東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

東京外大生にインタビュー!第13弾【ベトナム語科編】〈前編〉

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ベトナム語科 堀さんへのインタビュー

 

Здравствуйте (ズドラーストヴィチェ)!こんにちは!

国際社会学部ロシア専攻3年の芝元です!

 

他語科とコラボ企画ということで、今回私はベトナム語科の堀さんにお話を聞いてきました。

 

私は高校生の時に家族旅行でベトナムに数日間行ったことがあったり、サハリンに留学した際にお店のおばさんに「あなたベトナム人?」と言われたこともあったりして、勝手にベトナムに親しみを覚えていたので、今回詳しくお話を聞くのが楽しみです✨

 

掘さんについて 2018年4月に東京外国語大学言語文化学部ベトナム語専攻に入学。現在3年生。1年の夏にベトナムへ、冬にウズベキスタンへ、2年生の冬にアメリカへ留学経験あり。大学ではバドミントン部に所属していて、先日引退されたそうです。

 

ベトナム語科について

ベトナム語科には、言語文化学部・国際社会学部合わせて1学年あたり15人ほどの学生が在籍しています。堀さんの代は全員で15人で、男女比は7:8だそうです。例年だと女子が多いので、堀さんの代は珍しいとのことです!

                 

【学生生活について】  

―初めまして!本日はよろしくお願いします。まず初めに、外大に入った理由と、なぜベトナム語科にしたか、学部はどうやって決めたかを教えてください。

英語が好きで、外国語を大学でも勉強したいと思い、外大を志望しました。ベトナム語にした理由は、近年日本に住むベトナム人が増えているので、勉強することで何か役に立つのではないかと思ったからです。

学部は、国際的な情勢よりも様々な地域の文化やコミュニケーションを深く学びたいと思っていたので言語文化学部に決めました。

 

―そうなんですね!近年、ベトナム以外のアジアの国からの移住者も多いと思いますが、ベトナムにした具体的な理由は何かありますか。

これまでベトナムとの縁が深いと感じることが多かったからです!小学校の時に初めて海外旅行に行ったのがベトナムだったり、知り合いがベトナム料理店を経営していたり、親戚もみんなベトナムに行ったことがあったりしていて、ベトナムが印象に残っていました。近年ではベトナム人技能実習生などのベトナムに関するニュースもよく耳にするようになったので、これは勉強しろってことなのかと思いました。

 

―運命的で素敵ですね!ところで、ベトナム語科に実際に入ってみてどうでしたか。思っていたことと違った!ということはありましたか。

少人数で授業を受けることが初めてだったので、想像以上に自由な雰囲気で驚きました。ちなみに、ベトナム語科は小語科ということもありとてもアットホームです!特に縦の繋がりの強さが特徴的だと思います。同期や先輩後輩、教授まで、皆仲良しです!コロナ前だと教授も含めてベトナム専攻全体で年に5回くらい飲み会が開かれていました。

   

―とても楽しそうですね!そんなベトナム語科に入って良かったと思うことは何ですか。

まず、先ほど述べた通り縦の繋がりが強いことです!留学やゼミの相談など気軽に乗ってもらえます。また、ベトナム語科は1年生の夏学期に全員ハノイへショートビジット(※短期留学)に行くので、現地の雰囲気を早くから感じられたことはその後の勉強のモチベーションにもなりました。大学以外でもベトナム人の留学生や技能実習生など、ネイティブと関われる機会が多く、勉強したことが実践できる環境があるのも良かったです。

   

―なるほど! 逆に、入って後悔したことや辛かったことはありますか。

後悔したことは特にありません。ただ、ベトナム語は声調が6つもあり、発音がとても難しいので、それに慣れるまでは授業についていくことが大変でした。聞く側としては、声調を間違えて聞き取ってしまうと全然違う単語になってしまったり、音が聞こえても全然意味がわからなかったりします。話す側としても、自分が合っていると思って話しても、ネイティブにとっては違っていて、正確に発音しないと意味が通じないです。

   

―声調は本当に難しそうです。ところで、言語の勉強はどのように進みますか。

1年生は発音と簡単な文法が中心です。特に春学期のネイティブの先生の授業ではひたすら発音練習の繰り返しで、ひとりひとり正しい発音が出来るまで当てられ続けました。

2年生では新聞記事の読解の授業があり、そこでは先生が細かく文法事項を説明してくれます。また、様々な素材を使った聴解の授業が始まります。会話の授業でもより幅広い表現を学びます。

3、4年生では新聞記事の翻訳も学びます。この授業は週に1回なのですが、そこでは1人ひとつの担当記事を決めて、それを1週間の間に訳します。訳し終わったものは、ネイティブの先生が校閲して外大のホームページに載ります。

 

↓「東南アジアの新聞」からお読みいただけます!

