東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

おまえは今までに触れた言語の数をおぼえているのか?(ЛЮБОВЬ ver.)

Здравствуйте!

そーにゃです。

 

今回のテーマは「言語」です!

これまでに自分が触れてきた言語のうち「スラヴ語またはロシア・ソ連に関連する言語」について紹介と少々の説明、そしてそれにまつわる身の上話などを致します。

 

ЛЮБОВЬとは関係ありませんが、以前個人的にNoteに認めた記事もよろしければご覧ください。

note.com

 

それでは参りましょう!

 

1. ロシア語(Русский язык)

まあ言わずもがなですよね、専攻語ですし。きちんと学び始めて今年で4年目になります(キリル文字やいくつかの単語は高校の時に少しやっていましたが)

系統的にはインド・ヨーロッパ語族スラヴ語派東スラヴ語群に分類されます。ウクライナ語やベラルーシ語もそうですね。

巷では「文字から難しそう」「二外ロシア語勢は変人が多そう」などという評価を賜っているというロシア語。特徴としては名詞に性別があり、単語の尾字によって男性・女性・中性の3通りに分かれていること、文中での役割に応じて6通りの格変化をすること、一部を除いて動詞に完了体・不完了体というペアがあることなどが挙げられます。

合宿免許の際に教科書と辞書を持って行って勉強したり旅行に某先生のピンクの文法書を連れて行ったりと、いつでもそばにいて自分にとってとても安心感のある言語です。

 

2. ブルガリア語(Български език)

これは2年生の春に授業を取っていました。

実はそれより前、一年生の秋頃から「何かロシア語以外のスラヴ諸語に触れねば!」と思い立ちニューエクスプレスを買ってはいたのですが、時折パラパラと眺めるくらいで勉強と言えることはしていませんでした。

系統的にはインド・ヨーロッパ語族スラヴ語派の南スラヴ語群に分類され、特に隣国北マケドニアの公用語の一つであるマケドニア語と近縁関係にあるとされています。

特徴としては他のスラヴ諸語に見られる格をほとんど失ってしまっていること、動詞の不定詞が存在しないこと、後置冠詞を持つことなどが挙げられます。

ちなみにブルガリアへは2019年の夏にショートビジット(短期留学)で訪れています。一応語学留学だったのですが、文法の授業が全編ブルガリア語でほとんど理解できませんでした。スイート2割、ビター8割という感じでしたが、今となっては良い思い出です。またきちんと勉強し直したい。

 

3. エストニア語

エストニア語はバルト三国の一番北側、エストニアの公用語です。エストニア語の授業は残念ながら大学にはなく、基本的には独学をしてきました。

エストニアは、上記のブルガリア留学の帰りに旅行で訪れました。その街並み・景色の美しさは筆舌に尽くし難いほどでした。

系統的にはウラル語族という、上記の2つやヨーロッパの多くの言語とは異なる語族に属します。その中でもフィン・ウゴル語派バルト・フィン諸語に属しており、文法などはフィンランド語と共通する点があります。ちなみにハンガリー語もフィン・ウゴル語派に分類されています。

特徴としては14(多い!)の格、格変化の際の複雑な語幹の変化(階程交替)、「対格」が存在しないこと、ウラル語族の言語によく見られる母音調和(一つの単語の中に決まった母音しか表れない)という現象がないことなどが挙げられます。そして歴史的な経緯から統語や語彙の面でかなりドイツ語の影響を受けています。

 

4. カザフ語

これは2年生も春に履修していたものです。系統的にはテュルク諸語のキプチャク語群に属します。人生で初めて触れたテュルク系の言語ですが、最初は慣れない母音調和と単語の響きに戸惑いました。

特徴としては母音調和や名詞の文中での役割に応じて日本語の「てにをは」のような接尾辞がつくこと、所有代名詞に加えて所有接辞を有することなどが挙げられます。

 

