東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

カフカス旅 ジョージア編2

皆さまこんにちは、კოჯიმაです!

 

今回も早速本編に入っていきます!

 

[トビリシ出発]

前回のブログで書いた通り、トビリシの次にはボルジョミに向かう予定でした。そのため宿をチェックアウトするのですが、最後の最後で思わぬ出会いがありました。朝食を食べている時に何気なく会話をしていたロシア人家族のBさん一家と仲良くなり、連絡先を交換することになりました。最初はメッセージのやり取りができる知り合いが増えたことを喜んでいただけですが、なんとその後ホームステイをさせてもらうほどに仲良くなることができました。Bさん宅ホームステイについても、いずれ執筆したいと思います。

 

宿を出発した後は、トビリシのバスターミナルへと向かいました。しかしバクーのときと同様に、目的地であるボルジョミ行きのチケットが売り切れていました。そこで急遽予定を変更し、クタイシ行きのバスの乗車券を買い求めました。出発時刻まで少し時間があったので、ターミナルの売店でハチャプリをたらふく食べて店主さんと歓談して過ごしていました。

 

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車内はややこもっていて暑かったのですが、車の排気ガスや砂埃などで窓から入る空気もあまりよくないため我慢するしかありませんでした。しかしトイレ休憩で停車した際に澄んだ空気でリフレッシュができりことや、綺麗でおいしい湧き水を飲めることはバス移動の醍醐味だと思います。

 

クタイシに着いた時にはすでに日が暮れていたため、この日は宿に移動して休みました。

 

[クタイシ]

翌朝は朝食を食べてから少し散歩をしてたところ、タクシーの運転手と会話をする流れになりました。クタイシで見たいところが散在していたため、その日の移動をタクシーですることに決め、金額交渉をしてチャーターすることになりました。

 

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最初にゲラティ修道院に行きましたが、工事中の箇所が多く半分近くは見られませんでした。昔は有名なアカデミーがあったことで有名で、現在は史跡としてそれらの展示がなされています。教会自体は現役のようで典型的な正教の内装でした。

 

ムツヘタの教会でも見られたことですが、地面に棺が埋め込まれていたことが特徴的でした。話を聞いてみると、地面の棺が踏まれることで現世とのつながりを維持するという意味があるそうで、日本と大きく異なる価値観に驚きました。

 

次にバグラティ大聖堂へ移動しました。こちらはかなり質素な内装で、ジョージア国内にある様々な教会ごとに内装に差異があることをよく理解できます。敷地が広く、高台にあって風通しがいいため、天気が良ければ芝生に座って休憩でき非常に心地よいです。また飲み水用の水道もあり、おいしい水を水筒に補充することもできます。

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続けて、ジョージアでも有名な鍾乳洞であるプロメテウス洞窟に行きました。ここは国立公園になっているため、洞内への立ち入りにはツアーへの参加が必要です(約800円)。オプションとして渓谷の川下りも体験できますが、このときは鍾乳洞内の散策のみ参加しました。ツアー参加を申し込めるビジターセンターには出土品や鍾乳石の特徴などが展示されており、待ち時間を洞内の理解を深める時間に使うことができます。

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屋外は湿度も気温も高く体感温度が高かったのですが、洞内は涼しく快適でした。足元が整備されており歩きやすくはなっていますが、天井から雫が垂れることで地面が濡れているので滑らないように注意が必要です。

天井は高く広々とした空間が広がっており、多種多様な大きさや形の鍾乳石がいたるところにあります。日本の鍾乳洞との共通点・相違点が随所に見られるので、自然に興味がある人には参加を強くオススメします。

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ツアーは30分強で終了しました。プロメテウス洞窟を見終わったところで次の都市への移動にちょうどいい時間となっていたため、クタイシは半日より少し長めの観光で切り上げることにしました。運転手さんに頼んでそのままバス乗り場へ向かってもらい、無事にバトゥミ行きのバスに乗車、クタイシを出発しました。

 

[バトゥミ]

