東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

東京外大生にインタビュー!第2弾【フランス語科編】〈前編〉

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フランス語科リカさんへのインタビュー

 

Здравствуйте (ズドラーストヴィチェ)!こんにちは!

ロシア専攻3年の芝元です!

私は国際社会学部に所属していてゼミではロシアの政治・経済を学んでいます。

 

他語科とコラボ企画ということで、今回私は1,2年生の時に外語祭実行委員会で共に活動していたフランス語科のリカさんにお話を聞いてきました。

 

実は3年の春学期に教養外国語(※第2外国語のようなもの)としてフランス語を履修していたのでこのような機会を得ることが出来てとても嬉しいです!

では早速本題に入りたいと思います!(^^)!

 

リカさんについて 2018年4月に東京外国語大学言語文化学部フランス語科に入学。現在3年生で2022年卒業予定。1年次の冬学期と2年次の夏学期にそれぞれ1ヵ月ほどフランスへ短期留学。フランスの美術に興味があり、卒論ではフランス印象派絵画について執筆予定。

 

フランス語科についてフランス語科には、言語文化学部・国際社会学部合わせて1学年あたり約60人ほどの学生が在籍しています。男女比はその年によって様々ですが、リカさんの代は男子:女子が1:5だそうです。ちなみに、外大生の間ではフラ科と省略されて呼ばれています。

  

【大学生活について】

―留学生との交流―

芝元:こんにちは!今日はよろしくね。早速だけど、大学生活はどう?

リカさん:やっぱりオンライン授業は大変かな。友達にも会えないから少し退屈かも。コロナが流行る前にしていた留学生との交流が恋しい。

芝元:留学生と交流してたんだ!良いね!そのきっかけって何だったの?

リカさん:きっかけは1年生の時に留学生の日本語の授業にボランティアで参加したこと。最初はフランスに関わらず色々な国の人とお昼ご飯を一緒に食べたり、授業でお話したりしてた。それと、先輩が日本人学生とフランス人学生の交流会を開催してくれていたからそれにちょこちょこ参加したり。

芝元:なるほどね。最近、といってもコロナが広まる前はどんな感じで交流していたの?

リカさん:先輩が開催してくれていた交流会が、私が2年生の時に自然消滅しちゃったから、今度は私が日本人学生とフランス人学生の会を作って、お昼休みに集まって一緒にご飯を食べながら交流していたよ。

芝元:自分で積極的に機会を作ったんだ!すごい!

 

―大学の授業―

芝元:今年の春学期にとったフランス地域関連の1番面白かった授業を聞いてもいい?

リカさん:火曜2限の「パリ市を通して見るフランス社会」っていう授業がとても興味深かったよ。

芝元:へえ!その授業ってどんな感じだったの?

リカさん:フランスは移民が多い国なんだけど、お金持ちが移住してくることもあれば、難民が職を求めて来ることもあるのね。これは特にパリで顕著なの。それで、パリには1区から20区まで行政区があるんだけど、何区にはこの地域からの人が多い、この区には富裕層が集まっている、あの区には貧困層が集まっているとか、区によって特徴があるの。こういう地理的な視点から社会問題を導き出すっていう授業だったよ。

芝元:そうなんだ!めちゃくちゃ興味深い。それに、パリに20区もあるなんて知らなかった。パリって大きい都市なの?

リカさん:そんなことないよ。パリは小さい都市で、町田市くらい。

芝元:ええー。それなのに地区によって差があるのって凄いね。

リカさん:うん。1区1区狭いんだけど、区域ごとで違う雰囲気があるみたい。

芝元:そういうことを学べるのって外大ぽくって良いね。

リカさん:本当にそう!それに、留学の時にパリを小旅行する機会があって、ネットとかでどこどこの地区の治安が少し悪いとかなんとなくは知ってたんだけど、それをこの授業で具体的に聞けたから良かった。

芝元:なるほど。ところでさっきフランスは移民が多いって言っていたけど、彼らはどの地域から来るの?

リカさん:色々なところから。植民地時代にフランスが支配していたベトナムとかインドシナの方から来ている人もいれば、アフリカ、中東から来ている人もいる。

芝元:本当に多国籍なんだね。ちなみにロシアも移民が結構いるよ。だけど、フランスみたいに世界中からというよりは、旧ソ連地域から出稼ぎで来ている人が多いみたい。

リカさん:そうなんだ!

 

―ゼミ―

芝元:リカさんはどんなゼミに入っているの?

リカさん:語科ゼミ(:同語科の学生が多く集まる、地域研究に特化したゼミ)だよ。フランスの美術や文学を中心に、自由に好きな研究ができる。私はフランスの美術、特に印象派の絵画が好きだからこのゼミに入ったよ。

芝元:ゼミではどんなことをしているの?

リカさん:フランス文学を読み解く色々な方法を教授から学んで、実際にその方法を使って美術作品や映画、文学作品を分析しているよ。

芝元:なるほど!分析って具体的にどんな感じなの?

