東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ロシア語?なにそれおいしいの

Давно не виделись(ダヴノー ニ ヴィージリシ/お久しぶりです), りゅうです。

今日の記事は「ロシア語?なにそれおいしいの??」というわけで、ロシア語の存在を知っいるけど正体はよく知らない、ロシア語の存在を今知った人、そういう方向けになります。かなりおおまかに、専門用語などは極力省いてお伝えします。今月のテーマが「日本とロシア」なので、なるべく日本語(とその他諸々)を引き合いに出します。

 

文字

ロシア語ではキリル文字が使用され、日本語ではひらがな、カタカナ、漢字が併用されていますね。おおまかに解説すればロシア語のキリル文字は、英語のラテン文字と同じようにギリシア文字をもとに作られました。キリル文字は9~10世紀にはグラゴール文字から改良され、ロシアに普及し始めました。

 

一方日本語の文字について、まず5世紀ごろからから漢字を日本語に当てはめ、平安時代初期には万葉仮名の草書体を経てひらがなが独自に発展しました。そして最後に漢文訓読を素早く書き取るためのカタカナが平安時代後期あたりに徐々に統一されていき、こうしてそれぞれの文字の体系ができていきました。

 

こうやってみると、キリル文字とひらがな・カタカナはその体系が整って普及した時期がわりと一緒なのですね。自分で書いててすごい偶然を知りました。

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文字数は、ロシア語のキリル文字は33文字、日本語はひらがなとカタカナがそれぞれ51音、(常用)漢字が2136字あります。今思うと、義務教育の9年間でそんなに字を覚えたのかと…んー、過去の自分を少し褒めたくなります(笑)。

 

キリル文字の詳細は当ブログの過去記事も参照

・読めない?! (´Д` )「キリル文字」の世界

https://tufs-russialove.hatenablog.com/entry/2020/03/30/211314

・世界史選択必見!キリル文字でたどるロシア史

https://tufs-russialove.hatenablog.com/entry/2020/03/31/210248
 

発音

ロシア語の発音ですが、体感では英語より簡単です。なぜならいったん文字とその発音を覚えれば大体の単語はそのまま発音できますし、特殊な読み方も英語のより少ないからです。これは字面で知るより、実際に学習して実感してほしいですね。今思うと、英語の発音のバリエーションには苦労しました…あれでも一応規則があるのですが。ロシア語の発音は日本語に割と近いかもしれません。

 

ちなみに、個人的にロシア語より日本語の発音の方が難しいと思うときがあります。以前それを体現した文を見たのですが、忘れたので似た例文を自作してみました。

 

ままやぱぱがわからなかったら、まっかっかなかさがあさからささったままだった(ママやパパが分からなかったら、真っ赤っかな傘が朝から刺さったままだった)。

 

…と、同じ母音が連続するとかなり言いにくいです。こんな極端な文はないでしょうがね。

 

単語

ロシア語の単語は、教会スラヴ語などのスラヴ語由来のものがもちろん多く、その他ラテン語トルコ語、英語由来などもあります。日本語の単語は、日本由来の和語や漢字の熟語でできた漢語、英語などから由来の外来語がありますね。

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文法性

ロシア語には3つの文法性(男性、女性、中性)があります。フランス語などとは異なり、初見の単語でも語尾を見れば、名詞の性はおおかた分かります。ウクライナ語よりは分かります。いろいろな言語をやっていくと、ロシア語が少し親切に思えてきます。日本語の名詞に性はないですね。

  

語順

ロシア語の語順は日本語のように相対的にかなり自由で、英語のような強い語順の制限はありません。何でロシア語の語順が自由かというと、これは格変化の賜物です。格変化によって名詞は語尾を変え、その語尾によって文中でどんな意味的役割を果たすのかを示します。形容詞も修飾する名詞に合わせて変化します。一方動詞の変化には、主語の人称(一人称、二人称、三人称)、文法性や実際の性別、単数複数などが関わります。現在形が過去形かでどの要素が関わるか変わってきますが、詳しくは学習時に。動詞の場合も変化する箇所は決まっているのでご安心を。

 

これはスラヴ諸語の特徴なのでご存じの方もいたでしょう。こういった変化によって、文中の名詞や動詞の位置が多少入れ替わっても意味は大きくずれないのです。

 

日本語も格変化はしませんがかなり自由ですよね。これもロシア語と結構似た理由で、日本語は助詞で名詞の文中の役割を示せるからです。ただ日本語の場合は、述部がたいてい最後に来ます。言語の規則って一見厳しいようで緩いようで、不思議ですね。

 

アスペクト

これもスラヴ諸語の特徴です。ロシア語では、日本語で言う「動作1つ」に対してほとんどの場合、動詞が2つあります。その2種類の動詞を使い分けて、進行、完了、結果、繰り返しなど、動作の状態や局面(アスペクト)を表します。料理(動作の状態)によってスプーンとフォーク(完了体・不完了体動詞)を使い分けているイメージを浮かべてもらえればいいと思います。

 

ロシア語のこの動詞の使い分けは、正直格変化より難しいです。ロシア語の最難関の一つかもしれないですね。これに関してはロシア語ネイティブに感心しました(笑)。

 

日本語では動詞の形を多少変えて終助詞などを付けたり、副詞を補ったりして動作の状態や局面を表してますね。

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最後に

学習者の外向けにロシア語の特徴をいくつか紹介してみました。難しそうに感じたかもしれませんが、何でも慣れれば受け入れられます。あとはロシア語学習に対するモチベーションですかね。それから随所に曖昧な表記があった気がした方は、ぜひロシア語学習者側にいらして、その理由をご自身で確かめてみましょう。にやにや。

 

それでは、 До встречи!(ダ フストリェーチ/また近いうちに!)

 

 

文責:りゅう

 

 

*今日のロシア語*

сравнить/ сравнивать(スラヴニーチ/スラーヴニヴァチ)

 意味:比較する

особенность(アソーベンナスチ)

 意味:特徴、特色