TUFS MEDIA 日本語で読む世界のメディア -東京外国語大学-

   

―ベトナム語や東南アジア地域関連で最も面白い授業は何ですか。

1年生の春学期に受講した東南アジアの地域基礎が面白かったです。東南アジアは文化や歴史、宗教などそれぞれの国に違った特徴があります。インドネシア語科の先生が講義した次の週はカンボジア語科の先生が講義する、というようにリレー形式で一つひとつの国や地域について学べたので、毎回印象的でした。この授業を取ったことで、ひとつひとつ特徴が違うとはいえ、島国系は似ている文化があったり、タイ・ラオスは文字が似ていたりと結構グループ化されている東南アジアのなかで、ベトナムは唯一中国の影響が大きかった国だと知り、東南アジアの中でも特殊な国だということに気づきました。

 

―1つの授業で様々な国について知れるのは良いですよね。次に、語科と関係なく、外大の授業で面白かったものを教えてください!

体育の民族舞踊の授業です。日本の盆踊りを、毎回浴衣を着て練習しました。自分で浴衣を着られるようになったことが嬉しかったです。踊りも未だに覚えています!また民族舞踊関連ですが、ベトナムでは帽子を使って踊ったりします。外大にはベトナム民族舞踊サークルがあるので、ぜひ外語祭など機会があれば観てみてください。

 

―ベトナム民族舞踊、観てみたいです!ところで、今現在、ベトナムに関わる活動や仕事をしていますか。している場合、どのようなきっかけで始めましたか。

今はしていませんが、夏休みにベトナム人技能実習生の試験勉強を手伝うボランティアに参加しました。語科のLINEグループで募集がなされ、勉強したことが役に立つかもしれないと思い応募しました。技能実習生の目的というのは簡潔に言うと、海外から日本に来て、建設や農業等の実習で技術を身につけた後、帰国して母国の発展に役に立てることです。近年、日本も人材不足なのでWin-Winなはずですが、ニュースで報道されるように様々な問題もあります。

 

―そうなんですね!具体的にはどのような活動をしましたか。

具体的には、資格試験の勉強でわからない日本語の意味を説明したり、一緒に料理したりしました。初めて技能実習生と知り合ったので、新たに知ることが沢山ありました。また、彼らは、自転車の修理もすぐやってくれるなどなんでも器用にやっていました。料理も上手で、にんじんの皮むきの際にはピーラーとまな板を使わずにやっていて驚きました。しかし、そのような彼らも日本語には結構苦労していました。

他にも、日本に来たばかりで14日間隔離しなければならないベトナム人実習生たちにzoomで日本語を教えるという活動にも参加しました。多い時には実習生が20~30人、日本人がその半分くらい参加していて、ブレークアウトセッションを使って1人が2人の実習生に日本語を教えていました。

 

―貴重な体験ですね!話が大きく変わりますが、語科の卒業生はどのような進路に進む方が多いですか。また、将来やってみたい仕事や夢はありますか。

あまり詳しくは知りませんが、メーカーやコンサルなど様々だと思います。私自身は、ざっくりですがメーカーなどでベトナムや東南アジアと繋がりが持てる仕事をしたいと思っています。もしチャンスがあれば、ベトナム語を使った仕事もしてみたいと思います。

 

―なるほど!ちなみにベトナムではどんな日本のメーカーをよく見かけますか?

ベトナムはバイクが多いので、HONDAとかYAMAHAをよく見かけます。あとは、建設機械のメーカーも近年ではどんどん使われていると思います。

 

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ハノイの街並み

   

☆次回!ベトナム語科後編!

―コミュニティ通訳ゼミとは?外大生が実践する多言語サポートの世界!

―ベトナム、アメリカ、ウズベキスタン!留学で見た現地のお話!

 

文責:芝元さや香

(インタビュー実施日:2021年2月19日)

 

↓後編はこちらよりどうぞ 

tufs-russialove.hatenablog.com