東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

近いのは距離だけじゃない!北海道とロシア

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Всем привет! (フセム プリヴィエット!/みなさんこんにちは)

 

今月の私たちのブログのテーマは「日本とロシア」です。

経済協力や文化交流など、様々な分野での接点が見られる両国ですが、今回はよりミクロな視点から、地域レベルでの交流にフォーカスしてみようと思います!

 

取り上げるのは、地理的に近いだけでなく歴史的な結びつきも強い「北海道とロシア」です。

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日本の本州以南を除いた地図で見ると、本当にかなり近いことを実感しませんか?

 

でも、北海道といっても広い!ロシアはもっともっと広い!

ということで今回は、札幌・函館・根室の三つ都市に絞って、それぞれの町でのロシアとの関わりを見ていきたいと思います!

 

実はスラブ研究が盛ん「札幌市」

北海道の県庁所在地である札幌は、ロシア中央に位置するノヴォシビルスク姉妹都市提携を結んでいます。ちなみに、日本とロシアで姉妹都市を結んでいる町や地域は42個あり、そのうちの16個が北海道の町や地域にあたります(2020年2月現在)。

 

また、札幌に本キャンパスを持つ北海道大学札幌大学では、スラヴ・ユーラシア地域の研究やロシア語の教育が盛んに行われています。

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北海道大学
(出典:https://www.visit-hokkaido.jp/info/detail/89

私が北大の学園祭に訪れた時には、ロシアやポーランドからの留学生がボルシチ(ロシア・ウクライナのスープ料理)やキュウバサ(ポーランドのソーセージ料理)などの自国料理の出店を開いていました!お客さんが行列になるほどで、驚くべき盛況ぶりだったの覚えています。

  

料理といえば、札幌には有名なロシア料理レストラン「ペチカ」があります。

道産子の私は、先日帰省した時に初めて訪れましたが、「これまでここを知らなかったなんて…」と後悔するくらい美味しかったです!

ペチカは道産食材にもこだわっているそうです。もしかするとロシアと北海道は気候が近いので、その土地で取れる食材が似ているのかもしれませんね。

 

北海道とロシアというと、もう一つ、私がぜひ注目したいポイントがあります。それは医療・健康分野での協力です。

医療の質やコストの問題によって自国では治療の難しい極東地域のロシア人患者を札幌の病院で受け入れたり、ロシアの医療従事者を札幌の病院に招いて共同実習を行うなど、地域レベルでの連携が着々と進んでいるそうです。

北海道とロシア極東は地理的に近いことから、スピードがとても重要な医療という分野では、このような国を超えた連携がとっても大事になりそうですね!

 

日本初のロシア大使館函館市

夜景で有名な函館と隣国ロシアの歴史はとても古く、なんと函館は日本初のロシア領事館が置かれた地でした!

詳しくはこちら↓(日本とロシアの交友の原点がよくわかります。)

『おそロシア』はもう古い!? - 東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

さらに、ロシア人宣教師によって日本初の正教会の教会が建設されたのも、函館でした。

詳しくはこちら↓(つい昨日の記事!)

土佐藩士も回心した!幕末に伝来した正教会 - 東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

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函館ハリストス正教会
(出典:https://www.hakobura.jp/db/db-view/2011/04/post-74.html

現在、ウラジオストクに本キャンパスを置くロシア極東連邦総合大学は、函館にも分校を持ち、日本人の学生を受け入れています。大学が外国にキャンパスを持つってすごい!

学生の数は数十人ほどですが、ウラジオストクからネイティブ講師が派遣され、ロシア語教育や地域研究が行われているそうです。めちゃくちゃ実態が気になる…!

 

しかし、函館は日ロの交友の歴史を語る上で絶対に欠かせない要所でありながら、函館で育った友人の話では、多くの市民にとって日常の中でロシアを身近に感じることはあまりないようです。

今後はもっと交流が増えるといいですね〜。

 

そして、素敵なロシアの雑貨を扱った函館にある雑貨屋さんを紹介します!

ロシア・東欧雑貨直輸入店チャイカは、ロシアのお菓子や手工芸品、オーナーさんが現地で選りすぐった絵本などを販売しているお店で、カフェも併設しています。

まだ私も行ったことはないのですが、これはぜひ行きたい!行きたすぎる!

 

若い世代がエネルギッシュ「根室市

根室…ロシア…といえばラクスマンと反射的に出てくる人も多いのではないでしょうか?

中高の日本史・世界史でも習うように、1792年、ロシアの使節アダム・ラクスマンが日本との通商を求めて根室へ来航しました。函館での正教の布教が開始された頃から、さらに70年も前のことです。

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日本人が描いたラクスマン
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/アダム・ラクスマン

そして、北海道とロシアの間にはやはり見逃すことのできない北方領土問題があります。

根室市内には北方領土早期返還を謳った標識やポスターがあちこちにあり、町を歩いているとその意識の高さにドキッとさせられるものがあります。

 

また、私は高校生のときに北方領土に関する弁論大会に出場させていただいた経験があります(しっかり参加賞をもらいました笑)。全道各地から参加者が集まっていましたが、その中でも根室からきた高校生が特に多く、領土問題についてもとりわけ熱く語っていたのが印象的でした。

参加者の女の子に話を聞くと、根室の高校には北方領土研究同好会というものまであるそうです。根室はそれだけ北方四島との関係が深く、また若い世代の意識も高い町でもあります。

 

 

以上、北海道の3つの都市とロシアとの繋がりを見てきました!

1つの町を取り上げても、やはりロシアに関係する様々なトピックが出てくるのは、北海道ならではじゃないかなあと思います。北海道観光のついでに、今回紹介した様々な接点を意識してみると、ちょっと意外なロシアの風を感じられるかもしれません!

 

 

文責:りお

 

 

*今日のロシア語*

дружба(ドルージュバ)

 意味:友好、絆

 

【紹介させていただいた機関・お店】

北海道大学スラヴ・ユーラシア研究センター

http://src-h.slav.hokudai.ac.jp

札幌大学ロシア語専攻

https://www.sapporo-u.ac.jp/department/major-russian.html

ロシア極東連邦総合大学函館校

https://www.fesu.ac.jp

ロシア料理 & カフェ ペチカ

http://pechika1648.com

ロシア・東欧雑貨直輸入店チャイカ

https://www.chaika-shop.com