東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

前田和泉教授【ロシア語科教員インタビュー〈後編〉】

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↓インタビュー前編はこちら

tufs-russialove.hatenablog.com

 

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ロシアゴスキーでロシア語好き♡に

 ロシア語の初学者・中級者向けの学習のコツは何ですか。

共通して言えるのは、自戒を含め「間違えることを恐れないで」っていうことかな。語学を勉強していたら間違えるのは当然で、間違うことで自分が何を分かっていないかが分かるから、すごく大事だと思います。でも、特に日本人って間違いを恐れがちじゃないですか。多分、「間違っちゃいけない」っていうプレッシャーを学生さんは感じていると思うんだけれども、そういうことを考えない方がよくって、「どんどん間違えなさい」っていうのが一番のアドバイスかな。間違いは間違いで面白いし、そもそも言語っていうのは間違いながら進化していくものですので。

 

先生の出演作『ロシアゴスキー』についてお尋ねします。出演のきっかけを教えて下さい。

※「ロシアゴスキー」…水曜0:00~0:25 火曜5:30~5:55 Eテレ放送2017年度から続く、現地で役立つ初歩の旅行会話を学べる、ポップで楽しいロシア語講座の番組!!!

Eテレ語学部に外大の卒業生の方がいらっしゃって、その方の誘いがきっかけですね。 

 

視聴者にロシア語を教えるうえで意識していたことは何でしたか。

『ロシアゴスキー』に関わった時に一番意識していたのは、あまり難しさを出さないようにすることでした。ロシア語に限らず、何かの語学を本気で勉強しようとすると、どんな言語にも絶対壁があると思うんです。ロシア語に関しては、あまりにも「難しい」とか「ロシアって怖いし暗いし、何考えているのか分からない」といったネガティブな印象が一般にはあるので、「難しいことにはなるべく触れず、とにかく間口を広げよう、まずはロシアとロシア語に興味をもってもらおう」と思っていました。「ロシア語ってこんなに簡単で楽しいんですよ~、これだけ分かれば喋れますよ~」って演出しようというのは、『ロシアゴスキー』に関わったスタッフ全員が考えていたことでした。

 

私はロシアゴスキーのファンなのですが、まんまとはまっているような気がします(笑)

うん、そうなんだよ(笑) ロシア語専攻の子でも時々、「『ロシアゴスキー』を見て、それで入りました」っていう学生さんがいるんだけど、ロシア語を本格的に勉強しているうちに「騙された…」って思っているかもしれない。「話違うじゃん」って(笑)

 

でも、視聴者の方々はロシア語の勉強楽しめているはずですよ(笑) 

良かった(笑) 語学の楽しさってまず知るきっかけがないと成立しないし、勉強が難しくてもその中で楽しいことって必ずあるじゃないですか。そのきっかけのための番組が『ロシアゴスキー』だと思っています。

 

『ロシアゴスキー』に登場する、そっくりな前田先生人形に一言ありますか。

よく似ているって言われるし、自分でも似ているなって思うので、たまに代わりに会議に出るなり仕事してほしいかな(笑)

 

今の外大生へ

先生の在学時の外大生と今の外大生の印象に違いはありますか?

今の外大生の方が垢ぬけていて、真面目な感じ。今の方がよっぽどキラキラしている。私たちの時はキャンパスも地味だったし、全体的に地味な感じはありました。

ただ、変わらない外大生らしさのようなものもあって、それを感じたのは外大に非常勤として勤め始めて最初に新しいキャンパスに来た時。昔の西ヶ原の超ボロかったキャンパスと比べるとものすごくきれいで、私立の大学みたいだなと思いながら研究講義棟に足を踏み入れました。新しくてキラキラしているんだけど、でもなんか外大生のにおいがするなってその時思ったんですよ(笑) それが今でも変わらなくて。例えて言うなら、プロ野球チームのユニフォームがおしゃれになったけど、根幹部分は変わらないみたいな。外大は私にとってホームなので、外大生と話しているとすごく楽しいです。

 

最後に、今後ロシアに関わりたいと考えている外大生に向けてメッセージをお願いします。

「愛(любовь)があれば、道は開ける!」

直接ロシアと関わる仕事に就ける人は結構限られていると思うのね。でもロシアとは関係ない仕事に就いても、ロシアに対する関心や愛情を持っていると、何となく縁が続くものです。会社に入ってから数年経ってから仕事でロシアに関わることができるようになることもあるし、プライベートでロシアとかロシアの文化とつながることもある。私のゼミの卒業生に、仕事はロシアとは全然関係ないんだけど今でもロシアがすごく好きな人がいて、ロシアの本をたくさん読んだり、インターネットでロシアの服を買ったりしているそうです。そういうつながり方もあるんだって思いましたね。あと、場合によっては仕事を辞めてから改めてロシアに留学に行く人もいるので、人生の中でロシアとの関わり方って色々あると思うんですよ。ロシアに対する愛情や関心を持っていれば何らかの形で何かがつながってくるので、「愛(любовь)あるところに道は開ける」と私は思います。

 

 

普段はなかなか聞くことができない貴重なお話をして下さり、本当にありがとうございました!

『ロシアゴスキー』や授業にて見られる、少し自由奔放でお茶目なところのある前田先生だけでなく、元外語生・かっこいい研究者としての前田先生のお話を聞かせてもらえて本当に楽しかったです!

  

取材・執筆担当:長谷川公樹(3年)、矢田安曇(2年)、市薗雅貴(2年)

 

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