夕方ごろには黒海沿岸の都市であるバトゥミに到着しました。バトゥミはアジャリア自治共和国の中心都市で、ロシア人観光客も多いリゾート地です。遊泳ができる海がありつつすぐ近くにはロープウェイで上れる山もあるため、海と山の両方を一度に楽しむことができます。

ちなみにロシア語を勉強している人たちにおなじみのハチャプリ(舟型をしていて中心に卵がのっているもの)はこのアジャリア地方由来のものです。

 

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バトゥミに到着した後は宿に荷物を置き、夕涼みのため散歩に出かけました。路地も含めて整備されている道路が多く、観光地として景観への配慮が感じられました。出発のときにホステルのオーナーさんに教えてもらったパン屋に行くと、非常に独特な造りをしていました。パンを焼く窯が半地下にあるため、膝から腰ぐらいの位置にある歩道に面した窓からパンを購入する仕組みになっていました(恐らく前の人が購入してなければ気が付けなかったです)。成人男性の肩幅ほどの大きさの焼き立てパン(ナンをもちもちにしたような感じのものです)が約40円で売られていたのでそれを買い、宿に戻ってささやかな夕飯にしました。

 

翌朝は、カフカスを訪れてから初めて蒸し暑さで目が覚めました。これまでの移動中でも、トビリシよりもクタイシの方が、クタイシよりもバトゥミの方が湿度が高いように感じてはいましたが、目が覚めるほどとは思っていませんでした。湿度は高かったですがよく晴れており、観光にはもってこいの天気でした。

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快晴のうちに海を見ようと思い、海辺に行きバトゥミの象徴ともいえるアルファベットタワーやアリ&ニノの像を見ました。アルファベットタワーは名前の通りで、地上から展望台にかけて螺旋状にジョージア語のアルファベットが並んでいるタワーです。アリ&ニノの像は恋愛小説がモチーフになっているそうで、近づく、重なる、離れるという一連の動きからメッセージが伝わってきます。

 

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像をみた後はそのまま海辺を歩きました。パラソル付きのベンチやシャワーなどが常設されており、水着さえあれば気軽に海水浴が楽しめるようになっていました。

足元が砂浜ではなく大きめの石でできた海岸なので少々歩きにくく、途中で遊歩道に上がりました。遊歩道を歩くと、海は見づらくなりますが木陰が多いため気持ち良い風を浴びながら散歩ができます。

 

少し暑くなってきたため、考古学博物館に行って日差しを避けつつ観光をしようと思い遊歩道を離れました。博物館に向かう途中で「5月6日公園」に立ち寄りましたが、そこで毎度おなじみのクワスのタンク車があったため一服することにしました。5月6日公園は中心に広い池がある大きな公園で、小さな動物園(入場無料)やドルフィナリウムが併設されています。

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公園でのんびりしているとお昼の時間になったため、見かけたお店でロビオとマツォーニを注文しました。ロビオは赤インゲン豆のスープで、塩味とパクチーの風味が効いた独特な料理です。とろみのある食感でありながらさっぱりとした後味で、気温の高い中でもおいしく食べられました。

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考古学博物館はアジャリア地域の歴史に関する展示が多く、当時交易していた国々の出土した貨幣なども展示されています。この博物館では展示内容に関して案内してくれる学芸員のような方もいますが、ジョージア語とロシア語のみでの会話となります。しかし展示には英語表記の説明文もしっかりとあるため、英語のみでも内容の理解ができます。

 

考古学博物館を出た後は、ジョージアのある地域へ向かうためにツアーを購入しにいきました。ジョージアの秘境を訪れてからカフカスでのバックパック旅が終わるまでの部分は、次回にしたいと思います。

 

 

今回もお読みくださりありがとうございました!

それでは皆さま、до свидания(ダ スヴィダーニャ)!

 

文責:კოჯიმა

 

*今日のロシア語*

археология(アルヘアローギヤ)

 意味:考古学

музей(ムズェーイ)

 意味:博物館、美術館