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日本との出会い
―日本との出会いについて教えてください。
ソ連時代、(当時ソ連の一部だった)ウクライナに住んでいた人は、日本の文学作品や伝統的な美術作品に触れる機会があったと思いますが、ソ連が崩壊した後、そしてウクライナに日本国大使館が出来てから現代の日本の情報が徐々に手に入りやすくなったのではないかと思います。
中高生の頃には、インターネットがまだ身近ではなかったので、現代の日本についての情報にアクセスすることは難しかったですね。高校で日本語の授業を取ったときは、写真などから少しだけ現代の日本について知ることはできましたね。大学生になると大使館の図書館や日本文化センターの図書館に通って日本に関する本や雑誌を読んでいました。
―日本語を勉強し始めた理由は何だったのでしょうか。
正直にいうとよくわからないです…(笑) 子供のころからなんとなく「日本って面白いな」「着物って綺麗だな」と思っていました。そのうち言語にも興味が湧いてきて日本語を勉強してみようかなと思いました。何か大きなきっかけがあったのではなくて、おそらく小さい頃にお母さんが読んでいた雑誌に綺麗な日本人女性の着物姿が載っていたりして、自然と日本への興味を持っていったのだと思います。
―日本についてはどのように学んでいたのでしょうか。
日本の文学の描写をもとに日本の想像を膨らませることもできたのですが、ソ連時代後期に出版された«Пятнадцатый камень сада Рёандзи»(『龍安寺石庭の15個の石』ツヴェトフ著)などを読んで日本の特徴や習慣についての情報を得ました。ソ連が崩壊してからは日本についてのテレビ番組を見かけるようになったので、もちろんそれは観るようにしていました。
―日本に来てから日本の印象は変わりましたか。
中高生時代、私の手に入った日本についての出版物は作法など特徴的なものについて書かれていることがほとんどなのですが、テレビ番組では日本人の日常生活について取り上げられていることもありました。でも、私が日本に対して抱いたイメージが全く正しいわけではありませんでしたね。例えば京都について、お寺が多くて歴史が深いイメージは持っていたのですが、実際に行ってみたら想像よりも大きな都市で驚きました。日本に来てからは新たな発見だらけでしたね。
―勉学以外に没頭したことはありますか。
初めて日本に来たときは着付けや書道、生け花などいろいろな文化体験をしました。後に書道を少しだけやっていました。
今は料理やダンスが好きで、あとドラゴンボートを漕ぐことも好きです。
―ドラゴンボートを漕ぐんですか!?
はじめはロシア語を話す外国人が集まって約1年間いろいろな大会に出ていました。そのチームの中で今でも漕いでいる人は私と夫だけかな(笑) 今は別のチームに所属していて、コロナ前は国内大会や国際大会に出たりもしていましたね。落ち着いたらまた大会に出たいですね。
学生時代の外大と教員になってからの外大
―院生の時と教員になった現在で外大の印象の違いはありますか。
学生のみなさんは相変わらず真面目で頭がいいですね。また、先生方の知識が豊富というのもそのままですね。大学内の雰囲気が変わったという点について言うと、私が来た2006 年のときはアゴラ(501名を収容できるホールやカフェが入った外大の施設)がありませんでした。留学生の寮も食堂から一番近い1棟しかありませんでした。
―外大生に期待することは何ですか。
みなさんは真面目で本当に頑張っているので、それ以上期待することはあるのかなと思いますが、強いて言えば、質問があれば遠慮せず直ぐに聞いてほしいです(笑)
―ロシア語科の学生に伝えたいことはありますか。
みなさんはそれぞれの目標や夢を持っていると思うのですが、その目標や夢を達成できるように、自分にとって理想的な仕事を見つけられるように、これからも努力して欲しいです。
―最後にロシア語を学習している外大生に向けて、メッセージをお願いします!
夢や目標に向かって進み続けてください。そして幸せになってください。勉強はみなさん凄く頑張ってされているので、教師としてはこれ以上望みません。
いつも私達にとても優しく接してくださっているナディヤ先生。その優しさがこのインタビューにとても表れていると思います。また、今まで先生とお話する機会があまり無かったので、今回プライベートな一面を垣間見ることができ嬉しかったです。
お忙しい中、私達のインタビューに時間を割いていただき本当にありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。
取材・執筆担当:芝元さや香(4年)、外山夏帆(3年)
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