東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

年越しのあとにある!?ロシアのクリスマス

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Привет!   ももです。今日は12月26日。まだぎりクリスマスですよね(笑)。みなさんクリスマスはどう過ごされましたか?今年はあまり遠くに出かけられなかったという人も、家でパーティーしたという人もいると思います。クリスマスなんか関係ねえよと普段通りに過ごした人もいるかもしれません。楽しみ方は人それぞれ、国それぞれです。ということで、今日はロシアのクリスマスについて紹介していきたいと思います。

 

そもそもロシアのクリスマスはいつなのか問題

ヨーロッパではクリスマスは12月25日、ヨーロッパからその文化を取り入れた日本でも同じです。しかし、ロシア正教ではユリウス暦という昔の暦を使っているためクリスマスは1月7日なのです。またロシアでは、正月のほうが盛大に祝われているため、クリスマスには特に何もしないという人も多いそうです。というより、クリスマスも新年の行事の一つとして捉えているのかなと感じました。そうなった理由は、ソ連時代に正教を含むすべての宗教が禁止されていたため、クリスマスが長い間祝うことができなかったからだそうです。クリスマスのアイテムから宗教的な意味合いが薄れて、新年を祝うものになっていきました。街ではイルミネーションや氷の彫刻のほかに、モミの木のツリーが飾られていますが、これもクリスマスツリーではなく新年を祝うためのものです。その証拠に多くのツリーには、「С рождеством.(メリークリスマス)」ではなく、「С новым годом. (あけましておめでとう)」という言葉が添えられています。日本では、ハロウィンの後はすぐクリスマスムード、クリスマスが終わったらすぐお正月ムードになりますが、このツリーは12月の下旬から1月の中旬ごろまで飾られているそうで、日本人からするとクリスマスツリーと門松を合わせたようなものなのかな?と感じました。

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しかし、クレムリン赤の広場ではコンサートやイベントが開かれ、ボリショイ劇場では12月から1月の期間限定でバレエ「くるみ割り人形」が公演されているため、クリスマス気分を味わうことは十分可能です。

 

青いサンタクロース???

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ロシアでは、サンタクロースの代わりに、Дед-мороз(ジェット・マロース)という青い服を着たおじいさんと、孫娘のснегурочка(スネグーラチカ)雪娘と呼ばれる女の子がソリに乗ってプレゼントを配ります。ジェット・マロースの故郷はヴェリキイ・ウスチュグには彼の家があって観光スポットになっています。魔法の杖と底なしの袋を持っていて、最近ではヨーロッパの影響で白や赤の衣装を着ていることもありますがサンタクロースとは別人です。またプレゼントを配るのは12月25日ではなく大みそかの夜です。

このジェット・マロースはもともとスラヴの民間伝承に登場する精霊で、冬の寒さの化身といわれています。Мороз(マローズ)はロシア語で寒波を意味します。ソ連ではクリスマスなどの正教の行事が禁止されていたため、1930年代に“新年を祝う”シンボルとして認められるようになりました。孫娘のスネグーラチカも民話の登場人物ですが、あまり記述が少なくあまり知られていませんでした。しかし1873年にアレクサンドル・オストロフスキーが戯曲『スネグーラチカ』を作り、それが大ヒットしたため新年のお祝いのシンボルとして有名になりました。彼女がジェット・マロースの正式な孫娘となったのも、ジェット・マロースが公式に認められた1930年代でした。最初は小さな女の子として描かれていたのですがだんだん成長した少女のイメージで描かれるようになったそうです。

 

ロシアのクリスマスの食事

新年からクリスマスにかけての時期は街のレストランが開いていないため、家で家族と豪華な食事を食べるのが一般的なようです。クリスマスのメニューは数種類のサラダ、イクラキャビアのオープンサンド、スモークサーモン、ニシンの燻製、ピロシキ、豚肉のグリル、ガチョウとリンゴをオーブンで焼いたものなどがよく食べられています。

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正教の儀式的な料理としてクチヤーというものもあります。これは煮た小麦と蜂蜜で作ったお粥です。

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今では、大抵小麦の代わりにお米や大麦が、蜂蜜の代わりに砂糖が代用されているそうです。またクーリビヤックというパイや、コズーリャというジンジャークッキーも古くからのクリスマス料理です。コズーリャは、アイシングで飾られ、おもちゃやお祝いの装飾にも使われます。

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また、シャンパンも欠かさず飲まれているようです。

 

おまけ・・・

今回ロシアのクリスマスについて調べるにあたって、クリスマスの様子が出てくるロシア文学も探してみました。いくつか紹介するので、興味がある人はぜひ読んでみてください!

 

ゴーゴリ『降誕祭の前夜』 

☆あらすじ:一晩だけ自由を手に入れた悪魔が「人々の頭の中を罪深い考えでいっぱいに」する。悪魔はクリスマス・イヴの夜に月を盗み、そのせいで真っ暗闇に包まれたディカーニカ村では大混乱が発生する・・・。

 

ドストエフスキー『キリストのヨルカに召されし少年』

☆あらすじ:ある町の地下室に貧しい母子がいる。6つにもならない少年は冷たくなっている母親を置いて地下室から脱出する。クリスマスツリーや煌びやかな装飾でにぎわう街を彼は食べ物を探して歩き回るが・・・。

 

 

以上、ロシアのクリスマスについてでした。ヨーロッパとも日本とも違ったロシアのクリスマス。この時期に行って体験してみたいですね!それでは「С наступающим Новым годом!(ス ナストゥパーユシム ノーヴィム ゴーダム)」よいお年を!

 

 文責:もも

 

*今日のロシア語*

Рождество(ラジュジェストヴォー)

 意味:クリスマス

 

【参考文献】

ロシアのクリスマスを超満喫できる7つの豆知識

https://www.spintheearth.net/travel_russia_ways_to_enjoy_xmas/

「氷の孫娘」の秘密 スネグーラチカとは誰か?

http://43419.tilda.ws/page2101830.html

ロシアのクリスマスっていつ?

https://sp.skygate.co.jp/sa_city/oversea/ru_christmas_fe

ロシアの聖夜:降誕祭の宴の食卓は

https://www.google.co.jp/amp/s/jp.rbth.com/cuisine/79473-seiya-no-kusage-no-shokutaku/amp