大学1年から現在(3年)までのロシア語学習人生を振り返る
プリヴィエット!こんにちは、東京外大ロシア語専攻3年のRです。「私のロシア語勉強法」といっても、私はロシア語弱者なので、「真似するといいよ」といえるような勉強法は確立できておりません。
しかし、私の失敗談から反面教師として少しは皆さんにお伝えできることもあるのではないかと思ってこの記事を書いています。
ちなみに結論から言うと、私が自身の経験から言えることは三つ。
「音読をしよう」、「授業の復習をしよう」、「単語を覚えよう」。以上です。
...と、ここで終えてもいいくらいなのですが、せっかくなので、ちょっとばかり私のダメダメロシア語学習人生を一年次から現在に至るまで振り返ってみようと思います。
① 1年次 ―発音と文法―
入学前の春休みは、「ロシア語習字ノート」という習字帳をやる程度で、他は特に何もやりませんでした。
やはり、大学での授業が始まってからが本番です。不思議なことに、独学ではまったく進まないものでも、その道のスペシャリストに教わるとスイスイ進むのです。一日でキリル文字のアルファベットを覚えた後は、一年かけて文法事項を一通り学びました。使用教材は「大学のロシア語」です。
また、週に一度のネイティブの授業では、発音をみっちり教わりました。私は結構発音で褒められることが多いのですが、それはこのときのネイティブの先生のお蔭だと思っています。
このように、外大での授業は真面目に受けていたのですが、なんといっても私は夏休みと春休みに全くといっていいほどロシア語の勉強をしませんでした!これが、私が今もなおロシア語弱者たる最大の要因に違いありません…。夏学期/冬学期の自主学習は大切です。ほんとうに。
② 2年次 ―辞書が友達―
2年目は、ほぼすべての授業が講読になります。個人的には、2年生の時が一番つらかったです。購読の授業は予習が必須なのですが、単語を調べるのにとても手間がかかるため、単語調べ以上の予習(文法事項の確認や訳文の作成など)ができないこともしばしばありました。全く効果的に授業を受けることができていなかったなあ…と後悔しています。
2年次にもっとやっておけばよかったと後悔しているのは、なんといっても単語を覚えることです。これは私の悪い癖で、復習というものが本当に苦手でして、いえ、苦手というのは完全に言い訳ですが、とにかく予習しかしないため、一度出てきた単語をいつの間にか綺麗さっぱり忘れてしまうのです…。
また、1年次に長期休暇中の勉強は大切だということを体感したにも関わらず、相変わらず私は夏休みも春休みも勉強しませんでした!馬鹿ですね!
③ 3年次春 ―応用―
3年の春学期は、ロシア語の授業を2コマしか取らなかった上にコロナウイルスの影響で部活がなかったため、かなり予習を細かく行うことができました。それでも私は学習しないアホなので復習を全くせず、またもや単語が左から右へ抜けていってしまったのですが…。(良い子は真似しないでね!)
