Привет(プリヴェート/こんにちは)!
自動車免許を獲得すべく高速道路教習でヘロヘロになりました、
東京外大ロシア語専攻1年のゆっこです!
今回は、ロシアのお話が載っている絵本をご紹介します。
ストーリー自体が読んでいて楽しいのはもちろん、イラストがとても可愛いのでおすすめです。
ちなみにどちらもロシア人の方が絵を描かれています。
まずはこちら。
『マーシャとくま』
M・ブラートフ 再話 / エウゲーニー・M・ラチョフ 絵 / うちだ りさこ 訳 福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=8
↓↓↓最近はアニメでも見ることができるロシア民話ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1V3ZY_TXKwU
原作は、森で迷子になり、熊に捕まってしまったマーシャが知恵をしぼり、おまんじゅうとつづらを使って無事家に帰るお話です。
原作を読んだうえでアニメを見るとなお面白いです。
ちょっとした疑問💭
絵本で、マーシャが「おまんじゅう」を焼くシーンがあります。
でもおまんじゅうは日本のお菓子ですよね!
これはロシアのお話なのに、なぜ「おまんじゅう」???
と疑問だったので原文を調べてみました。
そしたらおまんじゅうの正体は……
なんとпирожки (ピロシキ)だったのです!
ピロシキは中に肉や野菜の入った惣菜パンようなロシア料理。
どちらかといえばご飯ものの食べ物です。
甘いお菓子と惣菜パン……全然違いますね(笑)
あえて日本人に伝わりやすい食べ物に変えて訳したのかもしれません。
ところが別のシーンでは、熊がマーシャに「ペチカ」をたいてもらおう、と言っています。
Печка(ペチカ)というのはロシア式の暖炉です。
こちらは原文のまま……なぜ???
実はこの絵本は祖父祖母が買ったものらしく、だいぶ年季が入っています。
母に聞いたところ、私たちの祖父祖母の若かりし頃、「ペチカ」という童謡(ロシア民謡ではない)が流行っていたらしいのです。
おそらく世間一般に「ペチカ」の存在が知られていたから、ここはそのまま訳出してあるのでしょう。あくまでも私の仮説ですが。
続いては!
『3びきのくま』
トルストイ 文 / パスネツォフ 絵 / おがさわら とよき 訳 福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5
作者はレフ・ニコラエヴィチ・トルストイ。
『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』で有名なロシア文豪です。
驚いたことに、彼は童話も手掛けていたそうなのです!
森で迷子になった女の子が三匹の親子熊の住む家に迷い込み、熊たちに見つかってしまうが、無事逃げ出すというお話です。
私のお気に入りは、女の子がスープの入ったお椀を三つ見つけて飲み比べる場面です✨
幼少期にこの絵本を読み聞かせてもらった時、このスープがおいしそうでおいしそうで、イラストにあるような木のお椀とスプーンを借りてカップスープを飲んだのを覚えています(笑)
ただしちょっとツッコミたいのが、女の子の脚力!!!
熊に追っかけられているのに逃げ切れるなんて足が速すぎませんか!?
まあ初めに紹介したマーシャもこの女の子も無事に熊から逃げることができてハッピーエンドなのは何よりですが……というか、二人とも森に迷いこんだあげく熊に遭遇しているのがなんともロシアらしいですね(笑)
私は絵本からはロシアという国の文化を知らず知らずのうちに感じ取っていたのかもしれません。
(実際ご紹介した作品でヒロインたちは伝統衣装を着ていますし、「3びきのくま」では熊たちにロシア人風の名前がついています)
ロシアの絵本の日本語訳版は、実は今回紹介した作品のほかにもたくさん日本にあるんです!
興味がある方はぜひ、ロシアを知るためのとっかかりとして手にとってみてください!
それではよい夏を~!Пока(パカー)~!👋
文責:ゆっこ
今日のロシア語
пирожки (ピラシキー)
意味:ピロシキ
медведь(ミッドヴェーチ)
意味:熊
《参考文献》
Маша и Медведь, ЧИТАТЬ сказку С картинками. Русская сказка. (2019, October 26).
https://russkaja-skazka.ru/masha-i-medved/ (最終閲覧日:2021年8月24日)
M・ブラートフ再話(うちだりさこ訳)『マーシャとくま』福音館書店、1963年。
L・トルストイ文(おがさわらとよき訳)『3びきのくま』福音館書店、1962年。