東京外国語大学ロシアサークルЛЮБОВЬ(リュボーフィ)のブログ

「未知なる魅惑の国」であるロシアならではの文化から、留学や旅行のこと、東京外国語大学でのキャンパスライフのことまで。このブログでは、東京外国語大学のロシアが大好きな学生たちが様々なテーマに沿って日替わりで記事を書いていきます。ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)とは、ロシア語で「愛」を意味します。

ロシア語のことわざ

Здравствуйте!  ロシア語科2年、 ЛЮБОВЬ(リュボーフィ)メンバーのなつほです!

部活はストリートダンス部に所属しています。でもコロナウイルスの影響で練習がなかったので、休みの期間はずっと韓国ドラマみてました!

 

今回はロシア語のことわざについて紹介したいと思います。

 

外語大の一年生は文法を中心に勉強するのですが、そこで使用される『大学のロシア語Ⅰ』という教科書ではいくつかのことわざが紹介されています。ロシア語は日本語の「てにをは」にあたる言葉の代わりに語尾が変化する仕組みになっているので、必然的に同じような音の語尾が続くようになっています。つまり、脚韻を踏んだ響きになっていて綺麗なんですね。

 

ではまず、日本語のことわざと共通するものを紹介していきます!

 

«Тише едешь, дальше будешь.»―急がなければならないときこそ落ち着いて行動せよ。

日本語では「急がば回れ」です。多少手間がかかっても安全な方策をとった方が結局は得策である、という戒めの言葉です。

 

«Прощай ошибки чужим, но себе никогда.»―他人の失敗は許せ、だが自分のは許すな。

他人の行動を見て、良いところは見習い、悪いところは改めよ。これはそう、「人のふり見て我がふり直せ」ですね。

 

«Яйца курицу не учат.»―卵は鶏に教えることはできない。

これは「釈迦に説法」です。自分より優れた人には教え諭すことはできないという意味で、自分より目上の人や立場が上の人には説教をするなという戒めの言葉です。

 

«В одно перо и птица не родится.»―同じ羽根の鳥は生まれない。

人はそれぞれ違う性質を持っている、という意味なので、これは「十人十色」でしょうか。

 

«На чужой стороне и сокола зовут вороною.»―異国では隼もカラスと呼ぶ。

日本語では「所変われば品変わる」。土地が違うと、それにしたがってそれぞれ特有の風俗・習慣・言語などがある、という意味です。隼の意味のсокола は «Видно сокола по полету.»(隼は飛び方を見ればわかる)ということわざにも使われています。

 

 

続いて、ロシアらしい?面白いことわざを紹介します!

 

«Язык до Киева доведет.»―舌がキエフに連れていく。

このことわざの意味は、「舌(口)を使って人に尋ねさえすれば、遠いキエフまでもたどり着くことができる」です。その目的までの道のりや方法がわからなくても人に聞けばわかる。たしかにGoogleやSiriに頼るのではなく人に尋ねた方が早いことがありますよね。笑

 

«Москва слезам не верит.»―モスクワは涙を信じない。

泣いても現実は変わらない、涙は通用しないという意味です。これはかつてのモスクワ大公国時代の厳しい税制に対してその軽減を嘆願した者が、その嘆願を退けられた上に罰として処刑されたという故事に由来しています。

 

«Первый блин комом.»―はじめてのブリンは塊になる。

これは誰でもはじめてやったことは失敗するという意味です。ブリン(複数形はブリヌイです)とは薄いパンケーキのようなものです。簡単につくれるのでこの「おうち時間」にぜひ作ってみてください!

 

«На чужой каравай рот не разевай, а пораньше вставай да свой затевай.»―他人のパンに向かって口を開けるな。早起きして自分で何とかしろ。

他人の富や成功を羨むのではなく、自分で努力して成し遂げろ。という意味ですね。染みますね~。このことわざは命令法の同志の語尾вайを中心として韻を踏んでいます。

 

«С миру по нитке- голому рубаха.»―ミールごとに糸を持ち寄ったら、裸の人にシャツを作ってあげることができる。

ほんの少しずつでも皆で助け合えば困っている人を救うことができる!素敵な格言ですね。助け合いの精神が大切な共産主義時代のロシアを象徴しているのでしょうか?ちなみにмир(ミール)とはロシア語で「平和/世界」を意味する帝政ロシア以前の農村共同体です。

 

«Любовь не картошка, не выкинешь в окошо.»―愛はじゃがいもではないから、窓から投げ捨てることはできない。

愛はそう簡単に捨てることはできない。そんなロシア人の恋愛観が反映された素敵な言葉です。でもなんでじゃがいもなんですかね。

 

 

終わりに

授業で聞いたのですが、ロシア語には罵倒する言葉が多いそうです。ということはことわざも心にグサッとくるものが多いのかな?と思ったのですが、日本語のものと似た表現やなるほどと思わされるものばかりでした。

 

皆さんオンラインで物事が進むことが当たり前になっていますが、眼精疲労がひどくないですか?家にこもっていると太陽が恋しくなりますよね~。天気の良い日は出かけたい気分になりますが、Один за всех, все за одного(一人はみんなのために、みんなは一人のために)! 

 

ここまで読んでくださってありがとうございます!

それではпока!

 

 

なつほ

 

 

*今日のロシア語*

 

пословица(パスローヴィツァ)

意味:ことわざ