東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

東京外大生にインタビュー!第5弾【トルコ語科編】〈前編〉 

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トルコ語科Sさんへのインタビュー

 

Привет!(プリビェット;やあ)

こんにちは、トモヒトです!ロシア地域ロシア語専攻で、ロシア政治経済を勉強するゼミに所属しています!

今回、トルコ語科代表としてインタビューに協力してくれたSさんは、バイトの同期だった友達です!

僕自身トルコに関しては知らないことが多く、インタビューを通してとっても勉強させられました!

Sさんの旅行体験記もあります!是非最後までお読みください!!

 

Sさんについて 2018年4月に東京外国語大学言語文化学部トルコ語科に入学。一年次夏にトルコへのショートビジットを、二年次にトルコ~ギリシャ一人旅を経験する。今年9月から派遣留学を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響より断念。現在3年生3回生で、再来年(2022年)3月に卒業予定。

 

トルコ語科について15人前後の語科生で構成される比較的小規模な語科。Sさんの学年は、男女比1:2ほどだという。通称トル科。定期的に仲間内で食事会なども開催しているようで、比較的アットホームな語科と言えよう。

 

<学内生活編>

―外大に入学したのには、どんな理由があったの?

姉が外大のフランス語科で勉強してたんだ。外語祭にも行ったのだけど、外大が割と気に入って。語科は、世界史の資料集に載っていたモスクの写真に惹かれて決めた。学部は、文化により興味があるからという単純な理由で言語文化学部にした!

 

―俺は入試直前に外大に進路を決めたから、そうやって高校時代から外大を目指して入学した人には本当に頭が下がる!モスクの写真がきっかけでトル科に決めたということだけど、実際に外大のトル科に入ってみてどうだった?日常はどんな感じ?

うん、先生はペースを見ながら授業をすすめてくれるし、トルコ語は日本語と近くて結構勉強し易いからよかった。言語が難しくて勉強が嫌になることがなかったのは、良かったなあと思う。一年生のときに語科のみんなでトルコへ短期留学したり、定期的に食事会をしたりしていて、楽しくやっているよ。

 

―ロシア語はすごく難しいから、専攻語が勉強し易いのは憧れるな~。授業はどんな感じで進む?

馴染みのない文字だし、ロシア語はむずかしそう・・・。(トルコ語では現在ラテン文字トルコ語アルファベット)を使用している)トル科は、一年次は文法、ネイティブの会話、秋学期から講読で、二年次以降は会話と講読が中心だよ。ネイティブは1人で、日本人の先生は3人くらい。

 

―そういえば、Sさんは記事翻訳の活動をしているんだよね?一体どんな内容なの?

実は、外大が運営しているサイトで、海外メディアの記事を翻訳するTUFS mediaというものがあるのだけど、そこの中東メディア担当として和訳記事を書いてる!3年生以降の学生に声がかかっていて、政治・経済・文化などに関わる現地メディアの記事を先生に割り振ってもらって、という感じ。トルコ関連では、トルコ学生会議という団体にも所属しているよ。

 

(参考 TUFS media:http://www.el.tufs.ac.jp/tufsmedia/

 

<ゼミ編>

―ゼミではどんな内容を勉強しているの?

ゼミは、語科ゼミ(自身の専攻言語と学習領域がつながっているゼミ。例えばSさんの場合なら、トルコ地域やトルコ語の研究を行うゼミ。ゼミとは、少人数の学生と教員が自らの発表や討論により切磋琢磨する教育形式を念頭においた授業のこと)ではなくて、イスラム圏の文化を研究するゼミに入ってる!このゼミに決めた理由は、トルコ人や彼らの文化を理解しようとするにはイスラムを学ぶ必要があると思ったから。トルコだけじゃなくて、中東とか他の地域もカバーしてるんだ。イスラムという宗教に基づいた食生活や衣服、断食月、結婚などの文化に関する色々な資料をプレゼンテーションしているよ。アラビア語科とか、トルコ語科以外の学生も一緒なんだけど、Zoom授業だからまだ全然話したことないんだよね・・・。ちなみに、トル科の語科ゼミは一つしかないみたいだよ。

 

イスラムという一つのワードで色々な地域がつながるのは面白いね!

