Привет (ﾌﾟﾘﾋﾞｪｯﾄ / こんにちは)！Уです！
今回は偉人特集ということで、腸活おじさんをご紹介します！
お付き合いいただければ幸いです！
唐突ですが、皆さんはロシアのノーベル賞受賞者が何人いるかご存知ですか？
お聞きしておいてすぐ答えますが、ソ連時代も含めると、現在合計で20人のロシア人が受賞しています。今回取り上げる腸活おじさんこと、イリヤ・メチニコフ(Илья Ильич Мечников)もその一人です。
1845年、ロシア南部のカルコフ地方（現ウクライナ）の裕福なユダヤ人家庭に誕生したメチニコフは17歳でカルコフ大学に入学。
1886年にはロシアのオデッサ大学にロシア初の細菌学研究所が設立された際、教授を務め、翌年、パリの研究所の招聘に応じ主任研究員を務めます。
そして1908年、「免疫食細胞説」でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
ざっと経歴を見ましたが、
要は気軽に腸活おじさんなんて呼べない、現代免疫学の礎を築いたすごい人物なんです。
では、なぜ今回腸活おじさんとしてピックアップしたか。
それはこのメチニコフがとある学説を打ち立てたからなんです。
それが、
こんな頭良さそうなのに、こんなメルヘンなこと考える!?
と思って衝撃を受けたのですが、さすがは学者です。ちゃんと論理的に考えてこの学説を打ち立てました。
晩年(とはいえ50代)、「老化の原因とは？」を研究テーマを掲げたメチニコフは、「腸内の腐敗菌増殖が老化を促す」という仮説を立てます。その最中、ブルガリアを旅行した際に、そこでヨーグルトを日常的に食べるおじいちゃん・おばあちゃんが超絶元気で100歳オーバーがわんさかいることに着目。
「乳酸菌を含んだヨーグルトを摂取することで腸内環境が改善される」説を提唱し、これが『ヨーグルト不老長寿説』となりました。
メチニコフ自身もヨーグルトを大量に摂取し、大腸を乳酸菌で満たすことで、老化の原因である大腸菌を駆逐しようと努めます。
さらに「不老長寿論」(原題:「老化、長寿、自然死に関する楽観論者のエチュード」)の一部としてこの『ヨーグルト不老長寿説』を発表したことで、ブルガリア菌を使ったヨーグルトメーカーが増加するなど社会にも影響を与えました。
しかし、その努力も虚しくメチニコフは71歳で亡くなります。
病床で「私がブルガリアヨーグルトの素晴らしさに気づいて食べ始めたのは53歳の時からで残念ながら遅すぎた。もっと早くから食べていればもっと長生きできたはずなのに」と言葉をこぼした彼は、自身の体を解剖するように頼み、最期にこう言い残したと言われています。
ただ、死因は心不全でした。(小声)
その死後、「ブルガリアヨーグルトに含まれている乳酸菌は胃酸で死滅し、大腸まで到達できないので乳酸菌の飲用は無効」という声も当時は聞かれ、ヨーグルトのブームは一時下火になります。
しかし！100年後の今、メチニコフの考えは「プロバイオティクス」として正しかったことが明らかになり、ヨーロッパにおけるヨーグルトの普及の草分け的存在として知られるようになり、今日に至ります。
以上、ヨーグルトに期待全振りという、頭がいいからこそ(?)の暴挙に出た腸活おじさんのお話でした。
いかがでしたか？今度ヨーグルトを食べる時、そういえばこんなおじさんいたなぁと思い出していただけたら幸いです。
心と体を健康に！ヨーグルトで強く生きましょう！Уでした！
У
＊今日のロシア語＊
йогурт (ｨﾖｰｸﾞﾙﾄ)
意味：ヨーグルト
кишечник (ｷｼｪｰﾁﾆｸ)
意味：腸
【参考】
・meiji ヨーグルトに関する明治の総合情報サイト明治ヨーグルトライブラリー「ヨーグルトの研究者たち 『メチニコフ』」https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/researcher/mechnikov/01/
・KOEI SCIENCE 光英科学研究所「乳酸菌生産生物にまつわる用語解説『メチニコフ』」https://koei-science.com/labmetabolites-dictioanary/mechnikov/
