東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

オンライン留学ってあり?なし? 〜ロシアへのオンライン留学経験者が感じたリアルとは〜

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こんにちは!東京外大ロシア語専攻4年のりおです😄

今月から大学では秋学期が始まりました!私にとっては学部生最後の半年なので、卒論研究を頑張りつつ友達との思い出もたくさん作りたいと思っています✨

 

さて、本記事では私が体験したロシアの大学へのオンライン留学のメリット&デメリットについて書いていきます!

 

一昨年から現在にかけて、パンデミックにより海外への旅行や留学が難しくなってしまいました。私の大学はもともと海外志向の学生が多い特性上、念願だった留学を断念せざるを得なくなった人も少なくありませんでした💦

私もそのうちの一人でしたが、幸いにも留学予定先の大学がオンラインで授業を提供してくれたのでそれを受講することができました。

以前に比べると今は現地渡航が可能になりつつありますが、オンライン化が進んだことで海外の大学の授業をリモートで受けることを考えている方も増えていると思います!今回は、私の忘備録兼これからオンライン語学留学を検討している方へのアドバイスとして、少しばかり書き残しておこうと思います(^ ^)

 

私のオンライン留学の概要は、以下の通りです!

  • 大学:サンクト・ペテルブルク国立大学(ロシア)
  • 期間:2020年9月〜2021年6月(9ヶ月間)
  • 形式:リアルタイムで授業を配信(ZOOM)
  • 授業内容:ロシア語語学授業のみ(週2回×3時間)

 

私はオンライン留学の授業に加えて外大の授業も並行して取っていたので、課題提出などが重なって少し忙しい時期もありました(笑) 参考に、2021年春学期の時間割はこんな感じでした。学部4年生の時間割としてはややコマ数が多いかもしれません。

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さて、ここからは私がオンライン留学をしていて感じたメリットとデメリットに分けて紹介していきます!

 

メリット① お金と時間を節約できる

オンライン留学の最大のメリットはまさにコレだと思います。留学といえば多大な費用がかかるイメージがありますよね(渡航費や生活費、ほか諸々の雑費など)。しかし、オンライン留学では自宅にいながら海外の大学の授業を受講できるので、基本的には授業料だけで済みます!

また、パソコンを起動してZOOMのルームにアクセスするまで1分程度しかかからないので(笑)、時短&お手軽に世界と繋がることができるのも一つの魅力ですよね。ちなみに先述の通り、私は外大の授業も並行して受けていたおかげで4年生になった今は単位で困ることはありません!(笑) 実は、留学期間中は取得できる単位が限られていたり、現地で就活ができなかったりする関係で卒業を遅らせる学生も多いので、これも一つのメリットだと思っています。

 

メリット② とことん語学を鍛えられる

オンライン留学のほかのメリットとして、マイペースで語学に打ち込むことができる点が挙げられます。現地へ行く留学では生活に慣れるので精一杯だったり、諸々の手続きが煩雑でなかなか勉強に時間を取ることができなかったりすることもあるかと思います。それもたしかに良い経験ですが、オンライン留学では正直勉強しかやることがないので(笑)、それなりにまとまった時間をかけてじっくりと言語に向き合うことができます。私はロシア語の授業を受けていましたが、たしかに留学期間中の前後では特に読解と会話においてロシア語力が向上した実感があります!

