東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

東京外大生にインタビュー!第2弾【フランス語科編】〈後編〉

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 フランス語科リカさんへのインタビュー

 

↓前編はこちらよりどうぞ

tufs-russialove.hatenablog.com

 

【フランスとロシアの関わりについて】

―フランス語とロシア語―

芝元:実は今年から教養外国語(:第2外国語)でフランス語を取り始めたんだけど、フランス語って綺麗だな~って思った。それに、ロシア語に男性・女性・中性の文法性があるから、フランス語の男性名詞や女性名詞はとっつきやすかった。でも、フランス語はどの単語が男性名詞か女性名詞か判別するのが難しくない?

リカさん:確かに。あまり規則は無いかも。

芝元ロシア語は名詞の最後の文字でどの性かわかるけど、フランス語は本当にわからなくてテストが大変だった(笑)

リカさん:なんとなくこれは女性名詞!みたいなのはあるけどね。結構冠詞と一緒に覚えるかも。でも完璧に覚えていないから、どっちだろう!?ってなることが本当によくある。

芝元:冠詞とセットで覚えるのは天才的!ロシア語には冠詞が無いけど、冠詞があるとそういう覚え方に繋がるのね。今後のフランス語の勉強に役立てます。

リカさん:そういえばどうして教養外国語でフランス語を選択したの?

芝元:1年生の冬学期に1か月ほどモスクワに留学した時に現地の授業で、先生がこの単語フランス語から来てるんだよって教えてくれることが何度かあったり、そこで出来たロシア人の友達が何人か第2外国語でフランス語を勉強してたりしたからフランス語にした!ちなみにフランス語からの借用語がロシア語には沢山あるみたい。

 

― ここでフランス語から借用したロシア語が掲載されているサイトを見る ―

(https://www.le-francais.ru/oh-la-la/adopte/)

 

リカさん:沢山あるね!

芝元:ロシア語でバスって意味のавтобус(アフトーブス)とか自動車って意味のавтомобиль(アフタマビーリ)とか。プールって意味のбассейн(バセーイン)もフランス語からの借用語。え?この単語もなの?っていうのが多い。

リカさん:へ~、凄く似てる!ロシア語できるかもしれない(笑)

芝元:単語は覚えやすいんじゃないかな。

 

芝元:それと、去年私達が外語祭の語劇(:外語祭で2年生が専攻語で行う劇のこと)でやったプーシキンの『大尉の娘』の中にもフランス語を話すキャラクターが出てきたよ。読んだことは無いけど、ドストエフスキーの『罪と罰』にもフランス語が登場するらしい。

リカさん:そうなんだ!

芝元:うん。ロシアの貴族はフランス語も喋っていたみたい。調べてみたんだけど、フランス革命の時にフランス人がロシアに結構亡命しにきてたらしいよ。

(参照:https://jp.rbth.com/arts/2017/06/04/776127) 

リカさん:たしかに。この時、フランスの貴族は結構亡命したみたいなんだよね。その亡命先にロシアがあったんだ!

 

―フランスとロシアの芸術―

芝元:ところで、「移動」繋がりだと、私の好きなロシアの画家のひとりにジナイーダ・セレブリャコワっていう女性がいるんだけど彼女はパリに留学してたみたい。そしてパリに移住したそう。

 

― ここでジナイーダ・セレブリャコワのWikipediaを見る ―

 

リカさん:この人印象派なんだね!

芝元:ほんとだね。

リカさん1884年に生まれて…ということはポスト印象派かな。

芝元印象派ってそのくらいの時期に盛んだったの?

リカさん1860年代、70年代、そして80年代くらいが結構活発だったかな。

 

― ここでWikipediaに載っているジナイーダ・セレブリャコワの絵を何枚か見せる―

 

リカさん:光と闇のコントラストをしっかりと描いているのが面白いね。

芝元:なるほど。そういえばロシアにも偉大な印象派の画家がいたみたいだけど、フランスの影響を受けている人はいるのかな?

