中央アジア地域ロシア語・ウズベク語専攻Kさんへのインタビュー
―外大に入った理由と、なぜウズベク語専攻を選んだのか、学部はどうやって決めたかを教えてください。
私が外大を志望したのは、高校の世界史の先生が外大の話をよくしていて英語以外の言語を専門にするのは面白そうだと思ったからです。外大の海外留学制度が充実していることも決め手になりました。
ずっと国社(国際社会学部)の西アジア・北アフリカ地域アラビア語志望だったのですが、センターリサーチの結果が危うかったので、その次に興味があった中央アジア地域に直前で変更しました。
言語文化学部よりも勉強の幅が広そうだと感じたため、国際社会学部を選びました。
―当初国社の西アジア・北アフリカ地域(アラビア語科)が第1志望だったということですが、イスラーム圏に興味があったのでしょうか?
イスラームもそうなのですが、それに限らず、文明の十字路というか、いろいろな文化の交流点になっている場所、例を挙げるとするとモロッコやトルコや中央アジアのような地域に高校の頃から興味を持っていました。そのような多様な文化、宗教があり、多様な民族が暮らす地域の方が多様なことを学べると思って。
―なるほど!中央アジア地域専攻には、実際に入ってみてどうでしたか?良い意味でも悪い意味でも、思っていたことと異なったということはありましたか?
勉強時間が多いことに驚きました。毎日初めて学ぶ言語の授業があるうえに、予習・復習が大変で…最初の頃は苦労しました。良い意味で驚きだったことは、短期留学やスタディツアー、長期留学など留学の種類がたくさんあったことです。
―中央アジア専攻に入って良かったことは何ですか?
大語科と小語科の良いところを両方味わえるところだと思います。ロシア語科の先生の授業も受けられるのに加え、中央アジアの地基礎やウズベク語のアットホームな雰囲気も味わえるというのは、中央アジア専攻の魅力です。
また、同じ学費なのに専攻語が2つあるのはお得な気がします。最初はウズベク語なんてどこで使えるんだ・・・と思っていましたが、中央アジア地域に留学したとき、勉強しておいてよかったと思う瞬間が何度もありました。
―逆に、入って後悔したことや辛かったことはありますか?
特にはないですが、強いて言えば、他の大学の人に自分の専攻について説明するのが難しいということです。本当はウズベク語なのに「ウズベキスタンってウズベキスタン語?」とか、「スタン」がつく他の国と間違えて「留学先アフガニスタン?」と言われることがしばしばあります。
―言語の勉強はどのように進みますか?(例:ロシア語科の場合、一年次はネイティブを除きすべて文法、二年次はほぼすべて講読。)
中央アジア専攻の場合、1年次ではロシア語科と同じカリキュラムで学びます。そして、2年次にウズベク語の授業が始まります。文法2コマ、ネイティブ1コマです。3年次のウズベク語は、講読2コマネイティブ1コマとなります。
—2年次以降は、ロシア語は必須の授業ではなくなるのですか?
そうですね、必須ではなくなります。ただ、国社(国際社会学部)の場合、ロシア語を最低14単位(1年次の授業数だけで間に合う)、ウズベク語を最低12単位含む形で、卒業までに36単位分言語科目を履修する必要があります。私はロシア語圏への留学を考えていたこともあり、継続してロシア語の授業を取っていました。
言語単位の内訳は自由で、GLIP(英語専攻以外の人向けの英語の授業)でも教養外国語(いわゆる第二外国語)でも、なんでもOKでした。私は教養外国語でまず朝鮮語、続いて中国語も取っていたので、1学期に3、4言語並行して学習していました。
—ただでさえ専攻言語が2つもあるのに更に教養外国語にも挑戦できるのはすごいです!
中央アジア地域の1年生はロシア語科といつも一緒に行動しているイメージがあるのですが、1年生の頃から中央アジア地域のメンバーだけで受ける授業はあったのですか?
中央アジア5ヶ国の歴史や文化について学ぶ、中央アジア地域基礎(中央アジア研究入門)の授業は、ロシア語科ともモンゴル語科とも別で、中央アジア専攻の学生だけで受けていました。ウズベク語の授業は1年次ではまだありませんでしたが、語科のメンバーと仲良くなる機会は結構ありました。
―中央アジア地域の学生の雰囲気を教えてください!
先輩後輩の仲がいいと感じます。学年を越えて、大体の顔と名前がわかるのも1学年13人程度の小語科(語科の人数が15名程度の小規模な語科のこと)ならではですね。
―語科の卒業生はどのような進路に進む方が多いですか?
大学院に進む方もいますし、公的機関に就職される方も民間企業に就職される方もいます。様々だと思います。
―中央アジア地域関連で面白い授業にはどのようなものがありますか?
いずれも国社地域社会研究コース選択科目ですが、中央アジア史概説、中央アジアにおける中露外交の歴史、ロシアにおけるイスラームの歴史 などがあります。ロシア、イスラームなど関連のある分野と合わせて勉強すると全体像が見え、理解が深まるように思います。
【留学についてのあれこれ】
―留学や旅行の経験について教えてください。
キルギス・ビシュケクへ旅行をしたことがあります。また、ウズベキスタンのスタディツアーへも行きました。
長期では、カザフスタン・アルマトイに7か月間留学をしました。カザフスタンの首都はヌルスルタンですが、1998年まで同国の首都であったアルマトイが、経済、教育、文化などの中心地とされています。
―Kさんはウズベク語専攻ですが、長期で行ったのはウズベキスタンではなく、ロシア語とカザフ語の話されているカザフスタンだったのですね。
―カザフスタン留学中に印象に残った場所を教えてください!
シンブラック。これぞ冬のアルマトイ、という感じの雪景色が楽しめるところです。
また、チャリンキャニオンも印象に残っています。中央アジアのエアーズロックと言われている場所です。写真としては一番映えるかもしれません(笑)。
―「なんだカザフ人じゃないのか」
―「カザフ人と日本人は遺伝学的には兄弟なんだよ!」
―「俺はカザフ語で喋りたいんだ!」
Kさんの将来のお話や毎回恒例ロシアとの繋がりトークに加え、多民族・多国籍・多宗教の多様性溢れる場所、カザフスタンでの経験談たっぷりでお届けします!明日更新です!お楽しみに!
文責:川又
↓後編はこちら
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