 

メリット③ 日本にいながら本場の授業が受けられる

オンライン留学の話を友達にすると、「外大のネイティブの授業と何が違うの?」と聞かれることがしばしばあります。私が一番大きな違いだと感じたのは…

  • 日本語がわからない先生が教えてくれること
  • 日本人以外の生徒と一緒に学ぶことができること

の二つです。

前者については、日本の大学で教えているネイティブの先生は、日本人の発音のクセを理解しているほか、意思疎通が難しいときは簡単な日本語で話しても通じてしまう場合が多いんです(笑) その結果、こちらがなんとなく伝えると補足して読み取ってくれることが意外と多いと思います。一方、オンライン留学先のロシア人の先生は、日本人と接した経験は少なく、間違った発音をするとすぐに首を傾げられてしまいます(笑) そのため、より正確な発音と言葉選びで明瞭なコミュニケーションをすることが求められました。

後者については、国民性の違いが影響しているかもしれません。私が留学していたペテルブルク大学にはヨーロッパの学生が多く留学していますが、彼らは先生から指名されなくてもどんどん喋りますし、たくさん質問をします。特に、与えられたテーマでのディスカッションの時間には、多少の文法の間違いは気にせずに相手を言い包めようとどんどん意見を出す学生が多く、私は圧倒されました(笑) 外国語での会話が苦手なのは日本人あるあるかもしれませんが、このようなアクティブな授業環境に揉まれたおかげで少しは積極的に話せるようになりました。

 

ここまでオンライン留学のメリットについて書きましたが、いくつかのデメリットも感じていました。

 

デメリット① 現地と時差があるとツライ

幸いにも私の受けていたオンライン授業は遅くても日本時間の夜9時半頃に終わっていましたが、同じ時期に別のロシアの大学で受講していた友人は深夜1時や2時まで授業があったそうです…。これでは生活リズムが狂ってしまうのは当然なので、オンライン留学を考えている人は現地との時差も考慮に入れた方がいいと思います。

 

デメリット② 外国人の友人を作りにくい

私のロシア語クラスは日本人のほか、ブルガリア人、中国人、フランス人、イタリア人、イラン人などがいました。しかし授業外で彼らと話せる機会はゼロだったため、留学の醍醐味である外国人の友人作りは全くと言っていいほどできませんでした…。そのうち一人とはインスタグラムを通じて時々連絡を取って「いつかロシアで会いたいね」と話していますが、なんせ対面で一度も会ったことがないので少し残念です。

ちなみに、留学を通じてロシア人の友達は一人も作れませんでした(笑) そもそもロシア人の先生以外の現地住民と接する機会がないので、こればかりは難しいと思いました。実は、ペテルブルク大学では留学生向けにオンラインでの国際交流パーティーやロシア映画鑑賞会を企画してくれていました。しかし、開催時間帯が日本ではどうしても深夜だったので私はほとんど参加できないまま留学期間を終えてしまいました…(笑)

 

デメリット③ 現地留学の代替にはならない

オンライン留学のおそらく最大のデメリットは、「オンライン留学は留学ではない」という点です(笑) 当たり前といえばその通りですが、「オンライン留学」という言葉が世間で一人歩きして先に広く知られてしまったせいか、良くも悪くも私が最も強く実感したのはこのことでした。

現地の風の匂いを嗅ぐ、見たことのない景色を目の当たりにする、聞きとれない言葉の波に翻弄される…など、現地でしかできない体験を重視している人には、このオンライン留学はあまり向いていないかもしれません。今振り返れば私はきっとそのようなタイプだったので、自分が思い描いていた留学生活とのギャップに苦しんでいた時期もありました。

 

 

私の経験に基づいて結論を言えば、「このコロナ禍でもリモートで授業を配信してもらえてありがたかったけれど、現地に渡航して学ぶことの代替にはならないことに早く気づいてロシア語学習に本腰を入れるべきだった」ということです!反省点はいくつかありますが、ひとまずオンライン留学を修了できたことについては自分を褒めたいと思います(笑)

 

また、オンライン留学期間は自分がロシア語やロシア文化をなぜ学んでいるのか深く考え直す機会にもなりました。この経験を糧にして、いつか安全に渡航できる日が来たときは必ずリベンジしたいと思っています!🔥

 

文責:りお

 

*今日のロシア語*

занятия(ザニャーチヤ)

意味:授業、仕事

помедленнее(パメェードレンニェエ)

意味:「もう少しゆっくり話してください」