 

― ここでRUSSIA BEYONDの「ロシアロシア印象派絵画のヴェール:偉大な5人の画家」という記事を読む ―

(https://jp.rbth.com/arts/80184-roshia-inshoha-kaiga)

 

リカさんコンスタンチン・コローヴィンという人がパリにある通りの絵を描いているね。

芝元:そうだね。パリにも滞在していたみたい。ウラジーミル・バラーノフ=ロッシーネという画家もパリに住んだみたいだよ。結構フランスの美術の影響を受けているロシアの画家っているんだな~。それに、ロシアに「ロシア印象派美術館」っていう印象派の絵画の美術館があるみたいだから、個人的な意見だけど、ロシア国内で一定のポジションを印象派は持っていたんじゃないかなとも思った。とにかく芸術大国っていうのはロシアとフランスで共通してるみたいだね

リカさん:確かに!そういえば、バレエとかオペラとかにもロシアとフランスの関わりがあると思うな。前にオペラ座の歴史に関する本を読んだんだけど、一時期オペラ座の経済状況が悪化しているときにロシアから人を呼んで活発化させたみたいなことが書いてあった。文化面での交流があるのかもしれないね。

 

―フランスとロシアの政治的繋がり―

芝元:ここまで話してきて文化の関わりは結構見つかったけど、政治的な繋がりはどうだろう。一番に思い浮かべるのは露仏同盟かな(笑)

リカさん:露仏同盟~!世界史で習ったね。

 

芝元:それと、この前、マクロン」と「プーチン」で検索してみたら、黄色いベスト運動(:2018年にフランスで発生したマクロン政権に対する大規模な抗議運動のこと)についての記事が出てきたよ。(参照:https://jp.reuters.com/article/france-russia-idJPKCN1VA056) プーチンは「黄色いベスト運動」の時のフランス政府について批判して、それに対して、マクロンプーチンの野党に対する選挙での扱いを批判したみたい。ところで、少し飛躍した質問かもしれないけど、フランスの学生は主張がしっかりしてるなぁとか感じることはある?個人的にフランスは「黄色いベスト運動」のような運動が活発なイメージがある。

リカさん:そう感じることもあるかな。実際に社会問題に興味ある友達がいるよ。ただし、みんながそういうわけじゃないと思うけど。ちなみに、中学高校の段階で日本は暗記中心の教育だけど、フランスの教育は暗記じゃなくて自分の頭で考えて因果関係をちゃんと理解してみたいな、論理的に自分で物事を言えるようにっていう教育が行われているらしい。そこが日本と違うのかなと感じるし、それゆえに若い人でも政治に興味があったりするかなって思う。

芝元:いいな~!その教育受けてみたかった。私もロシアの友達が意見をしっかり言ってるのを何度も見てきて、毎回すごいなって思う。

リカさん:そうだよね。留学生とのディスカッションがあっても、自分の意見がぼんやりあるような感じはするけどなかなか相手を納得させるように話せないとかある。フランス人の学生の意見を聞いていると、そんなの考えたこと無かった!ってしばしばなるから、やばいなって思うことも…。

芝元:凄くわかる。良い意味で焦るよね。

 

芝元:今日はインタビューを受けてくれてありがとう!興味深い話を沢山聞けて良かった。特にフランスとロシアの関わりについて、こんなに多く見つかると思っていなかったからびっくりした!また機会があればぜひフランスとロシアについて語り合おう!

 

リカさんご協力本当にありがとうございました!

 

それでは、さようなら!пока(パカー)!

 

追記:リカさんは他にも沢山写真を送ってくださいました!

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アルルの円形闘技場遺跡

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シャンブルドットの部屋の中

 

文責:芝元さや香

(インタビュー実施日:202081日)

 

*ジナイーダ・セレブリャコワのWikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A3%E3%82%B3%E3%83%AF(最終アクセス:2020年8月1日)