そうだね。ゼミで気づいたことの一つは、現地の人々の考え方の背景にある宗教というフィルターを通して見てみると、文化がよく理解できるということ。例えば、トルコ人のおもてなし精神とか。少し話は変わるけど、考え方って言葉にも表れるよね。トルコ語にはinşallah (インシャッラー)という言葉があって、直訳で「神の御心のままに」という意味なんだけど、「だといいね」というような意味で使われてるよ。ゼミを通して、偏見やステレオタイプに気づいた上でそれらが実際のところどうなのかを知る体験ができていると思う。ハラールフードのビジネス的な側面に気づいたりもした。

 

―なるほど。ロシア語のСпасибо(スパシーバ;ありがとう)も、「神のご加護を」っていう原義だよ。卒論は何について書く予定なの?

ドイツの70年代トルコ系労働移民について書くのが面白そうだな、と思ってる!第二世代、第三世代と続いていて規模が大きいから、様々な側面から研究できるかなって

 

―知ってる!ガストアルバイターってやつだよね!ところで、留学が取り消しになって、今就活しているよね?希望進路はあるの?

正直、あんまり決まってない・・・(笑)専攻語に関わる仕事に就けたらいいな、とは思うけど、やっぱり選択肢が狭いから諦めざるを得ないのかなって・・・。

 

ガストアルバイター:ドイツやスイスで、一時的滞在者として扱われる移民・難民の外国人労働者。客員労働者。

https://kotobank.jp/word/%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC-229985より)

 

<旅行編>

―さて次は海外経験について聞いていきたいと思うんだけど・・・

旅行といえば、一か月くらい使って、二年生のときにトルコへ一人旅に行ったよ。トルコだけじゃなくて、フェリーとかを使ってギリシャの島とかも巡ったんだけどね。

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夜景にモスクが映える

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雑踏の中にイスタンブルの賑わいが感じられる

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アヤソフィア(ハギア・ソフィア)

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―そうなんだ!1か月って凄い!トルコとギリシャって地理的に近いから、文化が似ているところもあったでしょ?

そうだね、例えば食べ物では、トルコにはロクム(Lokum)(ターキッシュ・ディライト(Turkish Delight)とも呼ばれる)というお菓子があるんだけど、ギリシャでも似たようなものが食べられてた。あとは、トルコではナザールポンジュウ(Nazar boncuğu)と呼ばれてる魔除けのお守りが、ギリシャにもあったり。

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うず高く積まれたロクム(ターキッシュ・ディライト)

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青色が美しいナザールポンジュウ

―どんな旅程で巡ったの?

南から北上して、アンタルヤイズミルとかも巡って、地中海沿いに北上していった。途中で現地の人の家に泊めてもらったり、宿で働く代わりに泊めてもらったりして案外旅費はやりくりできたなあ。エフェソス公会議の遺跡とか、当時は聖地とされてたデロス島とかも行ったんだけど、聖なる雰囲気みたいなものを感じた!あと、お気に入りのモスクが出来たよ!Pertevniyal Valide Sultan Mosque(ヴァリデ・ジャーミー)っていうんだけど。

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ヴァリデ・ジャーミー

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ギリシャの快晴はまさに“蒼天”

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世界史の教科書でみたことありますね

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―モスクもギリシャもすごくきれい!人とのご縁で豊かな旅行になったみたいだね。

やっぱりトルコ人はおもてなし好きだなあと思うよ。アンタルヤで出会ったご夫婦には、イスタンブルで過ごすときにご自宅に泊めて頂いたんだよね。もちろん多少の警戒心はもつようにしているけど、この人たちなら信頼できるって思ったから。今でもSNSで連絡が続いてる!あとは、イズミルでホステルに泊まったときに相部屋だったアルジェリア人の女の子とは、一緒に観光地を回ったよ。モスクで彼女が礼拝する様子を間近で見せてもらったなあ~。治安は、時間と場所を気を付ければ問題ないと思う。

 

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アンタルヤの横丁

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うららかなアンタルヤの日差し

  

☆次回!トルコ語科後編!

―トルコの有名人・文化とは?

受験生必見!高校世界史で登場するトルコ×ロシア!

―そして今日のトルコとロシアについても!

可愛いお猫様の写真もあります!明日更新です!ぜひチェックしてください!

 


文責:トモヒト

 

↓後編はこちら

tufs-russialove.hatenablog.com