東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ロシア演劇を見に行こう

Здравствуйте!(ズドラーストヴイチェ)(こんにちは!)国社一年のOCです。初の単独記事がまさかの年内最後の記事となり緊張しておりますが暖かい目で見守ってください。

私事ですが2021年の締めとなる今月はロシア語のテストがあり、この記事を書き、また兼サー先のロシア語劇団のセリフ覚えをしたりとまさにロシア漬けの一か月となっています。

 

 今日のテーマはロシアの演劇です。簡単にロシア演劇について話した後、実際に日本でロシア演劇を見られるところを紹介させていただきます。

 

ロシア演劇について

ロシアは非常に演劇が盛んな国でして、モスクワのマールイ劇場をはじめ有名な劇場がありますし、世界の演劇に影響を与えたスタニスラフスキーシステムもロシアで生まれたものです。

有名劇作家チェーホフはもちろん、ロシアを代表する文豪であるトルストイやドストエフスキーも戯曲を残しています。またそのほかにも19世紀にはゴーゴリやオストロフスキー、ソ連時代にもヴァムピーロフやガーリンが優れた戯曲を書きました。彼らの戯曲は日本語訳されているものも多く、書店や図書館で手に入れて読むこともできます。しかしせっかくの戯曲ですからやはり自分と同じ空間で、そして自分の目の前で上演されるのを見たほうが楽しめると思います。日本でもよく商業演劇でチェーホフなどが扱われていますが、その多くは日本語で上演されています。もちろん日本語でも素晴らしい翻訳者の方々が訳しているので楽しむことができますが翻訳作品では原語のよさを完全に維持することは難しいです。

たとえばгуба(グバー)というロシア語の単語があります。これは唇という意味の単語で、そして同時に俗語で営倉という意味の単語でもあります。ある戯曲では、この単語を唇の意味で使い恋人にキスをしようとした女性と、その恋人でгубаを俗語の意味でとってしまった元軍人の男性とのすれ違いを描いた場面があります。日本語訳では唇、営倉の上にカタカナで「グバー」とルビがふってあり、この台本を使ったとしたら演技するうえでかなり不自然なやり取りになるでしょう。字幕でこうなっているぶんにはいいのですが、やはり役者は原語で演じているほうが自然かつ作者が本来みせたかったものを観客に伝えられると思います。

 

ロシア語で演劇が見られる場所

ここまでロシアは演劇が盛んですぐれた戯曲がたくさんあること、そして原語であるロシア語で演じられているのを見るほうがいいということを話してきました。ここからは私たち東京外国語大学に関連するものでロシア語でロシア演劇をみることができる機会を二つ紹介します。

 

①外語祭

一つ目は外語祭です。東京外国語大学では毎年二年生が外語祭で各国の言語による劇を公演しており、ロシア語劇もその一つです。今年はチェーホフ「桜の園」、去年はヴァムピーロフの「六月の別れ」を上演しました。演出も役者もスタッフもすべて学生が分担し、半年以上かけて準備した結果を11月の外語祭でみることができます。ロシア語劇は人気であり、今年も発売開始から一日あまりでチケットが完売しました。来年もロシア語劇はやる予定であり、芸術監督兼演出家や舞台監督などはすでに決まっており、少しずつ準備は始まっています。

(ロシア語科の2年生が今年上演した「桜の園」は12/28現在YouTube上で視聴可能です!)

youtu.be

 

②コンツェルトの公演

もう一つはロシア語劇団コンツェルトの公演です。早稲田大学と東京外国語大学の学生が中心のインカレサークルであるコンツェルトは、毎年夏と冬の二回公演を行っています。1971年の発足以来沼野充義先生、沼野恭子先生、亀山郁夫先生などのロシア文学研究者も所属していたコンツェルトは昨年の50周年本公演でトルストイの「生ける屍」を上演し、今年度冬の本公演ではアレクサンドル・ガーリン「夜明けの星たち」を上演する予定です。ちなみにこれを書いている私も「夜明けの星たち」に出演します。

twitter.com

(稽古の様子)

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日本にいながらロシア語で演じられるロシア演劇に触れられる機会は多くはなく、また上記のものはいずれも日本語字幕付きですのでロシア語がわからなくても生のロシア語劇を楽しむことができます。少しでもロシアの演劇に興味をもっていただき、こういった劇に足を運んでいただけると幸いです。

 

これが今年最後の記事になります。2021年もЛЮБОВЬ(リュボーフィ)の記事を読んでいただきありがとうございました。

С наступаушим новым годом!!(ス ナストゥパーユシム ノーヴィム ゴーダム)

皆さまよいお年を!

 

文責:OC

 

今日のロシア語

спектакль (スペクタークリ)

意味:演劇

новый год (ノーヴイ ゴート)

意味:新年