こんにちは。ももです。
今月は日本とロシアのつながりがテーマということで、私はロシアから伝来した正教会について調べてみてみました。
調べたきっかけは、前課題の講演会を聞きに神田に行ったとき、たまたまニコライ堂という正教の教会を通って、東京にも正教会があるんだ~と印象に残っていたからです。
正教会とは
正教会とは、キリスト教誕生の地であるエルサレムから発展した教会で、東地中海沿岸地域やロシアを中心に発展しました。そのためギリシャ正教会、もしくは東方正教会とも呼ばれます。ローマ・カトリック教会とは歴史的、文化的、信仰上の理由で1054年ごろに分離しました。現在世界で約3億人の正教信徒がいると言われています。
日本正教会
日本にロシアから正教会が伝えられたのは、19世紀の後半のことです。文久元年(1861年)、日本への伝道のため、聖ニコライが函館にやってきました。聖ニコライは、その国の文化を受け入れつつキリスト教の信仰を土着させるという正教会の聖伝にのっとり、日本人のための日本人による正教会を目指していました。そのため聖ニコライは、日本語を習得し、日本の文化や仏教、風俗習慣を学びました。
日本で初めて洗礼を受けた三人のうちの一人、沢辺琢磨は、坂本龍馬の従兄弟にあたる土佐藩士でした。函館で剣術を教えていた彼は最初、外国人を嫌い、ロシア人であるニコライも日本国を毒する敵だとして、ニコライのもとへ乗り込んでいきました。しかし、彼の話を聞くうちにその教えに心打たれ、やがて正教会の信仰を熱心に奉ずるようになったのです。
その後東京に伝道の本拠地が移り、明治24年には東京の神田に、ビザンチン建築の「復活大聖堂」が建立されました。やがてそれはニコライの名に因んで「ニコライ堂」と呼ばれるようになり、その荘厳な姿は人々の関心を集めました。
やがて日露戦争、ロシア革命、関東大震災によるニコライ堂の崩壊と、苦難の時代が続きました。(ニコライ堂は昭和4年に復興)。また、第二次世界大戦によって、司祭や信徒も激減してしまいました。
戦後、日本正教が自治協会(完全には独立しないものの、経済的には独立し、日々の教会運営を独自に行うという形)になり、現在は聖堂の再建や宣教活動などが積極的に行われています。
豆知識
聖歌…正教会では、讃美歌ではなく、聖歌といいます。また、オルガンなどの伴奏を用いずに歌います。
聖像(イコン)…キリストやその祭日、成人らを描いた平面画。木版やキャンバス、石板などに油彩などで描かれます。壁画やモザイク画も知られています。
調べてみると、意外と全国に正教の教会があるんだなと思いました。
ロシアや周辺の国に行ったときは当たり前のように教会があったからあまり意識してなかったのですが、日本で教会、しかも正教会のものを見かけると、少し親近感を感じてしまうのがなんだか不思議です。
みなさんもぜひ、雰囲気を味わうだけでも一度訪れてみてはいかがでしょうか。
文責:もも
*今日のロシア語*
Иисус Христос(イイスース・ハリストース)
意味:イエス・キリスト
Гимн(ギムン)
意味:国歌、聖歌
【参考文献】
https://www.orthodoxjapan.jp/history.html
https://kyoto-orthodox.or.jp/about_orthodox_church/