ただ、2年次に一応こなした数々の講読の授業、そして3年の春学期に取った講読のお蔭で、「辞書を引けば、少し込み入った文章でも意味を取れる」という風には成長したかなと思います。
また、2年の冬学期(春休み)~3年の春学期の間、「ロシア語のシャドーイング・トレーニング」という参考書を使って速いロシア語を聴き取る&話す訓練を時折していました。
こちらです。
この参考書の良い所はなんといってもCDがついているところです。中級以上の学習者を想定しているためか、かなりスピードが速い点も個人的には嬉しいです。過激な主張かもしれませんが、私は、語学を勉強する際にCDがない教科書・参考書の類は、使ってはいけないと思っています。声に出さないと外国語は覚えられないし、使い物にならない。それが私の信条です。
少し話は逸れますが、「大学のロシア語Ⅰ」という教科書は、文法を学ぶのにはとても適しているのですが、個人的には本文がない(1章ごとにまとまりのある長文を持たない)ことに少し不満があります。例文はありますが、例文というのは一つ一つがぶつ切りの、意味の繋がりをもたない文章なので、暗記しにくいのですよね…。
実をいうと、高校生の時に英語の学習に際して全く同じ経験をしたのです。私は、英作文の力を伸ばすため、「英作文の栞」という例文集を買い、すべて暗記することを試みたのですが、全く覚えられず挫折してしまいました。じゃあ別の勉強法を試してみよう、ということで、当時高校二年生の私は、授業で使っていた英語表現の教科書の本文を暗記することを思いつきます。25章ほどあったはずですが、これを1日5章分、それぞれ5回ずつ音読していきます。この試みは上手くいきました。おおよそ本文を全て覚えきったのです。それからの私の英作文は、英作文とは名ばかりで、暗記した英語表現の教科書から英借文ばかりしていました。
…という経験があるため、「ロシア語の教科書にも長文がついていたら、そしてそれにCDがついていたら、丸暗記できるのかもしれないのになあ」という思いがどうも浮かんでしまうのです。
なぜここでこの話を挟んだかというと、私は教科書の代わりに「ロシア語のシャドーイング・トレーニング」を使ってこの試みをしようかなと思っているからです。まだそこまで熱を入れてこの参考書を使って勉強しているわけではないので、成果をお伝えすることはできませんが…。
ちなみに「大学のロシア語Ⅱ」の方にはいくつか長めの文章が載っているのですが、残念なことにこちらにはCDがついていません。
④ 現在
さて、話を戻します。
今、つまり3年次の夏、私は一体どのような勉強をしているのか、ということですが…。最近はТРКИ (テー エル カー イー/ロシア語検定試験)やロシア語能力検定試験の過去問を解いたり、チェーホフの作品を読んだりしています。スピーキング力を伸ばすため、日露タンデム学習(大学の夏学期の講義)にも参加しました。
しかし、ブログを書くためにこうやって自分のロシア語学習人生を振り返っているうちに、どう考えても今私がすべきことは「語彙を増やすこと」と「今までの授業の復習をすること」、「音読を熱心にすること」なのではないかと思うようになりました…。
今まで自分自身がどのような勉強をしてきたのか、何が良くて何がいけなかったのか、ということをあまり振り返りもせず生きてきたのですが、今回の特集のお蔭で、私はいつまでたっても失敗から学ばない馬鹿だということ、そして復習は大切だということに改めて気づきました。幼稚な感想ですが、真理です。
復習は大事です。そして単語を覚えましょう。音読もしてください。
私も今日からは心を入れ替えて復習の鬼になりたいと思います!(できるのだろうか…)
【おまけ】
…と、ここまで勉強法についてつらつらと述べてきたわけですが、実のところ、語学においてなによりも大切なのは、好奇心を持つことなのではいかと思います。これは、ロシア語に限った話ではありません。
これは、以前、夏目漱石の「私の経過した学生時代」という随筆を読んで思ったことなのです。
夏目漱石は日本を代表する大文豪である前に英文学者でもあるわけですが、彼が自身の英語の学習法について何と言っているかというと、特にこれといった勉強法があったわけではなかったようなのです。
一方で、英語を学ぶ原動力はどこから来ていたかというと、「唯早く、一日も早くどんな書物を見ても、それに何が書いてあるかということを知りたくて堪らなかった」という言葉から分かる通り、本が読みたい、そこに何が書いてあるのか知りたい、という切実な思いから来ています。
「もっと知りたい!」「この人の話を聞きたい!」「これが読めるようになりたい!」
そんな思いさえあれば、言語というものはいつの間にか使えるようになるのではないでしょうか。
子どもは優れた学習能力を持っていますが、それは単に脳の問題だけではなく、大人と比べて彼らの方がありとあらゆるものに興味を示し、知りたがることにも要因があるのかもしれません。
終わり方が分からなくなってしまいましたが、このあたりで筆を置く、いえ、キーボードを休ませることにします。
みなさんあと一カ月、充実した夏休みをお過ごしください。
それではпока!(パカー/さようなら!)
文責:R
*今日のロシア語*
читать вслух(チターチ フスルーフ)
意味:音読する
летние каникулы (リェートニエ カニークルィ)
意味:夏休み