みなさん、здрасте (ズドラースチェ) !
今回の挨拶はいつもおなじみの「здравствуйте(ズドラーストヴィチェ)」が変化した形で、スラングのようなものです。「привет(プリヴィェート)」よりはやや丁寧ですが、くだけたニュアンスがでます(日本語の「こんちは!」に近いです)。
さて今回はロシアのお土産を紹介していきますが、あえてロシアのステレオタイプそのものでもあるウォッカについて、実際の商品を紹介したあとにロシアにおける簡単な歴史を書こうと思います。
今は様々な種類のウォッカが売られており、おしゃれなボトルの商品もあります。そこでまずは自分用のお土産として買って飲むもよし、飲み会に持っていくもよしという商品を紹介していきます!
(なお価格は700㎖か750㎖のボトルのものを表記していますが、お店により変動があります。)
1.Царская (ツァールスカヤ)
このウォッカの名前は「Imperial」を意味しており、名前負けしていないおいしさです。特にGoldenは筆者イチオシの商品で、純米大吟醸のような雑味のない澄み切った味わいによる飲みやすさが特徴です。価格の方も800ルーブル(約1400円)前後で買えるため、コスパがかなりいいです。
そしてこのツァールスカヤにはフレーバータイプもあり、ストレートが苦手な方やカクテルに風味を足したい方にもおすすめです!
2.Русский стандарт (ルースキー・スタンダルト)
「Russian Standard」を意味するこのウォッカもまたとてもおいしいです。こちらもすっきりとした味わいでありつつもかすかな香りが乙な一品です。価格は種類によって大きな差がありますが、オススメは「オリジナル」(約600ルーブル/約1000円)と「プラチナ」(約900ルーブル/約1500円)です。
3.Путинка (プーチンカ)
なんとこちらのウォッカはプーチン大統領の名前を冠しており、国営モスクワ蒸留所で製造されています。味はスタンダードなウォッカの味ですが、「クラシック」はなんと300ルーブル(約500円)以下で買えます。基本的にこの価格帯のウォッカは粗悪なものが多くオススメできませんが、プーチンカは大丈夫です。(もちろんプーチンカであってもより高い種類の方がおすすめです。)
4.Хаски (ハスキー)
こちらのウォッカの名前はシベリアンハスキーからとっており、オムスク地方に本社がある西シベリアの会社が製造しています。特殊な冷却処理技術とろ過によるすっきりとした味わいが特徴です。またボトルに刻まれている肉球のデザインが印象的で、犬好きの方へのお土産にぴったりです!価格の方も600ルーブル(約1000円)弱で買うことができ、コスパはいい方です。
5.Белуга (ベルーガ)
ベルーガとはオオチョウザメのことで、ボトルについている金属製の装飾が目を引きます(頑張れば剥がすこともできます)。公式ホームページでは最初のロシアブランドのプレミアムウォッカであると謳っており、その味は折り紙付きです。プレミアムとあって価格は1500ルーブル(約2500円)以上しますが、試す価値のある一品です。
6.Матрёшка(マトリョーシカ)
かわいらしいデザインのボトルが目を引くこのウォッカはお土産にぴったり!個人的にはクセが強い印象を受けたため、ストレートよりもカクテルの割り材として飲むことをおすすめします。価格は少々お高めの1400ルーブル(約2400円)ほどですが、飲み終わった後もボトルを飾るなどして楽しむことができます。
7.Нефть(ネフチ)
なんとこのウォッカの名前は「石油」です。衝撃的な名前と容器ではありますが、味は非常に澄んでおりツァールスカヤと同様にかなり飲みやすいです。しかし価格は今回書いた商品の中でダントツの最高額を誇っています。筆者が購入したとき、あまりに売れないためか容器の上にはうっすらと埃が積もっていました…(笑)しかし飲み物でありながら産油国ロシアとしての側面も主張している商品であり、お土産としてのインパクトは抜群です。
それではここからはロシアにおけるウォッカ誕生の歴史を極簡潔に書いていきます。
「ウォッカ(водка/ヴォートカ)」という名前の由来は諸説ありますが、ロシア語を勉強している人の間では「水(вода/ヴァダー)」という単語から来ていているという説が一般的です。そしてウォッカ誕生の歴史についても所説ありますが、今回はロシア国有通信社である「РИА Новости(リア・ノーヴァスチ)」の記事(1)を参照しました。
ウォッカの素でもあるエタノールは11世紀にペルシア人のアル・ラーズィーが初めて蒸留によって分離に成功し、ヨーロッパでも遅れて蒸留できるようになりました。14世紀末にジェノヴァの大使が「命の水」として当時のモスクワ大公に紹介した時に、ロシアに初めてエタノールが持ち込まれました。
1429年のヴァシーリー二世の治世下で再びエタノールが持ち込まれましたが、度数ゆえに水で割って飲む方が好まれました。これがロシアのウォッカの始まりであると言われています。
ここまで力説してきたウォッカを筆頭にロシアのステレオタイプにお酒はつきものですが、実は近年若い世代を中心に以前ほどお酒を飲まなくなってきています。WHOの統計によると2003年から2018年にかけてロシアのアルコール摂取量は43%減少しており、徐々にロシア人の間にお酒から離れる動きもあります。
ではなぜ今回ウォッカを取り上げたのでしょう?
理由は単純、筆者が好きだからです!
ロシアに行ってお土産にウォッカを買おうと思った場合に参考にしていただければ幸いです。
そしてみなさんもお酒を飲むときは自分の飲める分量を意識して、決して無理はせず、適切に楽しく飲みましょう。
До встречи (ダ フストリェーチ) !
კოჯიმა
(1)『История появления водки и интересные факты о ней』、2010年1月31日、
https://ria.ru/20100131/206855879.html
【出典】
https://www.ladogaspb.ru/catalog/vodka/vodka_tsarskaya_zolotaya-724851654/
http://www.russianstandard.com/
http://kristall1.ru/catalog/Vodka/31035__-40-0-5-/
http://www.vodkahusky.com/assortment/
https://belugagroup.ru/brands/vodka/beluga/
http://www.kingroup.ru/catalog/vodka/vodka-matrioshka/?AGE18=YES
*今日のロシア語*
водка(ヴォートカ)
意味:ウォッカ
Давай выпьём!(ダヴァイ ヴィピヨーム)
意味:「一杯どう?」