枢が置かれたクレムリン(ロシア帝国の宮殿)に隣接。ロシアのセンターってわけ。ちょうど赤だしね。
・ブレジネフ : フルシチョフ失脚後のソ連指導者。対外的にはデタントを進めたが、内政はスターリン時代の抑圧的政策に回帰し、文化・技術・経済を停滞させた。ふさふさのターンの方。
補足
・KGB :ソ連の秘密警察。プーチン大統領は対外情報活動を行う第一総局出身。ロシア語ではКГБ(カーゲーベー)。
補足
・スターリン : レーニンに次ぐ第2代ソ連最高指導者。「粛清」によって100万人以上を有罪、その半数強に死刑判決を下したとされる、20世紀を代表する独裁者。愛娘の彼氏をスパイとみなしてシベリア送りにしたとんでもねえ父親でもある。
補足
・アルメニア・ラジオ : アネクドートという文化の中で共有される架空のラジオ局。別名エレバン放送、ラジオ・エレバン。"どんな"質問にも答えてくれる。そう、"どんな"質問にも。
とまあこんな感じです。いかがでしたか?
外国語の小咄・ジョークの類は、特有のバックグラウンドがないと理解できない、あるいは言語が分からないとダジャレ的な面白みが伝わらない、といった問題があり楽しめないことも多々あるかと思います。
その点、アネクドートは共産主義社会とソ連指導者が何となく分かれば半分は楽しめるものだと個人的には感じているので、このブログを読んで少しでも面白いなと思ってくださった方は、ぜひネットで調べてみてください!きっと好みのアネクドートが見つかるはずです!(特に日本語で翻訳されているものは、ほぼ分かると思います☺️)
また、今日においてはネット掲示板のようなところで日々新しいアネクドートが共有されています。時事ネタのアネクドートもあるので、そちらもぜひぜひチェックしてみてください。
まだまだ残暑が続くようです。水分栄養休養しっかりとって、アネクドートでクスッと笑って、元気にいきましょう!
以上、Уでした!
文責 : У
*今日のロシア語*
рома́н (ラマーン)
意味 : 長編小説
по́весть (ポーベスチ) ※女性名詞
意味 : 中編小説
расска́з (ラスカース)
意味 : 短編小説
【参考文献】
大森純(訳)(1978)『東欧ジョーク集』,実業之日本社
川崎浹(1999)『ロシアのユーモア』,講談社
さとう好明(2004)『ロシア小話アネクドート-腐敗と寒さを笑い飛ばせ- ユーラシアブックレットNo.66』,ユーラシア研究所・ブックレット編集委員会(編), 東洋書店
若林悠(2017)『風刺画とアネクドートが描いたロシア革命』,桑野隆(監), 現代書店
今田和美(2001)「ソ連アネクドート研究史概説」,北海道大学スラブ研究センター,現代文芸研究のフロンティア(2),スラブ研究センター研究報告シリーズ 76, 32-45
坂内徳明 (1995)「E・クルガーノフ, N・オホーチン編 『18世紀末-19世紀 初頭のロシアの文学的アネクドート』 」
塚崎今日子(2008)「ソ連時代のアネクドート : 『アルメニア・ラジオ』シリーズ」,北海道大学スラブ研究センター,スラブ・ユーラシア研究報告集 1, 11-20