世界史選択必見!キリル文字でたどるロシア史
こんにちは。昨日に引き続きしおりがお送りします。
連日新型コロナウイルス関連の情報がニュースを席捲していますね……気持ちが滅入ってしまいそう……
しかし!外に出られなくて暇なこんな時こそ新しいことを知る機会にすれば!良いんじゃないでしょうか!
さて、昨日キリル文字について簡単にご説明しましたが、今日はキリル文字の歴史とロシアの宗教を簡単にご説明したいと思います!なんで文字と宗教?と思った方もいるかもしれませんが、実は深い関係があるのです。
大学受験で世界史をやっている方!ここテストに出るかもしれませんよ!
キリル文字の誕生
395年にローマ帝国が分裂した際、東側(今のトルコなどあたり)にビザンツ帝国ができました。(「錯誤395で分裂ローマ帝国」と覚えましょう)
ビザンツ帝国はキリスト教の一宗派である正教の国で、1453年にオスマン帝国(イスラーム)に滅ぼされるまで続きました。
9世紀ごろに、モラヴィア帝国(今のハンガリーあたり)で正教を布教するために、ビザンツ帝国のキュリロス兄弟がギリシャ文字をもとにグラゴール文字をつくりました。
形が複雑だったグラゴール文字は、読みづらかったのかすぐに廃れてしまいました。(濁点だらけのいかつい名前に似合わない丸文字っぽい可愛さから、日本で顔文字として復活したとかしていないとか……)
キュリロス兄弟の弟子たちによってグラゴール文字が、元のギリシャ文字に近いシンプルな形に改良されてできたのがキリル文字です。キリル文字はキュリロスにちなんで名前が付いたといわれています。
ロシアでの普及
882年ノルマン人のオレーグという人が、ロシアの起源となるキエフ公国という国をつくりました。(「母88に2捧げるキエフ公国」と覚えましょう)
10世紀の末にキエフ大公ウラディミル1世が、ビザンツ皇帝の妹と結婚し正教に改宗しました。ここからキリル文字がロシアに普及し始めました。正教の教えとともにキリル文字は広まったのです。文字の普及に宗教が深く関わっているわけですね。ちなみに正教はロシア語の語彙にも影響を及ぼしているのですが、それはまた別の機会に。
ロシア正教について
現在もロシアで多く信仰されているのはロシア正教です。カラフルでかわいらしい造形をした教会が有名ですね。ネギ坊主のような形は炎を象徴しているそうです。
十字架もカトリックの十字架とは異なる、八端十字架が用いられています。縦1本、横3本の4本の棒からなる十字架です。十字の横棒の上に加えられた短い横棒はイエスの罪状書き、下の斜めの棒は処刑台の足台を意味していると言われています。
キリストやマリアを描いたイコンも特徴的です。皆さん一度は見たことがあるのではないでしょうか。
ちなみに日本にも正教会はあります。御茶ノ水にあるニコライ堂が有名ですね。
もし近くを通ることがあれば、見学してみてはいかがでしょうか?
ロシアの歴史や文化はとっても面白いです。
今後もそういったトピックの記事を出していけたらと思っています。お楽しみに!
最後までお読みくださってありがとうございました。
それではまた!Пока!
しおり
出典
詳説世界史 山川出版社
河合塾総合世界史
*今日のロシア語*
история(イストーリヤ)
意味:歴史、物語
церковь(ツェールカフィ)
意味:教会