東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ロシア語劇団コンツェルト団員インタビュー【平井さん編】

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つい最近秋学期が始まったと思ったら、いつの間にか11月中旬に突入していました。月日が経つの、あまりにも早くないですか?

 

さて、11月9日から始まった「コンツェルターにインタビュー!」企画、3回目は平井さんにインタビューをしました!

これまでと同様に本稿末尾にはコンツェルト12月本公演のお知らせが記載されていますので、そちらもあわせてご覧ください。

 

【平井さんについて】

東京外国語大学言語文化学部ロシア地域ロシア語専攻2年生。昨年の春にロシア語劇団コンツェルトに入団。2020年度本公演『生ける屍』サーシャ役として出演予定。

 

―本日はインタビューを受けてくださりありがとうございます!平井さんはコンツェルトに入団して2年目ですが、そもそもコンツェルトへの入団を決めたきっかけは何ですか?

コンツェルトは自分の好きなことが詰まっている劇団だと感じたからです。高校時代は演劇部で演劇自体に興味があったのに加え、外大でロシア語を専攻していたことから、好きなことがロシア語でできるコンツェルトに興味を持ち入団しました。

 

―高校時代は演劇部だったとのことですが、どのような役職を担当していたのですか?

ほとんど役者をやっていました。コンツェルトでも役者をしています。

 

―平井さんが考える役者の魅力を教えてください!

役作りが楽しいです。台本を読んだり、演出家や他の団員と話したりすることでだんだん役が出来上がっていく過程が面白いなと思っています。

 

―普段のお稽古ではどのような活動をなさっているのですか?

公演がある時は、基礎トレーニングが終わったらすぐに公演の練習に入っています。公演がない時も基礎トレーニングは継続して行いますが、それに加えて「ワークショップ」として、台本の一部分(もしくは短い台本)を使って一緒に演じるようなことをしています。

ほかにも例年は夏と冬に合宿があり、前年度の公演の映像を見たり、団員と遊んだりしています。コンツェルターは個性の強い人が多いので、合宿を通して団員のことをより深く知れて面白かったです。

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―これまでで最も印象に残っているのはどの公演ですか?

2019年度本公演『世捨て男と六本指』(ヴィクトル・ペレ―ヴィン原作)です。主に「六本指」と「(六本指の)筋肉」を演じていました。この公演では明確に「この人がこの役」だと決まっているのではなく、色々な人が「世捨て男」や「六本指」など色々な役になっていました。

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自分がコンツェルトに入団して初めての本公演だったことも大きいですが、「演劇」というより「舞台」のような感じで、ステージの上を走ったり動き回ったりとエネルギッシュな演目だったのが印象的でした。また現実世界とは少し違う、不思議な空間だったのも印象に残っている理由の一つです。

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―平井さんはロシア語やロシア地域について学んで2年目ですが、ロシア関連で興味を持っていることはありますか?

ロシア文化に興味を持っていて、最近はロシア文学にも触れるようになりました。外大にはロシア文学に関する講義(ロシア文学と出会う:言語文化学部概論科目)があるのですが、それを聞いてロシア文学の面白さを知ることができました。

 

ロシア文学にも興味を持たれているとのことですが、お気に入りのロシア文学作品があれば教えてください。

ザミャーチンの『われら』です。この作品では人々が監視下に置かれ、時間も管理されているソ連のような世界が描かれており、読んでいてアドベンチャーのようなワクワク感がありました。また未来の話を描いているため現実感が薄く、現実逃避ができるのも好きなポイントです。

 

12月本公演『生ける屍』の見どころは何ですか?

役者の演技です。今回の公演ではみんな役作りに時間をかけていて、稽古をしているときでも「今どういう心情なのか」「今までどのようなことがあったからこのようなことを言うのか」というのを演出家や役者同士で話し合っている印象がとても強いです。

また舞台上の演出も面白いものがたくさんあり、印象に強く残る舞台装置がいくつか登場するので、そこも注目していただきたいです。

 

―サーシャ役を演じるにあたって、楽しいことや大変なことは何ですか?

私は今まで妹キャラを演じたことがあまりなかったので、今回演じていてすごく楽しいです。ちょくちょくお母さんと口論するような可愛いやり取りもあります。

大変なことについては、『生ける屍』の登場人物はそれぞれバックグラウンドを抱えているのですが、それを演じるのがとても難しいです。またサーシャはロシア正教に熱心な人物なので、正教について勉強するのも苦労しています。

 

―平井さんとサーシャで似ているところはありますか?

サーシャほどではありませんが、正義感が強いところです。放蕩している人の立場ではなくて、真面目な考え方に凝り固まっているようなところも似ているかなと思っています。

 

―ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)の記事で好きなものはありますか?

2020年8月26日の『機知と皮肉のロシアジョーク《アネクドート》』です。

機知と皮肉のロシアジョーク《アネクドート》 - 東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

アネクドートに興味があるのも好きな理由の一つですが、記事の中のアヴァンギャルドのようなデザインが格好良くて、ただアネクドートを紹介するだけでなく視覚的にも楽しめたのが良かったです。

 

―最後に、今回の公演についてのメッセージをお願いします!

今回の演目はトルストイの戯曲ということもあり少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。しかし実際に演じてみて、現代の私たちにも通じるようなところがあるなと思いました。ですから、公演を観に来てロシア文学や演劇の面白さに触れていただけたら嬉しいです。また今年度は対面・オンラインの両方で公演を見ることができます。劇場で見るのに不安がある人でも安心して楽しむことができるため、是非ご覧ください!

 

平井さん、ありがとうございました!本公演の成功をお祈りしております。

 

…というような感じでインタビューをしていましたが、実は私もこの公演に役者として出演しているんですよね。

全団員が総力を挙げてつくりあげる『生ける屍』の世界をお楽しみいただけたら幸いです!

 

それでは、До свидания!(ダ スヴィダーニャ/さようなら)

 

文責:Ах

(インタビュー実施日:2020年11月8日) 

 
◆コンツェルト本公演「生ける屍」について◆
ロシア語劇団コンツェルトは創立50周年を迎える歴史ある演劇サークルで、早稲田大学東京外国語大学お茶の水女子大学等様々な大学の学生が集まって構成されています。普段は早稲田大学戸山キャンパスで週2,3回のペースでお稽古をしているそうです。

記念すべき50回目の今年の本公演ではトルストイ原作『生ける屍 «Живой Труп»』を上演されます。ぜひあなたも足を運んで、ロシア語劇の魅力を堪能してくださいね!

●日程:12月25日(金)〜27日(日)

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