リカさん:例えば、今学期はジュール・ヴェルヌって人の作品を通して色々やったんだけど、文学の流派の中でテーマ主義というのがあるのね。私もあまり理解できていないんだけど…。ある一つの作品の中に作者がこれをテーマにして書いたってものがあるけど、それとは別に裏テーマがあるんじゃないかって思いながら読んでみようみたいな。春学期では、ひとりひとり好きな映画や絵画、小説をテーマ主義の観点から分析して発表をしたよ。

芝元:謎解きみたいで面白そう!

リカさん:そう!面白いの!あと、骸骨ばっかり出てくるリメンバーミーのような子供向けのアニメーション映画を観て、その作品の中の生と死について考察したりもしたよ。この作品の中のこのキャラクターのこのセリフとこの衣装、このシーンの色の感じとかこれが生を表して、これが死を表すみたいなそういう分析の仕方を学んだ!

芝元:めちゃくちゃ興味深い!普段から作品を観るのが楽しくなりそうだね!

 

―日仏学生フォーラムでの活動―

芝元:今何かフランスに関わる活動をしてる?

リカさん日仏学生フォーラムっていう団体に所属しているよ。

芝元:そうなんだ!いつからその団体に所属しているの?

リカさん:今年の1月から入ったよ。というのも、友達や先輩が所属しているからこの団体の存在は前から知っていたんだけど、条件が英語とフランス語ができることだったから、無理!って思って1年生の時は様子見してた。

芝元:なるほどね!その団体ではどんなことをしているの?

リカさん:フランスのパリにも同じ団体があるんだけど、その団体と夏に渡仏来日プログラムを行っているよ。隔年でフランスに日本人学生が行ったり、日本にフランス人学生が来たりしてる。今年は日本人がフランスに行くはずがコロナで中止になっちゃったけど、本来であればその渡仏来日プログラムを中心としてそれに向けた準備をしているよ。渡仏の時は企業訪問、文化施設訪問、小旅行をしたり、毎年決まったテーマについてのディスカッションを行って、それを何らかの形でまとめてシンポジウムで発表したりする。

芝元:へえ!かっこいい!!

リカさん:逆にフランス人学生が来日するとき、日本側は凄く準備する。去年はフランスで日本の文化紹介をしてくれたから、今年は日本で文化紹介をやろうってなってたけどコロナで出来なくなっちゃった。

芝元:コロナが憎いね…。今はどんなことをしているの?

リカさん:今年フランスに行けないからその代わりに何かできないか模索してる。それと、記事を執筆したり、調べ物をしたりしてる。

芝元:活発なんだね!すごい!

 

【留学について】

芝元:リカさんはフランスに留学したことはある?

リカさん:あるよ!1年生の冬学期と2年生の夏学期にフランスに短期留学をした。それぞれ1か月の短い期間だったけど、色々な人に出会って、色々な所に行って、本当に沢山のことを学んだよ。

芝元:めちゃくちゃ良いね!じゃあ実際に留学に行ってフランスのことがもっと好きになった?

リカさん:そうだね!

芝元:印象は良くなった?

リカさん:良くなったところもあれば、悪くなったところもある。

芝元:そうだよね~。どんなところの印象が悪くなった?

リカさん治安の悪さがちょっとね。日本が安全すぎるっていうのもあると思うけど。スマホを取られそうになったり、ジプシーの人に追いかけられたりとか。

芝元:それは怖いね。

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ゴッホが晩年を過ごした保養所の庭

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南フランス特産のムール貝

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アートセンターの中のお洒落なカフェ

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ランス大聖堂の内部

芝元:留学中に何か新たな目標とか出来たりした?

リカさん:目標というか…将来の夢ができた!

芝元:そうなんだ!すごい!どんな夢?

リカさんフランスでシャンブルドット(フランス版民宿)を経営すること!

芝元:素敵!ちなみにシャンブルドットはどんな感じなの?

リカさん:ホテルほど大規模じゃないけど日本人のイメージする民宿よりもちょっとおしゃれっていうのがフランスでは多いかな。

芝元:へ~! シャンブルドットはフランスには沢山あるの?

リカさん:フランスではメジャーだよ。

芝元:留学中に実際に泊まってみたの?

リカさん:そう!留学の時に、凄くインテリアとか凝ってる宿に泊まってめちゃくちゃ良いなって思った。私もこういうことをやりたいな!って思った。

芝元:本当に素敵!

リカさん:そういえば、フランスの小さな村で日本人が経営しているシャンブルドットがあるんだけど、そこに行ってみたい。

芝元:そうなのね!今はなかなか行けないよね…コロナめ。

 

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リカさんが宿泊したシャンブルドット

 

☆次回!フランス語科後編!

意外と多い共通点!フランスとロシアの関わりを言語から探る!

―芸術大国の画家たち!印象派についてさらに深掘り!

―「良い意味で焦る」フランスとロシアの留学生の印象って?

シャンブルドットはじめ、思わずため息が出ちゃう素敵なフランスの写真も掲載されます!明日更新です!ぜひご覧ください!

 

 文責:芝元さや香

(インタビュー実施日:2020年8月1日)

 

↓後編はこちら

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