5. コリマ・ユカギール語

これも2年生の春学期に履修していました(現在は先生が不在のため開講無し)。おそらくほとんどの方にとっては初めて耳にする単語だと思います。シベリア東部のコリマ川流域に住むユカギール族によって話されていますが、その話者数は現在10人以下とされています。毎年20人近く受講する人がいたらしいので、話者数より外大での学習者数の方が多いと(個人的に)話題になっていましたね。

系統的には古シベリア諸語のユカギール語族に分類されますが、現存しているのはこのコリマ・ユカギール語ともうひとつのツンドラ・ユカギール語のみです。

特徴としては格語尾による格変化、動詞の時制が「未来」「非未来」という対立になっていること、形容詞が自動詞のような語形変化をすることなどが挙げられます。

 

6. トルクメン語

これは2年生の秋学期に取っていました。「地獄の門」や極端な報道規制、建物が全て大理石でできている真っ白な都市などで有名なトルクメニスタンの公用語です。カザフ語でワンクッション置いていたのと、ペルシア語を勉強し始めて馴染みのある単語が増えたので比較的とっつきやすかったですね。

系統的にはテュルク諸語のオグズ語群東オグズ諸語に分類されます。同じくオグズ語群に属するトルコ語やアゼルバイジャン語などと近い関係にあります。

特徴としては母音調和、母音の長短の区別が残っている(文字上では表れない)ことなどが挙げられます。

 

7. キルギス語

これは3年生の春学期に取っていました。カザフ語と同じくテュルク諸語のキプチャク語群に属します。語の授業はキルギス人のネイティブの方が教えていましたね。

特徴としては4種類の母音グループによる母音調和、短母音を連ねて長母音を表すことなどが挙げられます。

 

8. マリ語

これも3年生の春学期にオンデマンドで授業を受けていました。ロシア連邦内のマリ・エル共和国の公用語であり、その他バシコルトスタン共和国やウドムルト共和国にも話者がいます。

系統的にはウラル語族フィン・ウゴル語派フィン・ペルミ諸語の一つに分類され、エストニア語やフィンランド語、モルドヴィア共和国の公用語のエルジャ語やモクシャ語などと関係があります。

特徴としてはSOV語順、格語尾による格変化、母音調和、豊富な動詞分詞などが挙げられます。

 

9. タタール語

こちらは3年生の秋学期に履修していました。人生で4つ目のテュルク系言語にして、それらの中で一番時間を割いたものでもあります。ロシア国内のタタールスタン共和国の公用語であり、その他世界各地にタタール・ディアスポラ(離散した民族のコミュニティ)が存在します。

系統的にはテュルク諸語のキプチャク語群に分類され、上述のカザフ語やキルギス語、そしてとりわけ隣国バシコルトスタン共和国の公用語バシキール語とは極めて近縁な関係にあります。

特徴としては母音調和や格語尾に加え、ロシア語からの借用語・借用表現がかなり多いことやテュルク祖語からの母音の変遷などが挙げられます。

ちなみに「国際タタール語・タタール文学オリンピック」という大会があり毎年その予選がインターネット上で行われるのですが、そーにゃさんは今年の予選を通って本戦への出場権を獲得しました!(諸事情により本戦には出られませんでしたが…)

学習書や辞書はロシア語のものが多く、なかなか日本で勉強しにくい言語ではありますね…

 

 

いかがでしたでしょうか?

「今までに触れた言語」として紹介しましたが、正直ほとんど何も覚えていないものが多いです…💦

どれもちゃんと学び直したいですね。

 

もしかしたら名前すら聞いたことのない言語もあったかもしれませんが、この記事をきっかけに色々調べたり勉強を始めてもらえるととても嬉しいです。

かなり端折って説明をしているところが多くて申し訳ないですが、時間と労力の都合ということでご容赦ください。

 

それでは、До свидания

 

文責:そーにゃ

 

*今日のロシア語*

лингвистика(リングヴィースチカ)

 意味:言語学

владеть русским языком(ヴラヂェーチ ルースキム イズィコーム)

 意味:ロシア語が堪能だ(ロシア語を自在に操る)